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2017'06.01 (Thu)

旬のネタ

*これは、過去にアップした記事などで、一定期間トップページに出しておきたい旬のネタを載せておくエントリです。日付や内容は随時変更します。
Edit |  19:09 |  ミュシャ一般   このページの上へ

2017'01.04 (Wed)

2017年度のミュシャ展

2017年は「日本におけるチェコ文化年」ということで、ミュシャ絡みのイベントがたくさん!とりあえず今出てる情報をピックアップしてみました。これを参考にして今年の計画を立てよう!
http://czechculture2017.jp/index.html
(↑に関係なくてもイベントを見つけ次第、随時追加していく予定)

※2016年度(2017年3月まで)の分はこちら
http://ira.blog2.fc2.com/blog-entry-818.html

※堺アルフォンス・ミュシャ館 臨時休館
平成29年2月6日(月)~6月30日(金)
https://mucha.sakai-bunshin.com/news.jsp?id=2661114


2017年3月8日(水)~6月5日(月)
ミュシャ展
国立新美術館
http://www.mucha2017.jp/
http://www.nact.jp/exhibition_special/
コメント:以前から噂になっているスラヴ叙事詩が展示される予定。堺のコレクションも!
堺市プレスリリース:蛇ブレス、ウミロフミラー、ハーモニーなど38点を貸出
http://www.city.sakai.lg.jp/shisei/koho/hodo/hodoteikyoshiryo/kakohodo/teikyoshiryo_h28/teikyoshiryo_h2809/0907_01.html

2017.4.22. SAT. - 5.28.SUN.
アルフォンス・ミュシャ展
酒田市美術館(山形)
http://www.sakata-art-museum.jp/
コメント:アール・ヌーヴォーの旗手として、その名を美術史に残したアルフォンス・ミュシャ(チェコ語でムハ)の展覧会。ポスターや室内装飾パネルなどの代表的な作品をはじめ、挿絵作家としての作品、装飾資料集、商品パッケージ、カレンダー、ポストカードのほか祖国チェコで手掛けた切手や紙幣など、初公開の資料を含む約400点を紹介。フランス・アメリカ・チェコへと拠点を移して活躍した50年の画業をたどりながら、ミュシャの全容に迫ります。数年をかけて日本全国を巡回予定。

2017 年 6 月 2 日(金)~7 月 2 日(日)
FELL THE Mucha HEART ~民衆のための芸術とチェコへの愛~
伊藤忠青山アートスクエア(東京)
http://www.itochu-artsquare.jp/
http://www.itochu.co.jp/ja/csr/news/2017/170302.html
コメント:OGATAコレクションとOZAWAコレクション

2017年7月1日(土)~2017年11月5日(日)
企画展「あこがれ アルフォンス・ミュシャに魅せられた人々」
堺市文化館 アルフォンス・ミュシャ館
http://mucha.sakai-bunshin.com/

2017.7.15. SAT. - 9.24. SUN.
アルフォンス・ミュシャ展 麗しきアール・ヌーヴォー
佐川美術館(滋賀)
http://www.sagawa-artmuseum.or.jp/
コメント:アール・ヌーヴォーの旗手として、その名を美術史に残したアルフォンス・ミュシャ(チェコ語でムハ)の展覧会。ポスターや室内装飾パネルなどの代表的な作品をはじめ、挿絵作家としての作品、装飾資料集、商品パッケージ、カレンダー、ポストカードのほか祖国チェコで手掛けた切手や紙幣など、初公開の資料を含む約400点を紹介。フランス・アメリカ・チェコへと拠点を移して活躍した50年の画業をたどりながら、ミュシャの全容に迫ります。数年をかけて日本全国を巡回予定。

2017.10.14 SAT-11.26 SUN
アルフォンス・ミュシャ展(仮称)
美術館「えき」KYOTO(京都)
http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/
コメント:詳細不明

2018年2月24日(土)~ 4月8日(日)
ミュシャ展 ~ミュシャと女たち~
ひろしま美術館
http://www.hiroshima-museum.jp/special/index.html
コメント:チマルコレクション
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2016'04.02 (Sat)

2016年度のミュシャ展(2016/4~2017/3)

4月に入って今年度の展覧会開催情報がいろいろ出てきて、
今年は何事?と衝撃を受けた勢いのまま久々のブログ更新です。
ログインしたのどれくらいぶりだろう……

ということで、2016年4月~2017年3月の期間に開催される予定のミュシャの展覧会を並べてみる。
ちなみに堺市のミュシャ館は通年ミュシャを展示している施設。常設なので特別展の枠とはちょっと違うけど、ここで取り上げないのもミュシャ館を応援する身としては忍びないので入れておく。期間限定じゃない分「特別感」は薄いけど、世界的に見ても重要なミュシャコレクションだし、年3回くらいテーマを変えて企画展示しているし、混雑してないからゆっくりじっくり見れるし、もっとみんな行って盛り上げようね~。

2016年04月02日(土) ~ 2016年05月29日(日) ≪会期終了≫
ミュシャ展 アール・ヌーヴォーの華
長崎県美術館(長崎市出島)
http://www.nagasaki-museum.jp/exhibition/archives/429
コメント:堺市のミュシャ館から貸し出された『蛇のブレスレットと指輪』や『ハーモニー』を目玉とする展覧会。
展示数は約400点。個人コレクションを含み、初公開の資料もあるらしく、マニア垂涎。(←それは私)

2016年03月12日~2016年06月12日 ≪会期終了≫
ミュシャとコスチューム
堺市立文化館 堺 アルフォンス・ミュシャ館
https://mucha.sakai-bunshin.com/tenji_shosai.jsp?id=2488897
コメント:神戸ファッション美術館やKCIの協力を得て、絵だけでなく昔の衣装なども展示している。

2016年06月18日~2016年10月16日 ≪会期終了≫
ミュシャのアトリエ―どんな作品を作っているの?―
堺市立文化館 堺 アルフォンス・ミュシャ館
https://mucha.sakai-bunshin.com/
(情報源:館発行のパンフレット)

2016/6/25 - 9/25 ≪会期終了≫
【特別展】アルフォンス・ミュシャ  デザインのしごと
清須市はるひ美術館(愛知)
http://www.museum-kiyosu.jp/exhibition_info/schedule.html
コメント:以前ミュシャ館にいた方が今こちらで学芸員をしているらしい。
この展覧会にも携わっているのだろうか。
(OGATAコレクション他)

2016年9月21日(水)~10月31日(月) ≪会期終了≫
アルフォンス・ムハ ~祖国チェコへの想い~ (9/21~10/31 チェコセンター東京)
10:00~17:00 (土日・祝日休館)
チェコ共和国大使館内 チェコセンター 展示室
http://tokyo.czechcentres.cz/news/vstava-alfons-mucha-pro-svou-vlast/
協力:OGATAコレクション

10月8日(土)~12月4日(日) ≪会期終了≫
特別展「ミュシャ展 -虜になる美しさ-」
大分市美術館
http://www.city.oita.oita.jp/www/contents/1437020042124/
展覧会詳細
http://www.city.oita.oita.jp/www/contents/1468987260064/index.html
コメント:約420点展示(OGATAコレクション他)

2016年10月22日~2017年2月5日
ミュシャと新製品の誘い
堺市立文化館 堺 アルフォンス・ミュシャ館
https://mucha.sakai-bunshin.com/
(情報源:館発行のパンフレット)

2016年12月11日(日)~2017年2月12日(日)
くらしを彩るアールヌーヴォーの画家 アルフォンス・ミュシャ
呉市立美術館
http://www.kure-bi.jp/?cn=100505
コメント:(OGATAコレクション他)

2016年12月23日(金)~2017年1月19日(木)
飛騨高山美術館 開館20周年記念 特別企画展 アルフォンス・ミュシャ展 華ひらく未来へ向かって
http://www.htm-museum.co.jp/
開幕の様子:http://htmmuseum.hida-ch.com/e822525.html
コメント:堺市が協力

2017年2月24日(金)~3月26日(日)
ミュシャ展
防府市地域交流センター[アスピラート]
http://www.c-able.ne.jp/~aspi-111/
コメント:(OGATAコレクション他)

2017年3月8日(水)~6月5日(月)
ミュシャ展
国立新美術館
http://www.mucha2017.jp/
http://www.nact.jp/exhibition_special/
コメント:以前から噂になっているスラヴ叙事詩が展示される予定。堺のコレクションも!
堺市プレスリリース:蛇ブレス、ウミロフミラー、ハーモニーなど38点を貸出
http://www.city.sakai.lg.jp/shisei/koho/hodo/hodoteikyoshiryo/0907_01.html

※堺アルフォンス・ミュシャ館 臨時休館
平成29年2月6日(月)~6月30日(金)
https://mucha.sakai-bunshin.com/news.jsp?id=2661114
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2013'08.05 (Mon)

ミュシャ くらしを彩るアールヌーヴォー、ミュシャの横顔

大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)で開催中の「ミュシャ くらしを彩るアールヌーヴォー」展に行ってきた。
ギャラリートークのある日を狙って行った。
お話は兵庫県美の学芸員で元堺のミュシャ館の学芸員の方と、ミュシャコレクターの尾形さん。
尾形さんはドイコレクションの形成に関わった人らしい。当時は土居さんの下でミュシャ作品を集めていたらしいけど、今は自分の趣味で集めているんだとか。ミイラ取りがミイラになったと(笑)。コレクターとしては後発組だし、そんな大枚はたけないのでポストカードをメインで集めているそうで。展示されてた絵葉書の中で、特にこのJOBは綺麗なもので…というお話をされていて、こないだ絵葉書資料館で見たときに綺麗!と思ったやつだったので、やっぱりそうなんだ…と嬉しくなった。
コレクター的な視点のお話も面白かった。ポストカードも色々あって、高いものだとポスター並みの価格だったり。シャンプノワみたいな大手の印刷会社が出したものは枚数もあるけど、小さな印刷所が出したものなんかは数が少ないかららしい。あと、集めるとしたら使用済みか未使用(未書き込み)のものか、という話で、最初はまっさらのがいいと思ってたけど集めるうちに使用済みのも欲しくなって…という話が可笑しかった。
神戸ドールミュージアムで尾形コレクションを見たときに、大判リトグラフはイヴァンチッツェ地方祭と曙・黄昏セットの2種類で、なんでこの2種類なんだろう?と不思議に思ったんだけど、その謎も判明した。
曙・黄昏は確かドイコレクションには片割れしかなくて、そもそも結構レアなんじゃなかったっけ?ということが漠然と頭に浮かんでたんだけど、それに直結する答えだった。
イヴァンチッツェの方も似たような経緯で、ドイコレクションに入ってるのは文字部分が切り取られたもので、文字入り版を探してたというのがその理由。
これは結局ドイコレクションには入らなかったみたいだけど、その理由まで突っ込んで聞いていいものか悩んだので聞いてない。
蛇腕輪の逸話も楽しかった。目の前にアレがあったらやっぱりつけてみたくなるよね(笑)。この腕輪は30年位前にサザビーズのオークションで土居さんが落札したものなんだけど、1年くらい前にドイツの装飾博物館で開催された蛇にまつわるジュエリーを集めた展覧会に貸し出しされた際に、当時オークションで競り合った相手がその博物館の人で、再会して、あの時は…という話で盛り上がったらしい。(ちなみに蛇腕輪は今昔館では展示されてません。堺のミュシャ館にあるよ!これだけのために堺へ行く価値がある作品なので、みんな堺へ行こう!)
お二人が堺(というかミュシャ館というかドイコレクションというか)に縁の深い人だからか、堺アピールが随所に(笑)。今はウミロフミラーも修復されて綺麗になって展示されてるし、ハーモニーもあるし、クォヴァディスもあるし、ナチュールもあるし、蛇腕輪もあるし、大型の壁画習作もあるし、油彩画もたくさん展示されてるし、是非!と私からも猛烈アピールしておく。その分リトグラフは少ないので、そこは今昔館で補いましょう。今昔館から堺までは電車で40分くらいなので、近い近い。余裕でハシゴできるよ!

その他、小話など。
白い象の伝説の小型版は表紙が子供向けに可愛らしくなってた(ミュシャではない)けど、中の挿絵はミュシャらしい。
ロシア復興の絵葉書の裏に、ロシア復興の切手が貼ってあった。
スラヴィア銀行は証券みたいなもので、裏面にはそういう記載があるとか?
ハムレット修復の話。鳥の糞。
LUのパッケージはシートで売ってたらしい。側面はレア。普通はなんの味気もない箱。ミュシャなどがデザインしたシートで包むようなイメージ。ミュシャのデザインの中ではイタリアの情景を描いたものが人気だったらしい。
当時、ポスター(装飾パネル)が大衆向けだったとはいえほいほい買えるもんでもなかったので、絵葉書を集めてる人が多かったらしい。ポスターがウン万円として絵葉書が数百円くらいの感覚だったらしい。ミュシャの奥さんも…?
尾形さんはLUの本をお持ちで、トークの参加者向けにご自由にどうぞとしばらく置いておいてくれたので少し読んでみたけど、ミュシャ以外の内容も興味あるなー。(ゆっくり読んでる時間はなかった)JOBも興味あるんだけど、どこかに本とか資料はあるんだろうか。
当時のリトグラフの販売カタログみたいなのがあった。研究者にとってもレアものらしい。
石版の説明で黒板を例に出してたのがわかりやすかった。
ミュシャが「ミュシャ」として定着する前の話とか。
シルクサテンに印刷したものを目玉扱いしていたことに疑問を持っていたのは私だけじゃなかった。
堺のミュシャ館は世界で3本の指に入るコレクションだと言っていた。最大のコレクションはミュシャ財団として、もうひとつってレンドルコレクションかしら?と考えるに至って、改めてジリ・ミュシャの偉大さに感嘆する。どのコレクションにも関わってるんだもんね。芸術家が後世にまで評価されるためには熱心な遺族やコレクターの存在が大事というけれど、それを地で行く存在だなと。
元堺の学芸員だった方は、つい最近まで堺にいたそうで、トークの後もしばらく雑談していたら、あるとき堺で目撃されていたことが判明(笑)見られてたなんて知らなかったよ。あの節はどうも…。兵庫県美でも頑張ってください。(以前、堺のミュシャ館へ行ったとき、閉館時間が過ぎてるのに館内で資料を読み耽っていて、係の人に声をかけられたことがあった。たぶん半年か1年くらい前。そのとき学芸員さんとは直接顔を合わせていないんだけど、監視カメラか何かで見られてたってことかな。)

展覧会のほうに話を戻すと、尾形コレクションは絵葉書が大多数で、雑誌や書籍関係も多かった。ポスターや装飾パネルは堺市所蔵のものや大阪市寄託のサントリーコレクションがほとんど。
ミュシャ以外の展示もあった。ガレの家具とかいろいろ。武田五一とか。その辺は京都工芸繊維大学の工芸資料館からの出品で、作者不詳のものも多かったかな。たぶん当時、資料として学校で使っていたものなんだろうか。大阪のアールヌーヴォー建築も写真パネルで紹介されていた。
トークでおなかいっぱいになっちゃったので、最後のほうはちょっと消化不良気味かも。余裕があればもう1回行ってもいいかなー。今昔館の常設コーナーも見ないままだったし。

鑑賞後、あんまり時間がなかったけど堺へ向かった。今やっているのは「ミュシャの横顔」展。
くらしの今昔館で話を聞いた後で見ると、なるほどね~な展示が。
今昔館のギャラリートーク後の雑談の中で、ドイコレクションのイヴァンチッツェ地方祭のポスターは上下の文字部分が切り取られているという話があったけど、その完全版の写真パネルが横に貼ってあった。
もうひとつ、なんだっけな?同じような展示方法になってるやつがあった。
油彩画とか壁画の下絵(かなり大きい)とか、大ぶりなものの展示が多いせいなのか、全体の展示数はいつもより少なかったような…。
ウミロフミラーは修復されたということだけど、前がどんなんだったかよく憶えてない…。心なしかくっきりしたような?まあ、修復といっても劇的に手を入れるわけじゃないだろうし、前後の比較写真でもないとわかんないよね、ということにしておく。
蛇腕輪もナチュールも相変わらず麗しい。
クォヴァディスもハーモニーもいい。
リトグラフは少なかったけど、月星シリーズが並んでた。これ綺麗だよねー。
習作とか下絵の類も色々あって、面白かった。
前後期で展示替が多少あるらしく、後期に私の好きな「眠れる大地への春の口づけ」が!リトグラフだけど見たいー。また来なくては。
是非手に入れたいと思っていたミュージアムニュースをゲット。ほくほく。
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さらに時間はないが与謝野晶子文芸館も覗いてきた。むかしの「くらし」を覗いてみようという企画で、くらしの今昔館から借りてきた家具とか日用品が少しだけ展示されていて、こんなところで協力してるのかと思ったり。晶子さんは商家の生まれらしいけど、もともとは堺に住んでたわけじゃないらしい(どこにいたかは憶えてない)。堺に引っ越した理由が新鮮な魚介類を求めてってところが凄いなーと思った。与謝野鉄幹と結婚してからは、鉄幹の趣味(違)で質素な食生活をすることになって色々大変だったとかいうエピソードも。
館内の案内板とかを見ていたら、ご自由にどうぞということで、過去の展覧会のミニパンフレットが置いてあった。明星絡みのものを2つ貰ってきた。藤島武二~♪
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2013'06.24 (Mon)

ミュシャの絵葉書とグラフィック展

もう会期も終わりかけだけど、神戸の絵葉書資料館とドールミュージアムへ行ってきた。この2館は姉妹館なのかな?
土曜日に雨の中、お出かけ。絵葉書資料館へ行くのは2回目だけど、そういえば前回も雨だったなー。

絵葉書資料館では、ミュシャの絵葉書展を開催。
最寄は霞ヶ丘という駅なんだけど、神戸育ちじゃないのであの辺をなんと呼べば皆がぴんとくるのかわからない。一応神戸市だけど、明石寄りだし。垂水?須磨?
ミュシャのアンティーク絵葉書がたくさん展示されていた。ほとんどの絵葉書はミュシャの生前に作られたもの。多分。パリ時代のポスターや装飾パネルを絵葉書化したもの、チェコ時代のもの、写真絵葉書など、バリエーションもいろいろ。案外チェコ時代が多かった。
最初にミュシャのポートレート写真絵葉書が。晩年のお姿。こんなのもあったんだねー。
序盤は華やかなものが並んでいた。金彩がきれい。出るときに気づいたんだけど入り口でLEDライトを売っていた。あれ、室内で絵葉書に光を当てて見てねってことだったのか。気づいていたらやったのにー。
見慣れた絵柄も絵葉書になるとまた違った趣があってたのしい。縮小するからどうしても細かい線とかまでそのままというわけにはいかないんだけど、出来のいいものはかなり綺麗な印刷で、すごいなーと思ったり。特にJOBが綺麗だったなあ。
たまに表情が微妙に違ってるのもあって、夢想のお目々がいやにぱっちりしてた気がする。黒目がちというのか。
絵葉書専用デザインというのが3種類紹介されてたけど、他にもあるんじゃないのか?今回も展示されてたやつで、ハープのとか、四季のデザインとか、他で見たことないデザインもある。あれは他で使われてた経歴があるんだろうか?
スラヴ叙事詩の絵葉書もたくさんあった。キャプションが大雑把で、数枚の絵葉書が1つのパネルにセットされていて、「スラヴ叙事詩他」みたいなタイトルがついていて、「他」って何やねん!ともどかしく思ったり。
プラハ市庁舎の天井画もあったけど、円を半分ずつ、2枚の絵葉書に仕立てていて面白い。
プラハ時代の絵葉書の中には見たことないものも。タイトル不詳だけど、十字架と少年のとか、エリュシュカ似の少女のとか。
見たことあるものも、改めて発見があったりする。メニューの絵柄で、後ろに見えているのはお皿?というのがあったり。
面白いものとしては、ミュシャの絵とコラボというのか、ミュシャの絵の中の女性っぽくコスプレした女性が、ミュシャの絵の前でポーズ取ってる写真というのがあった。これ、ネットで見たことあるような…。飾ってある絵はビザンチン風頭部ブロンドなんだけど、ディティールが本物と違うのが謎。
サラ・ベルナールの写真絵葉書もあった。
常設らしいスペースにもときどきミュシャが紛れている。絵葉書だけじゃなくて装飾資料集のパネルも何枚かあった。
絵葉書だけをこれだけまとめて見る機会はなかなかないかも。こじんまりとしたとこだけど、マニアには楽しい展示でした。

元町のドールミュージアムではミュシャのグラフィック展を開催。
ドイツ在住の尾形寿行氏のコレクションらしい。
こちらもこじんまりとしたスペースに展示。ドールミュージアムなのでドールと一緒に展示。ポスターや装飾パネルは少しで、大半は雑誌とか書籍の類。
面白いなと思ったのが、何冊かの本はばらさずに綴じた状態で置いてあったこと。本の状態で見るのも新鮮。
ルモアの表紙だっけな?12ヶ月の絵葉書と同じ絵柄を表紙に使ってるのがあって、木口木版なのかな?めっちゃ綺麗だった。12ヶ月の絵葉書は好きだけど欲しいかと言われると微妙…と思ってたけど、あれなら欲しい!(絵葉書はリトグラフです。)
イルゼも綺麗だったなあ。
装飾パネルは曙と黄昏があった。これを見るのは久々のような。曙のおねーさんが引っ張ってる布が不思議だった。あれはどこから引っ張ってるんだ。
ポスターはイヴァンチッツェ地方祭があった。
尾形さんのコレクションの全貌を知らないけど、そこから選んだ結果がこの2組というのはどういう意図なのかな。
あとは縮小版で、サロンデサンとかが何枚かあったような…ちょっと記憶が曖昧。
ガラスケースの中に切手とか紙幣とかLUのラベルとかが置いてあった中に、説明パネルが剥がれ落ちてた。見てるときに何か変だなと思ってよく見たらそんなことに。幸い作品に当たったりはしてなかったけど、どないやねんと苦笑。まあ、そんなこともあるよね。
その中に、紙幣みたいな特殊印刷っぽい紙切れがあって、でも額面は書いてないようで、小切手か何かなんだろうか?そこに夢想の絵柄がプリントされてたんだけど、微妙に変な顔をしていた。
他に、これはミュシャなんだろうか?という絵もあった。カミ印刷所って書いてあるやつとか、サインなしの絵とか。
サラのポートレートを元にしたものもあって、ものが何だったのかよくわからないけど、あれは明らかにミュシャではないだろう…
ミュシャ周辺の色々を集めてみましたって感じなんだろうか。それはそれでいいんだけど、ミュシャなのかミュシャじゃないのかくらいはわかるようになってるとよかったんだけどな。

ドールミュージアムの隣かその隣くらいにプラハというお店があった。チェコやドイツの人形を置いてるっぽかったので入ってみた。三角のインセンスを入れるお人形というのが気になったけど、使うかなーと悩んで踏み止まった。

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2013'05.30 (Thu)

椿姫の小型印&ミュシャ展おみやげ

ミュシャ展を見終わった後、六本木ヒルズ内の郵便局でミュシャ展記念の小型印を押してもらえるということで、展覧会グッズ売り場で買ったミュシャ絵葉書にミュシャ切手を貼って押印してもらった♪(このサービスは期間限定。既に終了してます。)
http://www.ntv.co.jp/mucha/topics/2013/04/post-12.html
http://www.post.japanpost.jp/stamp/kogata/index.php?mode=view&year=all_nendo&branch=0&ken=13&Submit=%C9%BD%BC%A8
こういうのは初めてだったんだけど、ネットで軽く予習していったのと、郵便局員さんが親切に対応してくれたので、戸惑うことなくいけた。
とりあえず絵葉書と切手(シート)は用意してたけど詳細プランを決めないで行ったので、どの切手にしようかどこに切手貼ろうかどこに押印しようか窓口で局員さんと話しながら決めていったけど、快く対応してくれました。
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それから、ミュシャ展で買ったお土産について記録しておく。(集合写真撮ろうと思ってたけど放置しすぎて気力もどっかへ行ってしまった)
チケットとセット売りのトートバッグ。(「特典」とは呼びたくない。だってこれのためにお金出してるもん。実質1200円也。)デザインは気に入ってるんだけど、プリントがそのうち剥げないか心配…。生地はしっかりしてるので強度に不安はないけど、織り目が粗いので細かいプリントを載せるのは厳しい感じ。でも使いやすいサイズなのでどんどん使っていけるといいな。
同じ柄の装飾資料集クリアファイルも。クリアファイルはいらんかなーと思ったけどなんとなくこの柄のグッズが欲しくて。
理想郷の二人は是非グッズ欲しかったので、絵葉書とミラーを購入。
他にも絵葉書はたくさんあったけど、ありすぎて迷う気力すらなかった。クリアファイルの見開きタイプを最近よく見るけど、自分はあまり使いそうにないので、絵柄がよくても考えてしまう。
上にも書いた小型印目当てでシール切手セットを。これは80円切手が10枚+切手じゃないシールが10枚のセット。切手の代金を差し引くとシールとしてはちょっとお高いような…。
チャームもどれか欲しくて見たけど、12ヶ月の絵葉書のやつはひとつ選ぶのが難しくて、それ以外の絵柄の中でもチャームとしてはどうかなあというのしかなくて、悩みつつ、イヴァンチッツェ地方祭のにした。
ツイッターで見てこれは絶対欲しい!と思ってたロールメモもゲット。装飾資料集のミニチュア版みたいでかわいー。
六芒星の蒔絵シールは、ミュシャグッズというにはどうなんだと思いつつ、ネタにいいかもと思って買っちゃった。

カタログは通販で事前購入済み。開催初日にネットで人の感想を読み漁ってたとき、ふとカタログってどんなんかなーと考えてたらもう通販開始してるのを発見して、送料無料だったので勢いでぽちっと。お陰で荷物があまり重くならずに済んだ。しかし事前に図版を見てしまうと、展示を見るときに先入観を持ってしまうのが難点かも。
ついでにルートートのタイニールーも通販。チェコ絡みの絵柄使いのがあったので。でも届いてみたら思ってたのと違ってた。表面は合皮っぽい質感。もっとぺたんとしてるのかと思ったのにクッション素材みたいな感じでボリュームがある。トートと同じキャンバス地の方がよかったなー。でも合皮っぽい方が印刷が綺麗に出るのかもしれないとも思うし、これはこれでありなのかも。

ここで古い切手が売ってたという話を聞いて、まだあるかなーと少しだけ期待してたけど、残念ながらあまり残ってなかった。(日によって補充されてたりされてなかったり…なのだろうか?)
コラボグッズに関しては事前情報を得てたのであんまりよく見てない。星のトートは思ったより小さかった。
例のロリ服もあった。雑誌やらネットやらで散々写真を見てたのでインパクトはあんまり。実際に着てる人を見たらまた印象が違うのかなー。
展覧会開催記念カレンダーが売ってたけど、今更カレンダーなんて買う人いるのかな?
コラボなのかどうかわからないけどツイッターで見かけてた、あんまりミュシャっぽくないマグカップとかがあった。あれは買う人いるんだろうか?
ミュシャ美肌石鹸とかもよーわからん。
カトラリー類は昔からあるけど、あれって普段はどこで売ってるんだろ?百貨店とか?
ムックに載ってたパステルカラーなポーチ類は見てる人多かったけど、可愛い、のか?パステルカラーは難しい。

オリジナルのリトグラフも売ってた。イルゼとかクリオとか、ほどほど価格であったけど、特にクリオは可愛かったけど、自制した。書籍系の作品がシート売りしてると、もしかして完本で入手したんじゃないの?ばらしちゃったの?もったいない!などと考えてしまう。実際のところはどうなんだろうなー。装飾パネル系もあったけどいいお値段だったわ。しかし、会場内と違ってここは随分明るかったけど、いいんだろうか。褪色こわい。
隣に復刻プリントがあったけど、あれはどういう印刷方法なんだろうなあ?インクについては説明があったけど、リトグラフとかインクジェットとかオフセットとかその手の情報は書いてなかった。ぱっと見た印象ではインクジェット系かな?お値段はぼちぼちな感じ。

特設のグッズ売り場の他に、同じ階に常設っぽいグッズショップもあって、チェコものがちらほらあった。石鹸とかビーズとか人形とか。全部がそうかは分からないけど手に取って見たものの幾つかに知ってる名前の東欧雑貨ショップのタグがついてた。そういや京都のミュシャ展でも石鹸とか藍染めが置いてあったっけなあ。
3階のミュージアムショップには、ミュシャの本とかグッズ類がいろいろあったけど、私的には目新しいものがあまりなかった。ノートとかマウスパッドはちょっと惹かれたけど。
壁の少し高いところにオリジナルリトグラフが掛けてあって、おお、あんなところに!と思いつつ眺めてた。売り物です。結構いい感じのが結構なお値段でありました。綺麗だけど…。四季のシルクに印刷したバージョンがあってびっくり。4枚揃って状態もまあまあ。

ついでに、最近出た本も紹介しておく。
公式ハンドブック、らしい。良くも悪くもコンパクト。展覧会の記念に何か欲しいけど大きな図録はちょっと…という人向け、なのだろうか。私には買わないという選択肢はないので当然購入済み。48ページ、630円。
4820301217ミュシャのせかい ミュシャ展開催記念公式ハンドブック (日テレムック)
日本テレビ放送網 2013-03-27

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展覧会とは関係ないけど便乗はしてるかもな本。タイトルの通り、広告に的を絞った本です。少ないけどチェコ時代も一応カバー。コラムが充実。書いてる人がいつもの人なのであまり目新しいことはないかも…だけど、気軽に読めるし、入門編としてちょうどいい本かも。95ページ、1365円。
4808709708ミュシャ―広告のなかのアール・ヌーヴォーの美女たち
千足伸行
東京美術 2013-04-01

by G-Tools

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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2013'05.28 (Tue)

ミュシャ財団秘蔵ミュシャ展 パリの夢 モラヴィアの祈り@六本木

4/1に行った話を5月も終わる頃に…と思いつつ、長ったらしい感想を書きました。
森アーツセンターギャラリーで開催していた「ミュシャ展~パリの夢、モラヴィアの祈り」へ行ってきた。(東京展は終了。)
事前の宣伝が派手すぎて腰が引け気味だったんだけど(煽りまくる宣伝は苦手だ)、それを差し引けば十分満足できる内容でした。

宣伝バリバリやってて随分混雑してるようなので行く時期を悩んでるうちに3月も後半になってて、会期終盤は避けたいのでそろそろどうにかしようと、平日狙いで直近で一番休みやすそうな日を選んだら4/1になった。月曜の朝は狙い目かなーという下心もあった。他の日を知らないので比較はできないけどそれなりに余裕を持って見ることができたのでよかった。朝一で会場入りして昼頃までいたけど、出る頃にはだいぶ人は増えてた。ガラスケースの展示とかちょっと混雑してるところもあったけど、それ以外はさほどストレスなく見れたかな。
ただ、絵の掛けてある位置が全体的に高めだったような。見上げるような形になることが多くてちょっと見難かった。接近して見たいときも不便だし。混雑対策なのかなーと思いつつ、見難いのはやっぱやだ。

まずは展示の導入部。第1章:チェコ人ミュシャという紹介のしかた。
ミュシャの描いた家族の肖像が並んでた。初期の妹を描いた作品は、やっぱちょっと稚拙かなー。20とか25くらいのときの作。まだパリに出る前。壮年期に子供を描いた作品は流石に上達してる。(えらそう)
ジリの子供の頃の肖像画あった。ジリは大人になってからの写真を何枚か見たことあるけど、面影あるなー。これが成長してああなるのか、みたいな。色合いは図録よりも落ち着いてた気がする。
ヤロスラヴァがモデルになった作品はここ以外にもたくさんあるんだけど、ご本人はどういう心境だったのかなあ。子供時代の肖像はさておき、大人になってからの作品とか、かなり壮大なテーマで使われたりするのって、プレッシャー感じたりしないんだろうか。などと、彼女の強い目線を見ていて考えた。それはジリも一緒なんだけど、ジリの方がよりいっそう象徴化されてて別枠って感じに思えて、あまり気にならない。ヤロスラヴァは何故か本人と重ねて見てしまう。
ミュシャ以外の人の作もいろいろ。ミュシャの肖像とか彫像とかもあった。ミュシャのアトリエの絵が面白かったな。アトリエの写真はたくさん残ってるけど、空間全体まで見渡せるような写真はあんまり見た記憶がないから、こんな感じだったんだなーと。天窓があって明るそう。写真はモノクロだし暗くなっちゃうからね。油彩画で見ると明るいー。このコーナーはクプカが出てきたりするのもうふふ。
イヴァンチッツェの思い出は絵葉書だった。オリジナルの木炭&パステル画は財団の持ち物じゃないもんね。オリジナルは数年前に京都で見たけど、またいつか見たいな。
しかし、チェコ人って括りも大雑把だよなー。細かすぎて鑑賞者がついていけないのも困るだろうけど、プラハを中心にした世界と、もっと狭い範囲の地元イヴァンチッツェへの愛着と、もっと広い範囲でスラヴへの情熱と、微妙に異なる気がするんだよな。共通してるところもあるだろうけど。

次は第2章:サラ・ベルナールとの出会い。時代順じゃないと言いつつおおまかには時代順の章構成だなあ。時代順でいくならサラと出会う前の段階を充実させて欲しいんだけど、それは京都で見たからいいことにする。
ここでいきなりどーんとサラのポスターが並ぶ。そこにしれっとルゴロワ誌のジスモンダ特集号が展示されてたけどもう少し説明があってもいいんじゃない?
遠国の姫君(というかイルゼというか)関連の作品が並ぶ。ここにあった壁飾りみたいなのって遠国の姫君に想を得ただけで、ミュシャの作品ってわけじゃないよね?頭部に電球がはまってるところがツボった。そういう時代だもんね。脱線するけど、誰かCGでラ・ナチュールの頭上に電球がはまった状態を再現してくれないかなあ(自分ではできないので他力本願)。脱線終わり。あと、イルゼの中身を何枚かスライドショーで流してたけど、画質悪すぎ。縦横比もおかしかった気がするし。もうちょっと気合入れようぜ。中途半端にやるくらいならいっそ何もなしの方がいいんじゃないのか。キャプションでどこまで説明があったか忘れたけど、イルゼと遠国の姫君の関係って見る人に伝わってたんだろうか?
サラと絡めて演劇関連の展示も。この辺は京都の内容とかぶるなー。舞台装置とか衣装デザインとかがあった。時代順じゃないという言葉は正しくて、アメリカ、チェコ時代のものもあったり。リブシェの舞台ってどんなんだろう。実現したのかな?
ここにどーんとイヴァンチッツェからの借り物(これだけ唯一、財団秘蔵の品(笑)じゃない)、演劇芸術のアレゴリーがあった。これ見たかったんだけど、えらく高い位置に展示されているから見難い。お陰で感激が今ひとつ。この絵は15年位前に名古屋であったミュシャ展(生涯と芸術展)で見た記憶がある。色合いが鮮やかで印象に残った。あの時はもっと目の前で見れた気がする。
初期の挿絵も展示されてたけど、その中で、挿絵の原画だか習作だかで大きめの木炭画があった。その絵自体は今までに実物なり画集でなり見たことあるんだけど、このサイズを見ていて、なんで本の挿絵なのにこんな大きさで?という疑問と共に、京都で見た木炭の素描も大きかったよなあという連想が。ここに何らかの関連性はあるのだろうか。時期的にも近いし。(1887年、ファウストの挿絵か?まだ本格的に挿絵画家となる前っぽい。経済援助を断ち切られるのは1889年らしい。)
単純に時代順に並べただけじゃない展示、というのはいいんだけど、もう少しその背景や意図がわかるようにしておいて欲しかったかなあ。解説増えすぎても見るの大変だからどうやるかは難しいけど。音声ガイドは借りなかったけどそっちに詳しい説明があるのかな。

その後、第3章ミュシャ様式とアール・ヌーヴォーってことで、ポスターや装飾パネル類がいろいろ。さらに、第4章:美の探究、第5章:パリ万博と世紀末、という章構成だったけど、どこに何が展示されてたか、境目をよく憶えてないなー。
ここで気になったことを幾つか。
ネスレのヴィクトリア女王なんたら記念ポスターはでかかった。大きいので1枚の紙ではなく何枚か継ぎ接ぎしてるんだけど、単純に等分してるわけじゃなく、きちんと顔の部分が継ぎ目にならないようになってるのが面白かった。
ノートルダム石鹸と夢想の関係。ノートルダム石鹸のポスターはラフな習作があるだけなんだけど、これが夢想の元になったという説はあるんだろうか?展示室でこのふたつが並んでたのを見て、そっくりだなーと思ったので。そういう意図で並べてたんじゃないだろうか?どこにもそうは書いてなかったけど。
装飾資料集とか写真類は、まとめて展示じゃなくて分散展示だった。とちゅうでふいに油彩の静物画があったり。あの構成は微妙だったような。
香水ロドの中身入りが凄い!みたいな宣伝文句だったけど、個人的に中身にはあまり関心が…。資料的価値はわかるけど。それよりロドのポスターの下絵をじっくり見たかったのに、ガラスケースの上に展示するから見難いったらない。ガラスケースに人がたかりがちなので余計に。ミュシャ石鹸のリトグラフも同じく。近い位置で展示する意図はわからなくはないけど、近寄って見たい人には不便なのさ。
この辺の完成品リトグラフは見慣れてるものが多いので、あまり時間をかけずに見ようと思いつつ、ときどき習作が紛れ込んでるのが危険。油断大敵。ここでいう習作って、リトグラフの下絵ってことになるのかな?リトグラフの制作プロセスがよくわからないんだけど、ほぼ完成品に近い下絵を作っておいて、工房の職人が版をおこしてたのかな?以前、日本の美人画ポスターの下絵というのは見たことあるけど、それよりさらに本画に近い印象。細かい描線までしっかり描かれてる。装飾部分が多少粗めなのは、まだこの後詰めの作業が残ってたのか、これで最終下絵なのか、どっちなんだろう。水彩で着色したものから色版をおこすんだと思うけど、色々ある中で一番想像できないのがここだなあ。色版を起こしやすい彩色ってもんがあるとして、ミュシャはそこまで意識してたのか。
チェコ時代のポスター類も同じように、下絵がほぼそのままリトグラフ化されてたけど、チェコ時代とパリ時代で表現方法が変わるのは、表現上の効果もあるだろうけど、制作プロセスも関係あったりするのかなあ?パリのシャンプノワ工房とチェコのどこかの工房とでは持ってる技術が違ったとか。

どっかでフリーメイソン関連として主の祈りの表紙とフリーメイソンの盃が並んでた。盃のデザインをじっくり見たいのによく見えない…。もう少し見やすく展示してくれればいいのに。一方向しか見えないのはつまんない。
チラシでは目玉扱いっぽい、四芸術のサテン印刷版は綺麗だった。綺麗だったけど、サテンのよさがわかりにくい展示だった。光沢が綺麗なんだけど、ああいう風に普通に壁にかけてもそれを実感しにくいんだよな。意識して見る方向を変えてみるとなるほどーなんだけど。光源の角度を変えたい!と思いつつ頑張って自分が動いて色んな角度から見てみたけど、下の方は光沢が比較的分かり易かったけど、上の方は分かり難かった。インクの乗り具合でも変わってくるのかな。
なんで布に…と思ったりもしたけど日本画の絹本着色みたいなもんだと思えばいいのか。あれはそんなに光沢なかったと思うけど。ポスターじゃなくて挿画本とかは和紙に印刷した豪華版があると聞いたことがあるような…。
展示とは関係ないけど、会場を出た後に3階のミュージアムショップに寄ったら、店内の壁に四季(1900)のサテンバージョンがしれっと飾ってあってびっくり。お値段にもびっくり。なんであんなところにしれっと置いてあるんだよ。高い位置にあったので遠目でしか見てないけど綺麗だったな。

たぶん5章辺りから油彩とかパステルとかが増えてくる。
世紀末の象徴主義に感化されたであろうパステル画が並んでた。
花に囲まれた理想郷の二人(長い)があったのもその辺かなあ?あれはたぶんアメリカ時代だっけ。花に囲まれた少女と並んで展示。ちょっと雰囲気似てるよね。HEARSTの表紙のシリーズに似てるなあと思ったらやっぱり!2枚とも、このページに載ってる。
http://poulwebb.blogspot.jp/2013/04/alphonse-mucha-part-11.html
実物を見ての感想は、けっこう小さいな、と。色合いは思ったより明るかった。昔高山で見た「春の夜」との関係が気になってるんだけど、上記ページのサイズ表記を見ると「~理想郷の二人」よりひとまわりかふたまわりほど大きいようだ。
百合の聖母もここだっけな。あれを見ていて感じたのは輪郭線…。ポスターほどはっきりはしてないけど、油彩画のわりに輪郭がくっきりしてる。
ポスターとかチラシに使われてたヤロスラヴァの肖像は、特設ステージっぽく展示されてた。

第6章:ミュシャの祈り、が最後のコーナー。スラヴ叙事詩以降は全部ここだったっけ?初期の構想から大型の習作までいろいろ。パステルの大型の習作は興味深かった。面を線で埋めるような描き方(ハッチング?)はよくある手法なんだろうか?たしかイヴァンチッツェの博物館にも何枚かあって、展示風景写真を見たことがあるような気がするけど、不思議な雰囲気だったんだよな。実物を見れてよかった。スケール感は大事なので、大型の習作が見れたのはよかった。
スラヴ叙事詩の本画は、映像を大きなスクリーンに映してた。画質が粗いのと、大きさが今一歩物足らないのが残念だったけど、臨場感はあった。BGMにモルダウ流すのはいいけど、同じ部分の繰り返しは飽きる。
ステンドグラスも同様に、それっぽい演出を頑張ってた。実際の構成と比較できるように下絵を並べてたのは面白いと思った。この辺は今後の巡回先でも同じように展示するのかなあ?
最後の方でロシア復興とか宝くじのポスターとか、暗めの作品が並んでた。暗いといっても別に絶望的な暗さじゃないから私はさほど気にならないけど、あの辺に衝撃を受ける人もいるようで。
チェコの民族衣装が展示されてたのも最後の方かな。刺繍かわいい。ああいう柄がミュシャの装飾に影響を与えてるってことなのかなあ。
ろうそくを見つめる女(だっけ?)を見ると、その昔某社が出してた出来の悪い複製画を思い出してしまう。表面を凸凹させりゃいいってもんじゃねーんだよ!と、あの手の複製画を見るたび思ってしまう。困った思い出。
リブシェの油彩画が見れてよかった。
油彩画は確かに多かったけど、特にそれを見てどうこうって感想はないかなー。それよりは、チェコ時代のポスター類の習作(版下絵みたいなもんだろうか?)が、パリ時代と同じく完成品さながらの状態だったのが興味深かった。点描とか輪郭線とか、ほとんどそのままリトグラフになってるんだなーと。
晩年の印刷ものはオフセットも増えてくるんだけど、この展覧会ではオフセット印刷はあんまりなかったかな?
ハーモニーの下絵でステンドグラスタイプのものが見れたのも嬉しい。これが形を変えて、今は堺にある油彩画になったんだよな。
プラハ市民会館市長ホールの下絵群は、横長パネルのがよかったな。天井画とか壁画は数年前に三鷹や堺で見たやつの方がインパクトあったかな。色んな段階のものが見れるのはミュシャマニア的には嬉しい。
スラヴ叙事詩だの市長ホールだのステンドグラスだの大物が続いた後に、最後はこじんまりとした最晩年の作品など。希望の光とかフラホル合唱協会の絵はよかったけど、なんとなく締め方に物足りなさが…。

事前に図録でどんな作品が出てるかを見ちゃってたのと、前日に知られざるミュシャ展の2回目を見に行ってたのもあって、新鮮味に欠けるところがあったかな。これは企画の問題というよりは自分の問題で、内容が悪かったわけではない。

長ったらしい感想はこの辺にして、巡回展のこととか、ちょっとした愚痴など。

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2013'03.29 (Fri)

ミュシャの世界とパリに咲いたスラヴの華

最近ミュシャ関連の本が続けて刊行されています。私の長いミュシャ歴からすると、ここ2~3年は出すぎってくらい出てるような…。それぞれに特色や見所があるといいんだけど、こう続けて出されるとなかなか特長を見出すのも難しい。
とりあえず最近出た2冊について、簡単なレビューなど。

ミュシャの世界(新人物往来社):A5、¥2,310、159P
4404041810ミュシャの世界
新人物往来社
新人物往来社 2013-02-13

by G-Tools


堺市文化館アルフォンス・ミュシャ館が全面的に協力した本。コラムの執筆陣は、冨田章氏(東京ステーションギャラリー館長/元サントリーミュージアム天保山学芸部長)、白田由樹氏(大阪市立大学/サラ・ベルナール研究)、小野尚子氏(兵庫県美学芸員/スラヴ叙事詩研究)。ちなみにわたくし、この3人ともお目にかかったことがあります。といっても個人的に会ったわけではなく、講演会等でお話を聞いた程度ですが。
堺市のミュシャ館はリピーターだし、執筆者はみなさん関西に縁のある方々だし。というわけで肩入れしまくりの感想になってしまう。
第一印象としては、装丁が好み。人によって好き嫌いがあると思うけど、私はこの、派手過ぎない柔らかい雰囲気が好き。
本文の印刷もよいと思う。過度にコントラストを強調しないところも。そのせいでちょっとくすんだ色合いのものもあるんだけど、それも味よねってことで。A5版だけど、変にトリミングせず紙面を最大限に使って図版を掲載している。かといって全くマージンもなく詰め込んでる風でもなく、抑制が効いてる印象。

構成は以下の通り。
1 パリ時代1―挿絵画家からの飛躍
2 パリ時代2―ポスター画黄金期
3 チェコ時代―アメリカから祖国へ
4 ミュシャの工芸
5 ミュシャ芸術の本質―家族と祖国を愛した時代の寵児

図版のセレクトは標準的かな。堺のドイコレクションを中心に選んでるから、ちょっとしたカタログみたいな受け止め方もできる。1900年の四季が中途半端なのはドイコレにないせいか…。ドイコレ以外の作品も掲載されている。スラヴ叙事詩が全部載っている。
紙面の半分以上はパリ時代に割かれてるし、スラヴ叙事詩が全部載ってる本も最近は増えてきてるので、どうしてもこれじゃなきゃ!な訴求ポイントは図版的にはあんまりないかも。
ただ、ドイコレクションの一点ものが結構載ってるので、コンパクトにその辺の図版を手元に置きたい人にはいいかも。(過去の展覧会の図録とか、三省堂のミュシャ作品集あたりでもカバーしてるけど、ちょっとかさばるので…)
コラムが4本あって、ちょっと内容が被ってるなーという箇所もあったけど(スラヴ叙事詩のコラムと巻末のコラム)、内容は興味深いものとなっている。ミュシャ中毒の私としては何か新しいことが知りたいわけですが、スラヴ叙事詩のコラムはちょっとだけその欲求を満たしてくれる内容となっていました。

ミュシャ パリに咲いたスラヴの華(小学館):B5、¥2,520、128P
4096820784ミュシャ: -パリに咲いたスラヴの華
千足 伸行
小学館 2013-02-22

by G-Tools


「ミュシャ財団秘蔵ミュシャ展 パリの夢、モラヴィアの祈り」開催記念出版だそうな。そんなわけで展覧会の告知ページもあったり、財団からのメッセージもあったりする。監修は千足伸行氏。ミュシャ財団キュレーターの人も寄稿してる。
事前にこの本が出るという話を聞いたときは図録の書籍化かと思ったけど、実物を見てみると違うようで。財団の所蔵品以外も掲載されている。(説明が無い限り財団の所蔵品だって書いてあるけど、ラ・ナチュールはどう見ても堺のの写真なのに何も書いてないのは何事だ。書き忘れ?)

構成は以下の通り。
第1章 パリの華(演劇ポスター/広告ポスター/装飾パネル)
第2章 スラヴの心(民族芸術への回帰/神への思い、故郷への愛情)
第3章 ミュシャの原風景(イヴァンチッツェ/プラハ/ミュシャ・ハウス ほか)

ページ配分は、第1章が約70ページ、第2章が約25ページ、第3章が約20ページとなっている。
一番ボリュームが少ない第3章が一番面白かった。この部分がこの本の特色と言えるかも。第2章もそれなりに面白い。紙面の大半を占める第1章は基本的な事柄なので外せない内容ではあるけど、この本ならではってのは特に無い。コラムはそれなりに面白いけど目新しいことはないかな?でも入門編としてはいいかも。
図版の質は標準的。特にいいとも悪いとも…。図版がどーんなページもあるけど、個人的には読み物的な部分が楽しめる印象かな。
繰り返しになるけど、全体の構成が展覧会の内容に即してるようでもなく、ページ配分からもわかるように華やかな時代が大半を占めているし、コラムとか広告ページがあるとか以外は何がどう「開催記念出版」なのかは謎。

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2013'03.13 (Wed)

知られざるミュシャ展 -故国モラヴィアと栄光のパリ- @京都

京都の伊勢丹にある、美術館えきKYOTOで開催中の「知られざるミュシャ」展に行ってきた。(巡回展の情報は文末に。)
3/1から始まっていて、さっそくツイッターで感想が流れているのを見て、いてもたってもいられなくなって翌日行ってきた。
事前に見た宣伝文句では、イヴァンチッツェ近郊に住むチマル家が3代に渡って築き上げたコレクションということだったので、同郷の人ならではのコレクションなのかなと、ぼんやりとはイメージしていたけど、実際に見てみたら凄かった。ただし、これを凄いと感じるかどうかは何を期待しているかによるかな?どちらかというと資料的価値の高い展示内容と言えるかも。
展示の大半はチマルコレクションで、少しだけイヴァンチッツェやブルノの博物館からも来てた。そう、ミュシャの生地の周辺。だから地元ゆかりの作品が多め。それ以外の個人蔵なども少々。
チマルコレクション自体、一般公開されるようになったのがここ何年かのことで、日本で公開されるのも初。その他の所蔵先の作品の中にもお初のものが多いんではないかと。ミュシャの作品は日本でも所蔵している美術館は多いし、リトグラフ等の複製芸術は一点ものじゃないので、展示総数約160点のうち、ここだけでしか見られないものは少ないかもしれないけど、それでもこの展覧会でないと!な作品は幾つかあるし、この機会を逃したら次いつ見れるかということもあるので(現地まで行かないといけなかったり)、マニアなら行け!とだけ言っておこう。

まずはミュシャが10代~20代の頃の作品が並んでいる。作品といっても素描とか出生記録簿だとか、地味といえば地味なものがほとんどだけど。でもね、ミュシャがパリにたどり着く前の作品なんて日本じゃほとんど展示されることもないし、あっても簡単なスケッチくらいのものが多いので、今回の大型素描とか超初期の絵はかなり貴重。あれはお城の装飾をやってた頃のものなのだろうか。
後の壁画的絵画にも繋がるような横長の群像の作品もあった。それほど大きなものではなかったしモノクロだったけど、あれは下絵か何かなのかな?エマホフ城時代のことも謎が多いんだよね。お城が燃えちゃったからなあ。
ウィーンで舞台美術の仕事をしていた頃のものと思しき素描も面白い。作品単体としては特筆すべきものではないのかもしれないけど、資料で読んで知識として持っているだけだったものが目の前にあるんだもの。1880年ごろの絵だけどサインの筆跡が後年と同じだー。当たり前だけどそんなところに注目してみたり。
おっさんの肖像画もあった。ミュシャのプロフィールを読み直すと、その頃肖像画家として生計を立ててたとある。そういう過去があるから、アメリカへ渡った後もその路線を狙ったのかな。成功はしなかったみたいだけど。
ミュシャの初期作品というと、数年前に同じ京都の「えき」で見たモラヴィアギャラリー中心の展示だったか、堺の博物館でやった展示だったかにも少し出てたけど(油彩衝立とかそれほど大きくない横長カラーの絵とか。ネロの火災がどうのいうやつ。)、あれより今回の方が興味深かった。それは私の好みの問題かも知れないけど。鉛筆、チョーク、パステル、インクといった画材によるタッチが好きだからかなー。
完全に資料的価値しかないだろうなものも含めて、こんなものが来てしまうなんて、日本でミュシャが大人気でよかったなーと、妙なところに感謝するのでした。
さらに、パリへ渡ってからも最初のうちは地味に挿絵の仕事などをしているわけですが、そこらへんの展示も充実。挿絵原画もあるよ。モノクロがほとんどで、画材は水彩インクなのかな?この辺のタッチも好きなので嬉しい。どういうお話なんだろうなあ。出版された書籍も展示。こっちは印刷になるけど、昔の印刷物は好きなのでこれはこれで楽しい。
このコーナーにはジスモンダ以降、ポスター画家として成功してからの挿絵のお仕事も展示されていて、でも作風は従来と変わらないもので、ますますミュシャの謎は深まるのであった。言われなきゃわかんない、というより言われても疑うようなタッチのもあるし。自分はミュシャ関連の本は洋書からなにから集めまくってるので主要な作品は見てるはずなんだけど、それでも見たことないものがあって、近年まであまり注目されてなかったコレクションと聞いて納得。
パリスの審判とか、本では見てるけど実物は初めてかも?それと似た作風で、女性が花と戯れてるみたいな絵はリトグラフなのか。図録は濃いめになってるけど淡い色合いだった。
パリでばりばり活躍してた時期でも、しっかりチェコがらみのお仕事もやっていたらしいことも意外。あまりその辺を時系列で考えたことなかったので、そうだったのかーと今更知った。
パリに出た後、一度チェコに戻ってまたパリへ、という経緯も知らなかったなあ。フランスとチェコって近くはないけど断絶されてるほど遠くもなく、コンタクトを取り続けていたんだ。逆にチェコに定住してからも時折パリへ出向くことがあったらしい。
「主の祈り」の一斉展示も。これが、いつもなら装飾ページだけとか、あってもモノクロ挿絵ページまでとかなところが、今回はテキストページまで完全展示!1節ごとに3種類のページを横に並べる展示方法って素敵。マニアにはたまらん…。しかも絵までの距離が近いし。横の人に申し訳ないなーと思いつつも粘って見入ってしまった。テキストページといっても装飾枠がついてたり文字装飾があったり、文字そのものだって綺麗だし、読めなくても見つめていたい。ちなみにこのテキストの内容を英語に直したものが数年前の海外の展覧会図録に載ってた。(最初に仏語版を手に入れた後、英語版の存在を知って悩んだ挙句、近場の本屋にあったので買ってしまったという。言語以外はほぼ同じものを、しかも相当でかい本を2冊も…無駄かと思ったけど無駄じゃなかったわ!)
定番ポスター、装飾パネル系は、割合は少ないけどつぼを押さえてる。サラ・ベルナールものはばっちり揃えてるところは流石。ここのは色が綺麗だなー。
ジスモンダよりずっと前にサラ・ベルナールと接触していたという話は詳しい人なら知ってることだけど、その証拠となるスケッチが展示されていた。クレオパトラのサラ。古い海外の展覧会図録にも載ってたけどそれとは違うもの。サラはサラなんだけど、これを見ててもやっぱりジスモンダには繋がらないんだよなー。なにがどうなってああなるのやら。
ヒヤシンス姫はミニバージョンが。これがとっても可憐。大型の版は何度か見たことあるけどちょっとごついイメージがあるんだけど、冊子サイズのは線も細いし色も繊細だし、かわいい…。
サイズ違いといえば、絵葉書でもサラ・ベルナールものが並んでた。ちっこい。かわいい。椿姫が特に。
装飾パネル類は少なめだったかな。四季のちっこいやつとか一日の時の流れとか、あと何だっけ。
ココリコの表紙が何枚か並んでたけど、その中の1枚の地色が銀だった。すごい!こんなことになってたのか。他の号でもごつごつした紙を使ってたり、変わった紙を使うことを敢えてやってたのだろうか。
定番どころでいうと、サロンデサン第20回展のポスターが出ていたけど、これは何度か見たことがあるはずなんだけど印象が違って見えた。何が違うんだろう…。
ミュシャが渡米した際にニューヨークデイリーニュースに載った記事があった。これは見たことあったけど、記事まで読める状態で展示されてるのは珍しいと思い、読んでみた。長々と絵の前に陣取ってすいません…。一応気を使ってまん前じゃなくて少し斜めの位置に陣取ってたけど。ミュシャをアメリカに紹介する記事なので、プロフィールが書かれてるくらいで、特に面白い内容でもないかなと思ったけど、ホイッスラーの話は面白かった。たぶんどこかで読んだ気がするけどうろ覚え。
ホイッスラーがアトリエかどこかの壁に色んな絵画とともにミュシャのポスターかパネルかを何かをかけていたというエピソードがあって、生徒からなんでこんな紙を貼ってるのかと聞かれて答えた言葉は、愚かな生徒にドローイングとは何かを示すためだ、とかなんとか。(タブローじゃなくてプリントって意味?細かいニュアンスはわからない。)ホイッスラーとミュシャは一時期同じアトリエで指導していたらしいんだけど、この2人の関係をもっと知りたいな。
終盤は、これも最近はおなじみになりつつある、チェコのための作品群。チェコに行くとポスターのタッチも変わるんだけど、これって印刷会社が変わったことも影響してるのかな。アメリカ時代のポスターがアレなのはアメリカの印刷技術が未熟だったからとか書いてあるのを読んだから、チェコも似たような事情なのかなあと思ったり。もちろん表現する内容によって適したタッチを選んでる部分もあるんでしょう。
なんのためのものかは不明だけど素描とかいろいろ。スラヴ叙事詩の準備のためのあれこれだったりするのかな。スラヴ叙事詩の習作も1枚。全体図ではなく部分だったけど。スラヴ叙事詩展のポスターもあった。
ここでもあんまり見たことないものがちらほら。蔵書票とか本の装丁は一応知ってたかな。ものめずらしいというと、長いタイトルの記念版画とかいう大判のリトグラフ。タイトルを見てもなんのこっちゃだし、絵を見てもよくわからない。この辺のお仕事は、身近な人に頼まれてやったものや、思想信条に共感すれば引き受けたということなので、普遍的な内容ではないのかも。
最後に切手が展示されてたり、写真があったり。
ちゃんとした油彩画はフライヤーにも載ってたやつだけかな?個人的には他のインパクトに負けて印象が薄いのですが、解説を読んでみたら本当に個人的なコネクションで制作されたものらしく、出自を知ると興味深く感じる、現金な私でした。
その他、感想としては、会場内のキャプションとか説明文が、なんだか翻訳文章みたいで読みにくかった。すっと頭に入ってこん…。
あと、展示への不満としては、キャプションが間違ってた。ソコルとフォノフィルムが逆だー!チェコ時代の本で上下に並んでたやつがタイトルが逆になってた。
あと、図録掲載作品中、展示されていなかったものも幾つかあったみたい。細かいところは記憶が曖昧だけど、同一書籍から複数ページ分の挿絵が図録に載ってる場合、そのうち一部だけ展示って感じが多いような。
人の感想を読み漁ってて、図録に主の祈りが掲載されていないことを知った。かろうじて表紙のみ掲載。なんでだよ…。あれは展示の中でもかなり異彩を放ってたと思うんだけどなあ。紙面の都合で省略ってことかもしれないけど。(書籍類の展示では、カタログに中身まで全部載らないこともたまにある。)

総括としては、「知られざる」のタイトルに偽りなし、お初のミュシャが満載でした。ただ、油彩画!スラヴ叙事詩!みたいな人には物足りないかもねー。装飾パネル率も低いので、華やかなのにしか興味がない人にも物足りないかもねー。素描好きにはかなり楽しめる。油彩画じゃなくても晩年のミュシャに興味がある人にも結構楽しめるんじゃないかと。でもたぶん一番楽しめるのは、パリ以前のミュシャや、ジスモンダ以前のミュシャに興味がある人。その部分は今までに無い充実っぷりだったと思う。紙ものが好きな人は頭からお尻まで楽しめる。リトグラフいいよねー、木口木版だ!銅版画もなかなか、オフセットはちょっと…みたいなマニアックな楽しみ方も。

図録に掲載されていた論考はなかなか面白くて、千足さんやるじゃん、と思った。前に読んだ本では謎を投げっぱなしにしてて消化不良だったけど、今回はもう少し突っ込んでいた。グラッセの影響、たぶんあるよねえ。ジャンヌダルクのあれは、スタイルだけじゃなくてダメ出しされた部分も含めて意識してたんじゃなかろうか。
もう一人の人の文章もなかなか。若き日のロマンスの話も書いてあった。「イヴァンチッツェの思い出」の人かなあ。(今回は絵葉書が展示されてた。)
あと、注釈を読んでたら、あのサイト(http://richet.christian.free.fr/)の謎が解けた。ミュシャのデータベースみたいな凄いサイトがあって、でも外国語だし情報量が膨大すぎて全貌が掴めなかったんだけど、研究者が情報を持ち寄ってるらしい。
チマルコレクションについての詳細説明も面白かった。単純に地元の人が代々受け継いだコレクションなのかと思ったら、そればっかりじゃなくて、重要な作品が近年になってコレクションに追加されたりもしてるらしい。チマルさん自身、ミュシャの研究をしていて、チマルコレクションを契機にわかってきた新事実なんかもあるらしい。

なお、この展覧会は全国を巡回するようです。(図録に載っていた情報。2013年3月現在)
京都:3/1~3/31 美術館「えき」KYOTO
広島:4/6~7/15 海の見える杜美術館
福井:7/20~9/1 福井市美術館
名古屋:9/7~10/14 松坂屋美術館
横浜:10/19~12/1 そごう美術館
岡山:2014/3/4~3/30@岡山シティミュージアム
三重:4/4~5/18@パラミタミュージアム
青森:5/24~6/29@弘前市立博物館

*この展覧会は、現在東京で開催中の「財団秘蔵 ミュシャ展~パリの夢、モラヴィアの祈り」展とは異なります。主催者も違うし、出展作品の出所も違う。あちらはあちらで全国を巡回するようですが、詳細は公式サイトを参照のこと。

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2013'01.20 (Sun)

ミュシャを愛した日本人

堺市文化館アルフォンス・ミュシャ館で開催中の「ミュシャを愛した日本人」展へ行ってきた。見てきたのは前期展示。
アルフォンス・ミュシャ館は、堺市が持つ約500点のミュシャコレクションを展示公開する施設。一度に展示される数は100点くらいかな?年に3回くらい内容を変えて企画展示をやってます。
「カメラのドイ」の創業者、土居君雄氏のコレクションを寄贈されたことから始まったもので、通年でミュシャをそれなりの数まとめて見られる日本唯一の公共施設です。コレクションは初期から晩年まで揃ってるし、素描から油彩、代表的なポスターまでバラエティに富んでます。
ミュシャファンは日本に多いはずなのに、ここの存在を知らない人が多いんだよなあ…。ミュシャ目当てにプラハへ行ってミュシャ美術館だけ見てくるよりはよっぽどここに来た方が充実してるんじゃなかろうか。プラハは行ったことないけど、うわさを聞く限りあまり大きくないらしい。財団コレクションは膨大だけど、それとこれとは別問題らしい。旅行の目的が別にあればそれはそれでいいし、実情をわかってて行くならいいけど、ミュシャが見たい→プラハのミュシャ美術館!となってる人がいれば、勿体無いなあと。余計なお世話だけどね。
今度、財団秘蔵展が日本に来るけど、個人的には、財団コレクション単体で回るんじゃなくて、世界中のミュシャコレクションから厳選した回顧展とかやって欲しいんだけどなあ。日本で最後にその手の展示があったのは、1990年代後半の「生涯と芸術」展くらいじゃなかろうか。財団コレクション抜きでなら、生誕150年展とかあったけど。海外だと、財団コレクションも含めた大規模な回顧展は、数年前にフランス、ドイツ、オーストリアでやってたみたい。色々難しそうなことは予想がつくんだけど、どうにかならないものかなあ。
脱線終わり。

さて、「ミュシャを愛した日本人」展は、ミュシャ率はかなり低いです。ミュシャが見たくて行った人にはちょっと物足りないかも。「ミュシャを見ること」が目的な人は次の企画展まで待ったほうが無難。でも私にとってはものすごく楽しい企画でした。
まずは1900年のパリの世相を見ましょう、ということで、ミュシャの絵とともに、同時代のポスターや雑誌が展示されていた。ミュシャ以外もかわいいよ。ジャポニズムがどうフランスに伝わったかという参考資料もあったり。ビングの「芸術の日本」とか、葛飾北斎の伝記とか。北斎は不勉強でジャポニズムとの絡みもまだよく理解しきれていない。まだ広重の方が理解しやすいんだけど、今後の宿題かしらねー。
次は白馬会。先ほどとは逆に、アールヌーヴォーの日本への伝播について。この辺は得意分野なので楽しく見れました。藤島武二の白馬会ポスター(図案)が後期展示だったので見れなくて残念。パネルは出てたけど。何故か棕櫚の葉を持っている。ああいうのって、あの時代にどこまで意図が伝わってたのか気になるところ。
1900年前後に海外渡航した人々が持ち帰ってきたポスターは一体どんなものだったのか、それがどう日本にいる人々に伝わったのか、そういうことを考えるのも楽しいよねー。名前しかわからなくてひとつに特定できなかったり、その名前も怪しかったり、そもそも名前も不明だったり。当時の人々は何を見て、どう影響を受けたのだろう。現地に行った人よりもむしろ行かなかった人の方に色濃く影響してるようなところも面白い。
今回は堺市の所蔵品以外のものもたくさんあって、京都工芸繊維大学工芸資料館のポスターとか、すっかり顔見知りなポスターたちと再会したり。前期にはグラッセのジャンヌ・ダルク(サラ・ベルナール)のポスターの修正前バージョンが出てたけど、後期に出るやつは修正後のアレだろうか…。
白馬会を起点にして、黒田清輝人脈から広がっていくさまも紹介されてました。
まずは明星の表紙のアレ。ミヤウジヤウのレタリングが可愛い。個人的にあれを「ぱくり」とは呼びたくなくて、今みたいに簡単にオリジナルに触れることができなかった時代に、海外の最新動向を伝えたい気持ちがああいう形になっただけだと思いたいんだよな。私が「もどき」と呼ぶときは愛をこめて言うことが多いです。
しかし、100年以上前から変わらずミュシャの絵には、日本人に対して「真似したい」と思わせる何かがあるのか。明治時代のあれこれを知ってみると、当時から日本人の感性ってあんまり変わってないよね、と思わされることが多いです。ミュシャに限らず。
ラ・プリュム誌に掲載された、「ムッカ氏の肖像」の元絵が紹介されてたけど、あれを描いたのはミュシャの友人なの?名前度忘れしたけど、うちにある資料を漁ったら名前わかるかな。
藤島武二の装丁も幾つか出てた。晶子文芸館で何度か見てるけど。ああ、武二の単独展が見たいぞ!と武二を見ると反応してしまう。二人展なら比較的最近あったやつを見たけどさー。
杉浦非水も出ていた。「三十六年」という雑誌の表紙と裏表紙がかわいかった。なぜかサインに注目してみてた。みだれ髪かるたもいいなー。あれは全部で何枚あるんだろう?完成品ではないんだよね?明星誌上に掲載されたものらしいのが出てた。
方寸とかも出てたり。黒田経由だけじゃない、浅井忠も出てたよー。こっちは京都への流れなんだよね。ビングとの出会いをきっかけにした工房設立の話とか。
橋口五葉も出てました。吾輩は猫であるの装丁とか。かわいい、かわいい、かわいい!
あと、与謝野晶子の書籍の装丁も幾つか並んでた。
最後に、土居君雄氏についての紹介も。前に来たときに資料を読んでたからすんなり入ってきたけど、土居さん=カメラ屋の社長、ということを改めて意識してみると、なるほど(笑)な部分が。写真パネルの展示の中に、ロートレックのカメラのポスターがあった。

今回は資料展示が多く、解説もじっくり読んでるとあっという間に時間が経過する。ガラスケースにへばりついて細かいところまで見ていたので、周囲の人の目には怪しい人と映ったことでしょう(笑) そうそう、いつもミュシャ館は人が少ないんだけど、この日はいつもよりは多かった。あくまで「いつもよりは」。
後期も行くかどうかは悩ましいところだなー。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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