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2007'04.30 (Mon)

雑談いろいろ

今週はネタがないので小ネタをいろいろ。
ひとつめ。
プラハにスラヴ叙事詩の展示施設を建設する予定があるとかなんとかいう話、未だに着手には至っていないようですが、2006年12月付けの記事で2008年には完成するとか書いてありました。
記事によるとなかなか進んでいなかったような感じだけど、今度こそ実現するのかしらね。1年以内には建設を開始して2008年の終わりか2009年の初めには完成するんじゃないかと書いてあります。
プラハに移転したら現在よりももっと見に行きやすくなるので歓迎すべきことなんでしょうね。場所よりも絵にとってよい環境になることが肝心だと思いますが。前に聞いた話では現在の某お城では絵の大きさに対してスペースが狭すぎて全体を見渡せないとかカンバスも実は上の方は折りたたまれているんじゃないかとか言ってたからなあ。鑑賞に適した施設になりますように。私は行ったことも行く予定もまったくないんだけど。
ふたつめ。
現在福岡で開催中のミュシャ展。京都(終了)、東京(終了)、福岡、釧路と巡回する予定だと図録に書いてあったけど、巡回先が増えたらしい。とりあえず11月の宮崎というのは(予定)と書いてあるけど一応確実らしいのかな。9月に横浜という噂もあるけどホントにその展覧会の巡回のことなのか別の話なのかはよくわからない。不確実な情報です。
みっつめ。
家の中で探し物をしていて昔の展覧会チケットの半券が出てきた。2003年の初頭にあった「英国ロマン主義絵画展」というもの。兵庫県立美術館でやってたらしいんだけど行った記憶がない。ブレイクとかターナーとかラファエル前派でおなじみの名前が並んでるので自分が興味を持ちそうな展覧会ではあるんだけど。半券があるってことは行ったってことだよなあ。4年前のことなのにすっかり忘れてるなんて…。
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2007'04.22 (Sun)

夙川と灘と難波

またまた展覧会3つハシゴしてきました。
まずは西宮市大谷記念美術館の「培広庵コレクション~麗しき近代美人画の世界」。
日本画の美人がいっぱい。北野恒富の「願いの糸」がかわいかったなー。あと、木谷千種って人の絵が少女漫画に近いかも…と思ったり、甲斐庄楠音という人がインパクトあった。浮世絵のときも思ったけど美人画はやっぱり着物が目に楽しいものが多いなあ。あと狐が女性に化けたとかいう題材も面白かったし(作者は忘れた)、これもタイトル忘れたけど(月が入っていたような)占いをしている女性二人の絵が面白かった。なんとなく日本画って写実的じゃないようなイメージがあったけどこうやっていろいろ見てみると写真みたいな写実性ではないけれどもリアリティは十分あるよなあと思う。
庭園も綺麗でした。雨降りだったけど一周ぐるりとまわってきた。色んな花が咲いてた。出口のそばにさりげなーく岡本太郎の彫刻があった。
次は兵庫県立美術館の「ロダン~創造の秘密」。ロダンその人には興味があっても彫刻はよくわからない。でも象徴主義というキーワードで講演会があると知って聞きに行ってみました。象徴主義には興味があるので。講師は国立西洋美術館の大屋美那氏。この方は去年私も見に行った「ロダンとカリエール」展の企画者らしいですね。というわけで興味を持って話を聞き始めたんですが…途中から睡魔に襲われて後半の記憶がない。最初の方は象徴主義って何?みたいな話。ゴーギャンも象徴主義なんだそうで。へえ。ロダン=象徴主義というわけではないけれど、ロダンの作風には印象主義的なものもあるし、写実主義的なところもあるし、象徴主義的なところもあるんだそうです。詩との関係とかなかなか面白い話が聞けました。でも肝心のロダンの作品で象徴主義的なところは?という話が寝ちゃって聞けなかったという。ああもう、なにやってんだか。
展示の方は大きく分けて5つのテーマがあった。彫刻がどういう過程を経て作られるのか、ロダンはどんな風に作っていったのか、そういう視点での展示になってた。面白かったのが部品をストックしておいて組み合わせて作品を作っていたという話。断片フェチだったのかなーとちょっと思った。古代彫刻のコレクションもしてたらしいです。彫刻って彫刻家がひとりで作り上げるものじゃなくてブロンズの鋳造や大理石彫刻は専門の職人がやっていて、作家は原型を作るところまでが仕事らしい。もちろん指示とか監修は本人がしてるけど。それから、彫刻を写真に撮ったものが展示されてるのも面白かった。撮影はロダンじゃないけどライティングや構図はロダンが細かく指示することもあったとか。その写真が素敵でねー。写真集欲しいとか思ってしまった。素描やエッチングもあったけど普通に絵もうまいよね。彫刻はよくわかんないとはいえロダンはやっぱりロダンなんだなあということはわかった。
ついでに常設展示も見てきた。こないだ小磯記念美術館で聞いたT嬢目当てで。川西英や長谷川潔他の版画特集も面白かったです。ロダン展に合わせて彫刻も展示されてたけど、うーん、彫刻の中でも変わったオブジェとかは面白いなーと思えるけど、人物像って難しいわ。見どころがわかんない。現代アートもあって、1960年代の前衛運動から80年代~現代のよくわかんない作品が並んでた。物によっては耐久性あるんかいな?という材質のものもあって取り扱いどうしてるのかなーとどうでもいいことを考えてしまったり。
その後、図書室を覗いてみたら面白そうな本が満載できゃーとなってしまった。でももう閉館まであんまり時間がなかったので、どんな本があるのかだけざーっと眺めるのみ。図書室だけ目的に来ないといけないなー。ミュシャの本もたくさんあったよ。
最後はなんば高島屋の「川合玉堂展」。地元ゆかりの有名人って少ないからつい反応してしまいます。というわけで日本画、特に風景画はよくわかんないんだけど見てきました。穏やかな作風の人だったんだなーという印象。お客さんは年配の人が多かったけどひとり若い男の子がいて、なぜか左右に揺れながら見てたのが不思議だった。落ち着け!
今日のラインナップは傾向がバラバラすぎるな。

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2007'04.16 (Mon)

エルミタージュと丸紅と浮世絵と

京都で展覧会を3つハシゴしてきました。
まずは京都市美術館の大エルミタージュ美術館展。
ネットで前評判は聞いていて、タイトルの割に内容は地味らしいということだったので期待せずに見に行って、まあこんなもんかという感じ。ヴラマンクの小ぶりな作品があっておおと思ったり。羊のラファエロと呼ばれたバルビゾン派の人の絵があってああと思ったり。オランダの人が多めだったのかなあ。あとはイタリアもありフランスもありロシアもありという感じ。
展示を見終わると売店が。ここって広いから展示内容とあんまり関係ないだろ!な売店も出てたりする。今回もロシア繋がりってだけで琥珀屋がいたりパン売ってたりするんだもんなあ。展覧会の前売りチケット屋まであるし。なぜかミュシャのハンカチとかカバンも売ってるし(これは事前に聞いていた)。カバンはもう少し丈夫そうなら買ってもよかったけど微妙な出来だったのでやめといた。でもハンカチは買っちゃった。薄手の綿のハンカチ。モエエシャンドンの絵柄です。
ここで落し物をしたことに気付いて警備員さんや監視員さんやら受け付けの人にまで聞いて回っても発見できず、とりあえず事務所の人に連絡先だけ伝えて次の目的地へ移動。
次は京都文化博物館の「絵画と衣装 美の名品展~ボッティチェリ「美しきシモネッタ」・淀君の辻が花小袖~」。こちらは商社である丸紅のコレクション。ポスターにも使われてるボッティチェリの絵が綺麗で興味を持ったんだけど、江戸時代や桃山時代の着物がたくさん。18世紀から19世紀のものがほとんどだけど中には16世紀のものなんかもあって、さすがにだいぶ傷んでるけどデザインとしては全然古い感じがなくて面白かった。図案もたくさんあって、有名な画家や図案家がずらっと並んでて壮観だったなあ。杉浦非水はやっぱりいたかという感じだけど、伊東深水とか北野恒富とかの姫路のポスター展で見た名前とか、川端龍子や高畠華宵まであった日にはもう。
着物は婚礼衣装からたぶんめでたい席とかで着るだろう縁起のよさそうなものとか、能かなにかの衣装とかいろいろ。昔の着物ってきっとただ「着るもの」ってだけじゃない財産的な価値もあったんだろうなあ。何度も直しを入れられた形跡のあるものも多いらしい。昭和初期の着物もあったけどなかなか斬新なデザインで面白かった。着物は会期中に大幅な入れ替えがあるらしく、後期(たしか5/8からだったような)も見に行ってみたいかもとちょっと思った。
で、階が変わって次の展示はがらっと変わって日本の洋画と西洋の絵画。衣装は丸紅が呉服の研究をするために集めたものだったのに対してこちらは絵画販売事業をやってたときに仕入れたものらしい。その事業をやめるにあたってコレクション化したとか。だから個人収集家みたいな蒐集ポリシーはないのかもしれないけど、だいたいこの辺の時代とかジャンルとかっていうまとまりは一応あるのかな。主に近代なんでしょうか。
日本は小磯良平とか梅原龍三郎とか荻須高徳とか。得意ジャンルじゃないのであんまり憶えてないけど上の人たちの名前はわかるしなかなかよかった。西洋の絵画はヴラマンクがよかった。単に自分が好きなだけだけど、ヴラマンクと言えばやっぱり冬景色だよねえ。こちらは大型で迫力あったなあ。デュフィで随分濃い青(藍色)の海の絵があったり、キスリングのミモザが絵の具もりもりですごいことになってたり、シモネッタも美人だったし、なかなか面白かったです。
ここへ入る直前に京都市美術館から電話があって落し物が見つかったとのこと。とりあえず閉館の5時までには引き取りに行きます~とだけ連絡しておいたんだけど、すぐ行くか後に行くか迷った末、次の目的を済ませてからでも間に合うだろうと判断して後回しに。
次は大丸ミュージアム京都の「幕末浮世絵展 大江戸の賑わい~北斎・広重・国貞・国芳らの世界~」。こちらは中右瑛のコレクション。中右瑛といえば去年のいつ頃だったかに大正ロマンな美人画展を梅田の阪神百貨店でやってたのをふらっと覗いたときに見た名前。浮世絵も集めてるんだ~と興味を持って見に行ったわけですが期せずして二日連続で浮世絵見ちゃいました。
昨日のギメが硬派な展示としたらこちらは軟派というか楽しい展示でした。入り口からいきなり魑魅魍魎だもんなあ。美人画、役者絵、風景画といった基本路線から、風刺画、戯画、挿絵といった娯楽性の高いもの、漫画っぽいもの、ニュース的なものなど、江戸時代の庶民の生活がリアルに伝わってくる感じが面白かった。猫でできた猫の絵がよかったなあ。
この時点でかなりお疲れだったけど、落し物を引き取りに行かなきゃ!ということで、再び京都市美術館へ。もうへろへろだったので一番楽そうなバスで移動。無事ブツを引き取って、帰りはバス停が激混みだったので歩いて河原町まで移動して電車乗って帰宅した。あー疲れた。
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2007'04.15 (Sun)

ギメの浮世絵

ギメ東洋美術館所蔵浮世絵名品展~パリを魅了した江戸の華-北斎・写楽・歌麿~へ行ってきました。
テレビでさんざん宣伝してると思うけど、北斎の「竜虎」図が100年ぶりに再会したというアレです。特にそれが目当てというわけでなく、フランスへ渡った浮世絵がアールヌーヴォーやゴッホ、モネ等の画家に影響を与えたという話をよく聞くけど、その現物が日本に里帰りするという事実が面白いなあと思って行ってみた訳です。
展示はだいたい時代順になってるのかな。18世紀初期のまだ色のない時代、墨一色の版画(墨摺絵)から。次に手彩色で色をつける丹絵、紅絵ができて、黒い部分に漆を用いた漆絵ができて、やっと色版ができるようになって(紅摺絵)、ようやくカラフルな錦絵が登場するという流れだそうで。そういった過渡期の作品も並んでました。最初の方は色が飛んでしまってるものや状態が悪いものもあったけど、全体的にはすこぶる保存状態の良い綺麗な作品が多かった。肉筆画も少しだけあるみたいだけどほとんどは版画だそうです。
作家ごとの分け方もしてあって、歌麿がどーん、北斎がどーん、写楽がどーん、広重がどーんと、看板つきで紹介されてた。他にも誰かあったかもしれんけど忘れた。
美人画がたくさんあったけど、見てるとミュシャと通じるものがあるなあと思う。髪の毛が装飾的なところとか、指先がぴんと張ってるところとか、衣服に力入ってるよなと感じるところとか。ミュシャも日本美術に影響受けてるんじゃないかという話はたまに聞くけど実はあんまりぴんときてなくて、今でも直接的な影響については何とも言えないなと思ってるけど、共通点はあるんだろうなと今回ようやく実感できるようになった。
美人画は男の人が見て喜ぶだけじゃなくて、女性がファッションを楽しむという要素もあったらしい。ということでホントに可愛いんですよ。着物の柄とか髪型とか見てると楽しい。
写楽の絵が揃ってた。写楽は謎の人物らしくて正体を推理する人たちがたくさんいるらしい。たしかにこの人の絵ってインパクトあるよなー。なんだろ、表情が違うのかな。
風景画では、18世紀でも西洋の影響を受けて遠近法を用いた絵が描かれていたということを初めて知った。人物の表現はまだまだ平面的だけど空間を立体的に描くのは既にあったんですねえ。
広重とか北斎の風景画はさすが。面白かったー。色とか形とか表現も面白いね。
うちわ用の絵があって、この辺はまさにアールヌーヴォーと繋がる部分だなあと思った。ミュシャで言うとビスケットの箱の絵みたいな感じで、実際に使われたものはほとんど残ってなくて、誰かがたまたまうちわから剥がして取っておいたのが残ってたり、うちわに貼る前のものが残ってたりするらしい。
最後に何故か河鍋暁斎の絵がぽんと置いてあって、何かしら?と思ったらギメさんが日本に来たときに会って本人が直接あげた絵らしい。以前「揺れる近代」の展覧会で見たような洋画と日本画のはざまにあるような絵でした。
講演会がある日を選んで行ったんだけど、1時間半それに拘束されたおかげで展示を見る時間が足りなくなってしまいました。用事と用事の間に行ったので全然時間が足りない!講演は期待してたより一般的な話に終始してしまったので物足りなかったけど、浮世絵初心者としては勉強になる話もあったかな。ジャポニズムとの絡みをもっと突っ込んで話して欲しかったけど、今回の展覧会のテーマからそこまで期待するのは酷か。
常設展示も少しだけ覗いてきたんだけど、これがなかなか楽しかった。30分くらいでざーっと会場を流してきただけですが、襖絵とか掛け軸とか近代日本の洋画とか、江戸や明治の装飾小物、蒔絵や螺鈿細工などなど、好みの系統が並んでました。

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2007'04.08 (Sun)

日本絵本の世界展

大丸ミュージアム梅田で開催中の「日本絵本の世界展~その誕生から現代人気作家まで」を見てきました。
今回は古い日本の絵本も見られるということと、去年やっぱり大丸ミュージアムで絵本の展覧会(あの時は海外作家だった)を見てたので、せっかくだし行ってみようかなと軽い気持ちで出かけました。しかし思った以上に充実してたなあ。古い時代のものはそれほど多くなかったけど、現代作家の絵本原画がいっぱい。
古い時代ではお気に入りの杉浦非水とか川端龍子、竹久夢二もあったし、太田三郎(以前、絵葉書の展覧会でミュシャもどきな絵を描いていた人なので名前を憶えてる)、あと名前忘れちゃったけど日本画系の人とかあって面白かった。
最近のになってくると実際に絵本として手に取ったことがあるような作家が出てきます。といっても自分が読んだことある本はなかったけど。いわさきちひろの原画があった。でも一般的なちひろのイメージではなくちょっと少女マンガっぽい雰囲気だったかな。その後、幾つもの絵本の原画がずらっと並んでたんだけど、名前おぼえ切れてないや…。和田誠って本の表紙とかでは知ってたけど絵本もやってたんだなあと思ったり。安西水丸も絵本作家というイメージを持ってなかったなあ。ほとんど本一冊分の原画を出してるんじゃないだろうかというものもあって、展示数はかなりのものだったんじゃないかな。
ただねー、ひとつだけ不満があるとすれば図録。展示品が「本」であるだけに、展示されてるページと図録掲載品が食い違うのはしょうがないとして、それにしても薄っぺらすぎるでしょう。原画もほとんど載ってなかったし。物足りなさすぎて購入意欲が削がれてしまった(もしかして著作権的な問題とかあるんだろうか…と穿った見方もしてしまうけど)。
その後、紀伊国屋書店に寄ったらこんな本を発見。
4582945058いわさきちひろ―子どもの心を見つめた画家
ちひろ美術館
平凡社 2007-03

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小学校のときの担任の先生がいわさきちひろのファンで、その先生のことが好きだった自分も影響を受けて好きになったような記憶がある。ぱらぱらとめくっていたら遺作となった「赤い蝋燭と人魚」のことが少し書かれていて、またあの絵本を読みたいなという気持ちが大きくなってきてしまった。
4494021172赤い蝋燭と人魚
小川 未明 いわさき ちひろ
童心社 1975-06

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ちなみにどんなお話かというと、捨て子人魚が人間のおじいさんとおばあさんに拾われて…というものなんだけど、どっこい赤いろうそくは決してロマンチックなアイテムなんかじゃないんだな。物悲しい、ある意味現実的なストーリー。ネタバレになりそうでこれ以上書けないんですが、気になる方はネットであらすじ探してみてください。
そんな明るいとはいえない作品なのに、何故か今でも和物雑貨屋さんとかで和蝋燭を見ると赤い蝋燭~を思い出してしまう私。買って灯したらどうなるかしらと思いつつ。
前にこの本について調べてたら小川未明のこととか当時の運動みたいなものに行き当たったことがあって、詳しい内容は忘れちゃったけど絵本とか童話とかの世界も裏には色んな思惑やら思想やらがあるんだなあと思ったことがある。

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2007'04.02 (Mon)

アールヌーヴォー・リバイバル

先日神戸へ行ったときに元町のランダムウォークという洋書店でこんな本を発見。
1560256303The Art Of The Fillmore: 1966-1971 (The Poster)
Gayle Lemke Jacaeber Kastor
Thunder's Mouth Pr 2005-06-30

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本棚に背表紙が見えてアールヌーヴォーっぽいフォントだったから何だろ?と手に取ってみると、1960年代後半のロックコンサートのポスターを集めた本らしい。中にはアールヌーヴォーに影響受けてるだろお前ってな感じのポスターがいっぱい。なんとなくミュシャっぽいのかな?というものからビアズリーに近いかなあ、宇野亜喜良ちっくなのもあるなあとか見てて楽しいんだけどその後に別の予定も入ってたし大型本で重そうだったのでひとまず購入は保留。
タイトルにあるフィルモアってのはサンフランシスコにあったライブ会場の名前らしい。表紙にビル・グラハムという名前があって、調べてみたら伝説的なロック・プロモーターって書いてあった。あんまりこの時代のロックには詳しくないんだけど名前くらいは知ってるジミヘンとかツェッペリンとかジェフ・ベックとかがそこで演奏してたらしい。最近すっかり落ち着いてるロッド・スチュアートもジェフ・ベック・グループの一員として参加してたんだって。若い頃のロッドの歌はある程度CDで聞いたことはあるけど過去にそういう時代があったのねという認識だけで終わってるなあ。正直1960年代とか70年代のノリってちょっと引いた目線でしか見れないんだよね。ちょっと距離がある印象。ヒッピーとかサイケとかフラワームーブメントとかさ、理想はわかるけどさー、私には到底ついていけないよー。ただの自堕落に見えてしまう。きっと時代背景とかの要因があってのことだとは思うけど。頭が固くてすいません。まあそういう感情を持ちつつもかっこいい音楽は好きなのでその時代の音楽も嫌いではないです。
音楽の話はさておき、ミュシャが再評価され始めたのは1960年代のことだと聞いています。上記フィルモアは1960年代後半から1970年ごろまで続いたらしい(その後何度か復活してるみたいだけど、とりあえず第一期ということで)。順番は定かではないけどだいたいそのくらいの時代にヒッピー文化とかフラワームーブメントとかいって若者たちが麻薬やったりフリーセックスだの何だのといわゆる過去の因習にとらわれない生活をしようとしてたようなことを中途半端な知識ですが聞いています。ウッドストックとかも多分その時代なのかな。
それとミュシャの再評価との繋がりって何かあるのかなあと。ミュシャだけじゃなくてアールヌーヴォーのデザイン全般もね。前に某図書館にあったアールヌーヴォーについて取り上げた本でリバイバルとしてちょうどその辺の時代が取り上げられてるのをチラ見したんだけど時間がなくて詳しく読めなかったので気になってます。
若者文化から再評価が進んだのかアカデミックな方向から再評価が進んだのか。1960年代には美術館でアールヌーヴォーの展覧会が開かれたくらいなのでアカデミックな分野でも認められつつはあったんだろうけど、どっちが火をつけたのかなあと。若者たちはミュシャやアールヌーヴォーから何を感じたんだろう。今日本で流行ってるみたいな綺麗可愛いという感想とはきっと違うんだろうな。だってあのサイケっぷりだもの。完全にポップアートになってるような。
それらは主にアメリカやイギリスでの話ですが他の国はどうなんだろ。フランスではミュシャって何となく単独での評価ではなくアールヌーヴォーの担い手が大勢いる中の一人という扱いっぽいような気がする。そんなにフランスのことに詳しいわけじゃないので勝手なイメージだけどあそこってやっぱり自国の文化に誇りを持ってそうだから自国人じゃない上にせいぜい10年くらい活躍しただけで後半生は祖国へ帰ってしまったミュシャはその他大勢のうちの一人でしかないんじゃないかなあと。ミュシャって活躍したのがフランスだから作風もフランスっぽいと思われがちだけど実際は異国風なところが受けたって話です。フランス文学とかフランス映画とか見てると確かにミュシャはフランスっぽくはないのかなーと思う。
と好き勝手に適当なこと書いてますが、みんな憶測なので気になる人は調べてみたり、いや違うぞという人は突っ込んでください。
そういう小難しい話はさておき、この手のポスターは見てると面白いですよ~。怪しい雰囲気むんむん。元ネタを想像するのも楽しい。
アマゾンでこういうのも見つけた。
1560252421The Art of the Fillmore: The Poster Series 1966-1971
Gayle Lemke Bill Graham Jacaeber Kastor
Thunder's Mouth Pr 1999-09

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たぶん上と同じものなのかな。古い版ってことだろうか。こっちの表紙の方が内容がわかりやすいかも。あんまりアールヌーヴォーっぽさは感じられないかもしれないけど。

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2007'04.01 (Sun)

小磯記念美術館

六甲アイランドにある小磯記念美術館に行ってきました。
先日行った姫路のポスター展で小磯良平のポスターを何枚か見て(講演会で見たスライドも含む)興味を引かれたのと、一昨日に展覧会のポスターを見て面白そうだなと思ったので。
実はいいなと思った展覧会のポスターは次回展だったんですが、ふと公式サイトを見たら今日まで開催の展示内容も面白そうだったので急遽行くことに。
現在の展示内容は「小磯良平作品選~油彩・版画・ポスター」と、「新聞連載小説挿絵原画展示」の特集展示、コレクション企画展示「風景」となっていました。
ちょうど入館したらギャラリーツアーが始まったところだったので輪の中に加わって話を聞いてきました。小磯良平についてはあまり知らないので学芸員さんの説明を聞けたのはラッキー。宝塚歌劇と縁のある人だったという話が面白かったな。小林一三さんと知り合いだったとかで舞台の緞帳のデザインをしたり、絵を描くときのモデルの衣装を借してもらったりしてたらしい。藤島武二に師事していたという話も聞いて、アールヌーヴォーと繋がった!と思ったり。あと、この人も1930年頃にパリへ渡航してるんだけど、あっちの美術学校へ通ったりはせずに美術館を見て回ったり音楽を聴いたりあちらの文化を吸収することに重点を置いてたというのが面白いなと思った。もちろん絵も描いてたらしいけど、アトリエを構えてモデルさんを呼んで描いていたらしい。
戦争中の苦労話もあって、神戸の空襲でアトリエが焼けて作品の幾つかが焼失してしまったとか、戦後もしばらくは神戸を転々とする生活だったとか、戦時中は戦争記録画を描くために従軍させられたとか、いろいろ大変だったみたいです。
展示数は50点弱。半分強が油彩で残りが版画とポスター。版画は芸大講師として授業に使ったものが何点かあって、小磯は絵だけ描いて版の準備や刷りは学生がやったとか言ってました。ポスターは姫路でスライドの中に出てきた「神戸みなとの祭り」があった。
ギャラリーツアーの後にゆっくり一点一点眺めてきました。遠目で見ると写実的に見えるのに近くで見るとタッチが印象派みたいに曖昧に見えるのが不思議。あんまり厚塗りはしないとみえて、キャンバスの布地を活かした塗り方だなあと思った。自分の娘二人を描いた絵がかわいかったな。本人もお気に入りで生涯手元に置いておいたらしい。兵庫県立美術館にも小磯良平コレクションがあって、今まで存在は知ってたけど入ったことがなくて、今度行くときは見てこようかなあと思った。
挿絵はペン書きの素描で、油彩とは全然違うんだけど面白かった。絵よりもストーリーが気になってしまったり。石川達三の「人間の壁」という新聞小説らしい。ああいうさらっと描いてるようでうまい線画って好きだなあ。
コレクション展示室は神戸ゆかりの画家が多いみたい。風景画に見えなくもない抽象画もあった。
生前小磯が使用していたアトリエを移築したものもあって見学してきました。これまたちょうど展示を見てるときに館内放送でこれから解説会やります~と聞こえてきたので解説を聞いてきた。部屋の中に本棚があって、色んな本が並んでるのを見るのが楽しかったわ。ピカソやらフジタやらドガやら百科全集っぽいのやらいろいろあった。本好きとしては手に取って見たい~という欲求にかられながらもさすがにアトリエ内部は立ち入り禁止(戸口から中を覗きこむだけ)なので指をくわえて見てました。庭も一部再現されていて庭にまつわる小話も聞けました。薬草植物画を描いてたって話は初耳で面白いなあと思った。
全部見終わって売店を見て、その先に図書室があったので例によって面白そうな本がないかなと思って見てみると、美術全集みたいな本で時代別、傾向別に、代表的作家を取り上げて説明する本があったので少し読んできた(中身ばっかり見てどういう名前の本だったのかは見てこなかったよ…)。ダリの章だけ真面目に読んできたんだけど、ダリって知識が豊富で頭いい人だったんだなあと思った。あとは今読んでる「20世紀美術」という本と重なるような文章もあって、古典的、写実的な絵画から抽象的な方向へ進んだ理由が少しわかった気がする。
本当はついでに神戸ファッション美術館内にオープンした「神戸ゆかりの美術館」も見てこようかと思ってたけど、昨日の疲れもあって家を出るのが遅くなったことと意外と小磯記念美術館が充実していたことで一箇所だけの訪問となりました。また次の企画展も見に行きたいと思ってるからそのときにまとめて行こうっと。
また行きたいなあと思わせる美術館だったけど、問題は交通手段だ。六甲ライナー高いんだもん。もう少し近かったらいいのに。ファッション美術館も同様で近かったらもっと頻繁に行くんだけどなあとつくづく思います。

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