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2011'10.31 (Mon)

京都工芸繊維大学美術工芸資料館コレクション

京都工芸繊維大学の美術工芸資料館に行ってきた。(行ったのは2週間くらい前。もたもた感想書いてるうちに会期が終わってしまった…)
ここは日曜休館で、土日休みの自分にはちょっと行きにくいところだったんだけど、日曜日なのに開いてる日がある!と思って行ったら、オープンキャンパスの日で無料開放だった。ラッキー。
資料館では2種類の企画展を開催してた。ひとつはポスター関係の展示。
開館30周年記念展1「コレクションの歩み-ポスターを中心に-」展
もうひとつは服飾、インテリアデザイン関係の展示。
「京都のモダンデザインと近代の縞・絣」展
一通り見終わって、さあ帰るかと思ったら、これからギャラリートークします~との案内が。せっかくなので聴いていくことにした。各30分で駆け足だったけど、説明を聞きながら見るとなるほどーということもあって楽しかった。そこで聞いた話も交えつつ、感想など。
展示は複数の展示室に分かれてたけど、エントランスホールから既に関連展示は始まってるようで、館内に入った途端、海外のでっかいポスターが壁にいっぱい!掛けてある位置が高すぎて間近で見れないという不満もありつつも、大型ポスターに限ってはこういう展示もありかなーと思いながら見上げてた。日本のポスターもあったし、工芸関係の資料も展示されてた。
実際の順路としては、「京都のモダンデザインと近代の縞・絣」展として、最初に展示室1があって、エントランスホールに続いていて、さらに展示室2がある、という流れだったみたい。
先人が海外から持ち帰ってきた資料、それに影響を受けたデザインスケッチ、そういったデザインによる工芸品、といったものが順番に並んでいて、海外に影響を受けつつも和洋折衷な感じに仕上がってたりして、面白かった。生徒の卒業制作のデザイン画とかもあって、へーと思ったり。花柄にしても、全部同じ形ではなく、写生を元にひとつひとつ違う形の花を画面に配置して模様を作っていたり、アールヌーヴォーの精神をちゃんと咀嚼していたんだなということがわかった。
浅井忠の油絵もあったよ。水彩画もあったよ。花瓶やお皿もあったよ。私は浅井忠くらいしかわかんなかったけど、武田吾一という人の家具も素敵だった。
展示されているのは絵とか図案なんだけど、卒業後は建築の世界に進む人もいて、結構有名な公園をデザインした人がいるとか言ってたな。その辺疎いんで名前忘れちゃったけど。
次に、神坂雪佳が少しと、古谷虹麟という人のものが色々並んでた。あひるの足跡かわいかったな。日本のポスターや引札もあったんだけど、これは着物関連ってことらしい。縞とか絣の着物を着ている。
この辺から縞や絣(かすり)の話題に。着物が日常着として着られていた時代、縞とか絣というのが非常に人気があって、それはもうたくさんの種類の模様が開発されていたらしい。縞と絣だけで何百種類、いや何千、何万?桁は不明だけどそれはもう膨大な図案が考え出されていたそうで、区別つくんかいな…と思ってしまったり。織りによって模様を出すだけでなく、染でもわざわざ織りっぽく見せることまでしていたというのが面白い。なんでそんなことをしてたかというと、染めの方が安くたくさん作れたからってことらしい。型紙(ステンシルみたいなやつ)とか生地見本とかで、その様子を紹介していたんだけど、参考資料として土田麦僊や竹内栖鳳の絵のコピーがあったり。庶民の普段着だったんだなーと。面白かったのが戦時中の着物の柄。模様の中にさり気なく?飛行機とか気球とかヘルメットとかが紛れ込んでた。面白がっていいのかアレだけど、そういう時代だったのよねーと。
その後、着物はだんだん着られなくなっていくんだけど、プリント柄の展示は続く。三波春男の憧れのハワイ航路だっけ?をモチーフにした浴衣だったっけ?が記憶に残ってる。あとは何があったかなー、一応パンフレットは貰って帰ってきたけど、展示品の写真は少ししかないので、記憶が曖昧。一応展示品リストはあるんだけど、細かいことまで書いてないし。
そして、いよいよポスターの展示室へ。次の展示室は上の階にあるようだったので、階段に向かうと、そこにもポスターが!あまり有名でないものから、薔薇十字のとか、いろいろ。薔薇十字のってよく見るとおどろおどろしいのね。立ち入り禁止の上層階へ続く階段にもまだ掛けてあって、もっと先まで見たいー!とうずうずしてた。
ポスターの展示は予想以上にボリュームたっぷりだった。4室に別れてて、最初は海外から資料として持ち帰ったポスターたち。主に1900年ごろ、この大学の前身の学校が開設された頃に手に入れたものが並んでた。クリムトの分離派展のポスター修正前バージョンとか、グラッセによるサラベルナールのジャンヌダルクポスター修正前バージョンとか、そういうものをリアルタイムで日本に持ち帰ってきてた人がいるんだなーと思うと凄く不思議な気分。浅井忠がミュシャのJOBのポスターの横に座ってる写真を見たことがあるんだけど、あれは現物は残ってなくて写真だけなんだっけ?ポスターの片隅に浅井の名前入り備品シールが貼られてたり、ポスターを手に入れたときにあっちの人に書いてもらった献辞が書き込んであったり、その当時のポスターの扱いが垣間見えるようで面白い。他に展示されてたポスターは、モーサー、ロートレック、シェレなど。
当時の資料ということで「ポスターの巨匠たち」もあったよ。表紙がポールベルトンなんだよねえ。革の装丁かっこいい。こういう本を参考に、現地でポスターを手に入れてたらしい。
でも、上記ポスターが持ち帰られてから長らくの間、資料として保管はされてきたけど、コレクションとしてはまったく体を成してなかったらしい。そして、約30年前、1980年ごろに、きちんと系統立てたコレクションにしようと、既にあるものを基礎に、隙間を埋める形でポスターの蒐集を始めるわけですが、最初に白羽の矢が立ったのは、我らが「ミュシャ」でございました。解説の人の言葉によると「憧れのミュシャ」だったそうな。
ちなみに展示室の片隅にカタログレゾネが置いてあったのでぱらぱらとめくってみたら、お値段が書いてありました。なるほどねえ。やっぱ1980年くらいだともうそんなお値段なのねーと思ったり。
第2室がそういったコレクションの展示。最初にどーんとミュシャの椿姫とジスモンダと並んでました。いつ見ても麗しい。赤玉ワインのポスターなんかもやっぱり憧れだったらしい。
日本の画家が手がけたポスターということで、小磯良平とか和田三造とかが並んでた。解説のお兄さん(工芸館の准教授とか言ってたっけ)の話には出てこなかったけど、フジタの絵もあったよ。フランス産のポスターだった。風景画なのでいかにもフジタ!と目を引く感じではなかったけど。あと、アリスティド・ブリュアンもどきのニッカウィスキーのポスターがかわいかった。赤いマフラーを巻いた熊がウィスキーのビンを持ってる絵だった。ネットを探したら見つけた!これだ、これ。
http://blogs.yahoo.co.jp/potabi234/27910168.html
この奥山儀八郎って人のポスターはもう一枚展示されていて、それはニッケ水泳着というものだった。ニッカとニッケ…偶然なのか、似たような響き。展示した人は狙ってたのかな?そっちも結構面白いポスターだった。後で分かったことだけど、この人って木版画系の人なんだね。
ここにちっちゃい画像がある。実物は結構インパクトあったけど小さい画像だとわかりにくいな。
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2004/0831/04_0831.html
開館後は、購入したり、寄贈を受けたり、色んな形でコレクションを充実させていったそうだけど、いわゆる華やかなポスターだけじゃなく、ちょっと毛色の違うところで、戦時中のポスターや、いわゆるメジャーな国以外のところのポスターなんかも集めていったそうな。そういうものが展示されてた。確かチェコとか南米だったか、あとロシアとかドイツとかそんなところのがあった気がする。
今のところ、登録されてるものだけで約6千点、それ以外に未登録のものが何万点もあるらしい。
コレクションの逸話として、20~30年前?に天王寺の大阪市立美術館で日本の戦時中のポスターをたくさん持ってることがわかって、それを受け入れるという出来事があったらしい。美術館との間でそんなやり取りが発生したりもするのか…。戦争プロパガンダネタは最近になって少しずつ見れるようになってきた、みたいなことを、以前どっかで聞いた気がする。やっぱり当事者的に冷静に振り返れないというか、なかったことにしたい過去というか。ポスターだけじゃなくて絵画の世界でも戦争画がどうのって話題があったよね。反戦系は比較的扱いやすいけど、好戦的というか、愛国的というか、そういうのってどうしても直視しにくいところはあるもんね。
何年か前に、東京の印刷博物館だっけ?あそこで見たのは主に海外のだったかなあ?えげつなーって思うようなポスターを見たっけな。あと、切手博物館だっけ?絵葉書だったか切手も含めてだったか、日本の戦時中のあれこれも見たなあ。どっちもカタログはなかったので曖昧な記憶しか残ってないけど。
最後の部屋では最新の収蔵品を紹介。最新といっても1970年代ごろから2000年代までなので時代の幅は広いけど。
1960年代サイケデリックなアメリカのポスターがあった。案外サイズが小さいんだねー。そういえばサントリーミュージアム天保山最後の展覧会のときにちょろっと展示されてたっけ。記憶は曖昧だけど、確かあのときに並んでたのもそれくらいだったような。A3くらいのコンパクトさ。そういうものだったんだろうか。ポスターというよりビラみたいなものだったとか?(これは完全に推測です)アールヌーヴォーリバイバルの展覧会、どっかでやらないかなあ。そろそろ出てきてもいい頃。
天保山で思い出したけど、説明のお兄さんが、関西でこれだけのポスターコレクションが見れるのは、うちと、あとは天保山があったけど今は…みたいなことを言ってた。うう、そうだよね…と頷く私。時間があったらあれがどうなったのか知ってるか聞きたかったけど、なんとなく話しかけそびれた。
日本でも1960年代とか70年代とか、だいたいその辺のものだったと思うけど、横尾忠則とか福田繁男とか田中一光とか粟津潔とかが並んでた。あと、タイポグラフィのポスターもあった。これって昔、どこか遠出した先で見たことある気がするなあ。
もっと新しいところでは、デザイン的な観点ではなく、世相を映すものとして、国税庁とか公共広告系のものも集めてるらしい。そのとき展示されてたのは税金納めてね!な江角まきこと、子育てパパ奨励なサム(globeだっけ?)のが並んでた。解説の人によると、ポスターの内容とその後に起こった出来事を絡めて皮肉が利いた2枚を並べてみたそうな。こういうのってまだ最近の話だから、ああそういえばそんなこと…ってわかるけど、何十年もたった後ではみんな忘れてるようなことだよねえ。そういう事実も記録してコレクションしてるんだろうか?(聞けばよかったな)
そんなこんなで100年のポスターの歴史を駆け足で追いかけた展示でした。楽しかった。
2階の展示室と展示室の間の通路に、アンティークラジオが4台くらい置いてあった。谷川俊太郎のコレクションって言ってたかな?なんでここに寄贈したのか謎なんだけど、素敵だった。ラジオと言ってもちょっとした家具みたいな大きさ。裏を見るとちゃんと機械だなーって感じもあって。こういうの好き。
その後、京都駅でやってるルドン展へ向かった。その話はまた次回。
余談だけど、この美術工芸資料館は京都工芸繊維大学の敷地内にあって、当然、大学の門をくぐらなきゃいけないわけですが、門の横あたりが銀杏並木になっていて、敷地内に銀杏がたくさん落ちていた。あの独特のにおいで気づいたんだけど、あれって誰も拾う人いないのかなー。
京都工芸繊維大学といえば、むかし、受験を考えたこともある学校だったんだよなあ(工学部志望だったので)。などとどうでもいいことをつぶやいてみたり。
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2011'10.30 (Sun)

ミュシャのブランドムック

ミュシャのブランドムックが出ました。「ブランド」の定義が謎すぎる…。
ミュシャ中毒患者の私にとって買わない選択肢はないわけで。グッズはさておき、本は何が書かれてるか気になるもの。普通に発売日に本屋へ駆け込んで買ってきました。
付録のレビューは詳しくやってるところがあるみたいなので(各自で探してくださいな)、私は冊子の方のレビューでもしてみようかと。
4796687092MUCHA~アール・ヌーヴォーの奇才「アルフォンス・ミュシャ」のすべて (e-MOOK) (e-MOOK 宝島社ブランドムック)
アルフォンス・ミュシャ
宝島社 2011-10-28

by G-Tools

目次は宝島社の公式サイトに載ってます。(一応この記事の末尾にも転載しておく)
表紙をめくると最初のページにミュシャ財団のジョン・ミュシャのメッセージが…。海外の人にこの手の「ブランドムック」って理解できるのかな?と、どうでもいいことが気になった。
そこからが本編で、目次の通りの構成で絵の紹介やらインタビューやらが掲載されてます。
表紙には図版100点収録とある。真面目に数えてないけど、たぶんそれだけ掲載されてるんでしょう。4連作とか12枚セットとかもあるので、100点って多いようでそうでもない印象。全64ページ(表紙、裏表紙は除く)で、1枚の絵をページいっぱいに載せてるところもあれば、1ページに複数の図版が載ってるのもある、というところからどんな感じか想像してみてください。
作品紹介の前に、4ページくらい使ってざっとミュシャの経歴が書かれてる。
そのあと、30ページくらい使って、有名なポスターから装飾パネル、書籍や絵葉書から油彩までを、幅広く紹介。当然のごとくポスターと装飾パネルの比率が高い。絵の解説は短め。あまり詳細な解説を期待してはいけません。でも、一応ポイントを押さえた解説にはなってるかな?
絵の紹介が一通り終わると、外人モデルを使ったミュシャの絵コスプレ写真が。これがなかなか綺麗。モデルさんは東欧系なんだろうか?たまにネットを彷徨ってると色々間違ったコスプレを見ることがあるけど、これは上品でレトロで素敵。
その次がインタビュー。全員に同じような質問をしていて、その中でミュシャの鑑賞法を聞いてるところが面白かった。
ミュシャ名所案内として、プラハの観光案内と、日本でミュシャが見れるところを紹介してた。日本のはレストラン以外は全部行ったことある場所だった。そういえば、スラヴ叙事詩のある場所については書いてなかった。今ごたごたしてるところだからかな?
最後にミュシャグッズ紹介。食器だの花瓶だのパズルだのアプリだのいろいろ。読者プレゼントもあるよ!応募締め切りは2012年4月末になってた。プレゼントの中に2012年のカレンダーがあったんだけど、届くのは5月以降ってこと?
巻末に付録の鞄がついてて、その説明が書いてある。
とまあ、こんな感じの内容です。
冊子の前半は特に目新しい情報もないので、ミュシャの絵を楽しみたいだけなら他の本を買ったほうがいいと思うけど、冊子の後半の独自記事は割と面白かったので、私としては満足かな。真面目なミュシャ本というよりはファッション誌感覚で気軽に楽しむ雰囲気だけど、そういう内容もたまにはいいよね。冊子だけ目当てに1500円は高いけど。
鞄はねえ、作りはしっかりしてるけど、質感がイマイチ好みじゃなくて、持ち手が綱になってるのも苦手だし、自分はあんまり使いそうにないかなー。

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2011'10.29 (Sat)

藤島武二・岡田三郎助展 近代日本洋画の理想郷

三重県立美術館で開催していた藤島武二・岡田三郎助展に行ってきた。(行ったのは3週間くらい前です。体育の日だったかな。感想書くの遅すぎ)
この展覧会は横浜、三重、ひろしまを巡回するとのことで、行くなら三重か広島だよなーと悩みつつ、一度も行ったことがない場所にしてみようと、三重県津市まで行くことにした。ひろしま美術館は今年の春先ごろに行ってるからね。
三重県までは近鉄特急でひとっとび。所要時間にすると広島までと大差ないんだけど、新幹線じゃないからちょっと安い。初めて近鉄特急に乗ったけど、のんびりした感じ。直通だったから、途中の停車駅も少なく快適。
津で降りて、美術館のある側の出口から出たんだけど、見事に何もない…。あれ?津って県庁所在地じゃなかったっけ?違う方向に行けばにぎわってたのかな。(後で調べてみると、津市内の繁華街は駅前よりちょっと離れてるらしい。なるほど。)
駅から美術館まではほぼ一本道なんだけど、途中に何もなさ過ぎて、うっかり通り過ぎてしまったんじゃ?と不安になりつつ歩いてたら、美術館の看板が見えてひと安心。
美術館に到着すると、門の前に看板がどーん。武二!朝顔!と興奮。そういえば神戸の展覧会のときも朝顔がメインビジュアルだったっけ。
しかし、さらにそこから建物の入り口までが意外に遠くて、結局あれで正しい門から入ったのかどうか、いまだによくわからない。
展覧会は武二と三郎助、2人展なので、展示は半々。時代順に大雑把に3章くらいに別れてて、それぞれ最初に武二があって、次に三郎助、またはその逆、の順番で並んでた。
武二の序盤はいかにも明治の洋画な着物美人から、浪漫主義的な作品、あと、明星関係とか装丁も紹介。ここは本当はもっと突っ込んで紹介して欲しいんだけど、2人展だもんね、ボリューム少な目なのはしょうがない(つい、こないだの橋口五葉展を思い出してしまうと物足りなさ過ぎる)。でも、画稿がたくさん展示されてたのは嬉しかった。縮図帖もあったし。縮図の中に白馬会の展覧会ポスターの図案があったけど、あれってデザインだけなのかな?前にどこかで(堺市文化館だっけ?)明星だったかの紙面に載ってるのを見たことがあるけど、「ポスター」という形では見たことない。
そういえば武二と明星との繋がりは渡欧前までで、渡欧後は、それ以前に渡した絵を使ってた、という話を聞いてたんだけど、装丁の仕事に関しては渡欧後も続けてたんだね。渡欧後はその手の仕事から離れてしまったんだと思ってたので意外だった。
滞欧作の展示もあった。この辺の人物画とか風景画はその時代やその場所ならではの雰囲気があって好き。でもこの頃の作品は失われてしまったものが多いんだよね。どんな絵を描いてたのかなあ。
帰国後は模索の時期。でも「匂い」とか割と好きだなー。それにしてもこの人の絵のタイトルのつけ方は独特。本人が命名の経緯を語ってるところによると、かなり感覚的につけてるみたいで面白い。余談で、「うつつ」というタイトルの絵があるんだけど、武二のことが書かれた手持ちの本を読んでいたら文章中に「ウフフ」という絵が云々とあって、そんなタイトルあったっけ?としばらく呆然とした後、もしかして「うつつ」のこと?と思ったことがある。誤植だと思うけど、可笑しすぎる。脱線おわり。
図録に載ってるけど展示されてない絵が幾つかあったみたいで、その中に武二の「幸ある朝」が含まれてたのが残念。過去に見たことあるけど、また見たかったなー。
裸婦の絵の解説に、渡欧先で触れた最先端の様式(?)、キュビズムとかフォービズムとかに影響を受けてるとあって、その視点はなかったわ!と。以前から武二の、特に晩年の筆遣いはちょっとデュフィを思い出すなーと思ってたんだけど、デュフィはカテゴライズするならフォービズムになるんだっけ?ヴラマンクみたいな強烈さとは違うけど、マティスも確かフォービズムに入るはずだし、近いものはあるんだろうなあ。
たしかこの辺りで、横顔コーナーとして3点並んでた。現在それなりに展示しやすいものというとこれだけになるんだろうな。ちょっと寂しい。ポーラの「女の横顔」も悪くないけど、やっぱり東洋振りや芳が見たい…。
晩年は風景画が多い。海の絵とか日の出の絵とか山や田畑の絵とか、もちろん好きだけど、やっぱり美人画が好きな私。さらっと描いたような女性画は少しあった。風景の中では室戸遠望が好きかなあ。浜名湖だっけ?を描いた横長の大きな絵は初めて見た。虹が出てる綺麗な風景。
黒田清輝宛の書簡が展示されてた。内容は達筆すぎて読めないんだけど、少しだけ読める文字があったので拾い読みをしてたら、なんとなくくだけた雰囲気で面白かった。あとで図録を見たらやっぱり雑談的な内容で、人を楽しませる文章を書く人だったみたいなことが。
そういえば、ここ、三重県は武二が短期間だけど教師の仕事をしていた土地なんだけど、当時の詳しいことはあまり記録に残っていなくて武二がどんな制作活動をしていたかは明らかではないらしい。そんな三重時代の手紙もあった。
さて、藤島武二はここ数年でファンになったため、あまり藤島の作品をまとめて見る機会には恵まれてません。2002年に大規模な回顧展があったみたいだけど、その頃はアンテナに引っかかりもしなかったしなー。単品でちょろちょろとは見てて、結果的にそれなりに見てる状況にはなってるかな。2~3年前に有難いことに地元神戸で小磯良平と藤島武二の2人展があったので、そこで主だった作品はだいたい見れたと思う。(とはいえ東洋振りや天平の面影はまだ見てないし、黒扇は別の機会に見た)
そんな初心者ファンですが、あれこれ資料を読んでると、藤島の代表作と言われるもののうち、東洋振りは個人蔵で公開される場が限られてるみたいだし、芳や蝶に至っては長年公開されていない模様。一昔前の情報だと個人蔵で、持ち主の名前もはっきりしてたけど、現時点の所有者情報は知らない。一応所在ははっきりしてるんだろうか?どんな事情があるか知らないけど、あれをしまいこんでおくなんて勿体無さ過ぎるよ。ちゃんと大事にしてくれてるのかなあ。(余談で、ネット検索してたら蝶の複製画が売られてたけど、あれは持ち主から複製の許可を得てやってるものなんだろうか…。画質がよければ欲しいんだけど、どっかの図版を取り込んでるだけなら質は知れてるしなー。著作権切れ作品の複製利用って一般的にどういうプロセスを経て行われるんだろ?)
他にも解説とかで重要作品扱いを受けてるのに所在不明とか焼失とかいうプロフィールの作品もあるし。ファンとしては残念なことが多い。無残なんて図版すら残ってないんだもんなー。こんな絵だったという描写だけがあって、興味をそそられる。桜狩は一応モノクロ図版があるから想像しやすくていい。剪眉の別バージョンもモノクロ図版しか見たことないし。
武二は生前、自分の絵をほとんど売らなかったらしく、晩年にようやく画商に口説き落とされてコレクターの元に渡ったものもあるけど、彼の死後、自宅の火災で焼失してしまったものもあるらしい。今、焼失されたとされる作品の中にはそのとき失われてしまったものが含まれてるんだろうか?戦争やら色々あった時期だからどこにあっても焼失の危険はあっただろうけど、なんか色々考えてしまうな。遺言で敢えて焼却処分されてしまったものもあるらしいし。ファンとしては落書き1枚でも愛でたいくらいけど、本人的には他人に見られたくないものだってあるわけで、その辺は難しいなあと思う。
そんなことを、展覧会図録を読みながら考えてた。
と、ここまで武二の感想ばっかり。でも、三郎助も決してまったく無関心なわけじゃないよ。ただ、個人的に一番盛り上がったのが、商業ポスターのところだったりするのがアレなんだけど。そうそう、兵庫県美の絵も来てたね。馴染みのある絵だ。
広告系では高島屋とか三越とか。この展覧会は三重の前にそごう美術館でもやってたらしいけど、そごうに高島屋やら三越の看板絵が…状態だったと(笑)そういえばなぜかキャプションには百貨店の名前が出てなくて、所蔵先やら絵の中の表記を見て、ああ、あそこのポスターか、とわかるような状態だった。そごうに気を使ったのか…?梅田の駅に飾られてたという説明に、梅田へよく行く自分は妙に親近感を抱いてしまったり。三越のポスターは有名だよね。ポスターマニアな私にとっては特に。そうかー、あの絵は三郎助だったんだ。これで記憶にインプットできたかな?
三越のポスターといえば橋口五葉とか杉浦非水だけど、三郎助はそれより前の時代になるのかな?この手のポスターは何年か前に姫路でたっぷり見たけど、どっか別の美術館でも見た記憶があるけど(グリコとか並んでたのってどこだっけ…西宮大谷?)、その辺の歴史もおさらいしながら見ると楽しいよね。(そして、次の週に見に行く京都工芸繊維大学の工芸資料館にも繋がる。)そういえば武二は文学系の挿絵とか装丁とかはしてるけど、商業広告系の仕事ってしてないんだっけ?絵葉書の図案なんかはあるけど、あれも明星の延長線上みたいな感じだしなあ。そういう話が来なかったのか、来ても断ってたのか。考えてみるとちょっと不思議。なんとなく、興味なかったのかもなーという気はするけど。
婦人雑誌の表紙も面白かった。絵よりも、表紙に書いてある「○○号」というタイトルが面白かったんだけど。私はいかにして結婚したか!という煽りもあったり(笑)
工芸品を蒐集してたというのは初耳だった。着物やら小刀やらいろんな生地やら。それをモデルに着せたり持たせたりして絵を描いていたというのが面白い。
図録の解説を読んでいて、武二と三郎助の共通点、相違点について書かれてるのを見て、なるほどねーと思った。男性的な武二と女性的な三郎助。解説の言葉そのままじゃないかもだけど、豪快な武二と繊細な三郎助って印象が確かにある。武二は文学との関わりの中で、ミュシャっぽい絵を描いてても、どこかに男性的なところがあるような気はしてた。ミュシャの絵が女性的とは思わないけど、ポスターに限って言えばどちらかといえば女性的なのかなあ。自分でも女性的、男性的の定義が謎。武二がざっくりとした筆遣いで描くのに対して三郎助は細かい筆致で描いてるけど、それが女性的とか言われるとそれはそれで違うような気もする。
歳の差もほとんどなく、同じくらい長生きして、同じような場で活躍し、名誉も得た二人だけど、親しい友人という関係ではなかったとか。三郎助の生涯はよく知らないけど、どんな人となりだったんだろうなあ。武二が葛藤の多い人生だったのに比べると、三郎助は自分の世界に生きた人だったのかなあ?と、そのコレクションの話を聞いて思った。三郎助が楽な人生を送ってたように見えるわけじゃなくて、武二が自分の世界を持ってなかったと思ってるわけでもなくて、うまく言えないけど、なんとなく内面的には三郎助の方がぶれない何かを持ってたのかなと感じた。ものすごく感覚的な感想。
2人の活動の場とか作風とかを見てると、共通点はあるにせよ、たとえば渡欧するタイミングも違えば、家の事情も違うし(これはその当時は結構大きかった)、もちろん本人の資質も違うし、違うプロセスを辿って、違う人生を歩んでるんだよなーと思った。当然っちゃー当然なんだけど。
どっちも人望はあったみたい。この2人に師事した画家(に限らず色んな分野の芸術家)の多いこと。美術学校で先生をしていたからというのもあるけど、自宅にもたくさん弟子が通ってたらしい。

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2011'10.03 (Mon)

2012年のミュシャカレンダー

毎年恒例、ミュシャのカレンダー情報。アマゾンで出てくるものを中心に、中身をざっとまとめてみました。
例によって、絵のタイトルは適当。リンク先にサンプル画像があるので、正しい内容は各自で確認してください。
今年は布のデザインがあちこちに出てくるなー(例年がどうだったかの記憶は怪しい)。布にプリントされたものと、リトグラフと、どっちもある。この絵に関してはタイトルがあるんだかないんだかよくわからないので私の記述方法も適当さが際立ってる。あと、装飾資料集も各ページに独立したタイトルがあるわけでもなし、プレート番号まで把握してないから、適当に呼んでます。
実物を見て買いたい人は大型書店、文具・雑貨店、インテリア系のお店、美術館(ミュージアムショップ)といったところを探してみましょう。ここに載ってないものを置いてることもあります。

まずはいつものTeNeuesから。標準サイズのウォールカレンダー。
3832752668Alphonse Mucha 2012 Calendar
Alphonse Mucha
Te Neues Pub Group (Cal) 2011-08

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内容は、香水ロド、1900春、フォックスランドラム、トパーズ、パーフェクタ自転車、ウェイバリー自転車、アメシスト、装飾資料集より、ショコライデアル(カカオシャール?)、愛人たち、桜草と羽根、果物。
ショコライデアルの文字違いバージョンなんてあるのかー。ちょっと気になる。
毎年、同内容のミニサイズが売られてるのを見かけるけど、アマゾンにはない。ミュージアムショップとかには置いてあるかも?

同じくTeNeuesのポスターカレンダー。こちらはかなりでかいです。通販のときってどうやって梱包されてくるんだろう…。本屋で実物を見たことあるけど、丸めるのは苦しそうなんだよなあ。(買ったことはない)
3832749756Mucha 2012 Calendar: Super Poster
Alphonse Mucha
Te Neues Pub Group (Cal) 2011-08

by G-Tools

内容は、ウォールカレンダーとは多少異なる模様。1900秋、桜草と羽根、ベネディクティン酒、ダンス、アメシスト、ウェストエンドレビュー、エメラルド、装飾資料集より、果物、装飾資料集より、トパーズ、ロド。

お次はPomegranateのウォールカレンダー。標準サイズです。
0764956906Alphonse Mucha 2012 Calendar (Wall Calendar)
Alphonse Mucha
Pomegranate (Cal) 2011-07

by G-Tools

内容は、ダンス、JOB金髪、愛人たち、モナコモンテカルロ、ビザンチン風頭部ブロンド、謎(桜草もどき?)、1896夏、カルチェラタン、ビスキーコニャック、絵画、モエエシャンドン(ホワイト&ドライ)、ソコル。
一枚謎な絵が入ってるんですけど…。もし自分が今年買うならこれかも。変なのが好きだから。
参考URL:http://www.pomegranate.com/w470.html

これも毎年見かける国内メーカー。6枚つづりです。
B005GSB7QMアルフォンス・ミュシャ [2012年 カレンダー]
.
APJ (株式会社 ハゴロモ) 2011-10-05

by G-Tools

詳細は楽天にあったので、楽天のリンクも。

内容は、モエエシャンドンホワイトスター、1896春、花、ハムレット、1896夏、モエアンペリアル。

もうひとつ国産らしいカレンダーを楽天で見つけた。同じく6枚つづり。(去年見かけたゼンキョウってところのかな?)

内容は、トパーズ、ハムレット、4つの時の流れ(朝)、1900秋、サマリアの女、1900冬。

(追記)ドイコレクションのカレンダーも出てます。今年は卓上、壁掛け兼用らしい。ちょっと小さめ?

内容は、黄昏(表紙)、ヒヤシンス姫、冬1896、黄道十二宮、クオ・ヴァディス、パーフェクタ自転車、ダンス、通り過ぎる風が若さを奪い去る、モナコ・モンテカルロ、スラヴ叙事詩展ポスター、果物、JOB、YWCA。

最近見かけるようになったトライエックスによる輸入カレンダー。もし去年と同じなら、ラメ入りトリミングなデザインの可能性が高い。
B005NMACUSアルフォンス・ミュシャ/Alfons Mucha[2012年カレンダー]輸入/壁掛け (アート)
トライエックス
トライエックス 2011-09-17

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これと同じものかな?
http://www.flametreepublishing.com/ProductDetails.asp?id=2579
だとしたら、ミニサイズ。トリミングだけじゃなくて妙なアレンジも施してるので、注意が必要。
内容はつた、布デザイン、ダンス、1896春、詩、1896夏、夢想、桜草、布デザイン、月桂樹、モナコモンテカルロ、月。
参考までに、他のデザインのもリンクだけ紹介しときます。ちなみに私はここのやつを、去年、一昨年あたりに紀伊国屋書店で目撃したことがある。
http://www.flametreepublishing.com/ProductDetails.asp?id=2565
http://www.flametreepublishing.com/ProductDetails.asp?id=2552

店頭ではあまり見たことないんだけど、アマゾンではよく見るAckermann。サイズは2通り。
まずは小さいほうから。ウォールサイズ。絵はトリミングあり。
3838452437Mucha 2012 Art12 Collection
Alphonse Mucha
Ackermann Kunstverlag 2011-04

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内容は、ビザンチン風頭部ブロンド、1896冬、エメラルド、薔薇、北極星、1896春、百合、果物、ルビー、アメジスト、月、1896秋、アイリス。
参考URL:http://www.ackermann-kalender.de/nc/art12-collection/art12-collection-details.html?tx_commerce_pi1[showUid]=562&tx_commerce_pi1[catUid]=41

もうひとつは縦長サイズ。こちらはトリミングなし。
3838412605Alfons Mucha 2012
Alfons Mucha
Ackermann Kunstverlag 2011-07

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ルビー、1896冬、エメラルド、薔薇、星、1896春、百合、アイリス、果物、1896秋、アメシスト、月。
参考URL:http://www.ackermann-kalender.de/nc/kunst-literatur/kunst-literatur-details.html?tx_commerce_pi1[showUid]=474&tx_commerce_pi1[catUid]=34

たまに見かけるTushita。ウォールサイズ。ここのミュシャのじゃないカレンダーを買ったことあるけど、画質がイマイチだった。これがどうかは知らない。
3863231597Alphonse Mucha 2012. Miscellaneous
Alphonse Mucha
Tushita Verlag 2011-07

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1896冬、夢想、1896春、ヒヤシンス姫、布デザイン(花に囲まれた女)、羽根、ロド、花、サロンデサン金髪、モナコモンテカルロ、黄道十二宮、ビスケットLU。

Korsch?というところのもの。これは実物見たことないんだけど、64.8 x 46.8cmとあるので、結構大きそう。
3782760107Alfons Mucha 2012. Kunst Gallery
Korsch Adolf Verlag Gmbh 2011-04

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内容は、百合サラ、ムーズ河ビール、1896秋、マーガレット(布デザイン)、音楽、ジスモンダ、月桂樹、ショコライデアル、ショコラマッソンメキシカンの少年、モナコモンテカルロ、4つの時(たそがれ)、ロド。

次のは残念ながら詳細はわからなかった。小さめ。たぶん12枚つづり。(参考URL:http://www.abebooks.de/products/isbn/9783771712662/5682504835)
3771712661Alphonse Mucha 2012. Kunstkarten-Einsteckkalender
Alphonse Mucha
Fink Emil 2011-08

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とまあ、こんな感じです。

テーマ : アート・デザイン - ジャンル : 学問・文化・芸術

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2011'10.02 (Sun)

生誕120周年記念 岸田劉生展

1週間ほど前に、大阪市立美術館で開催中の岸田劉生展に行ってきた。その日は夜間開館日だったので、ゆっくりめに出かけて、ゆっくり見ることができた。
今回は「麗子、いっぱい」ということで、麗子ちゃんコーナーが充実してた。見たことある麗子ちゃんと再会。自分はいつの間にか麗子ちゃんをたくさん見てたのねーと実感した。東京国立博物館の麗子ちゃんはたぶん初めて見たけど、神奈川近美のは兵庫県美に来てたのを見たし、16歳の麗子も別のとこで見てるし、自分が思ってるより自分は岸田好きなのねーと思ったり。
一応、岸田劉生展をやると聞いていそいそと出かける程度には好きなんだけど、たとえば藤島武二に対する気持ちほどにはファンという自覚は自分の中ではないんだけどなー。
遡ってみると、白樺派の展覧会を見たときに、かちかち山にときめいたのが、岸田に対する好き度が上がったきっかけだったのかも。(それ以前からも、折に触れて岸田の作品を見る機会はあった。主に静物画とか風景画だった気がするけど。)
岸田の回顧展なので、当然のごとく、初期から晩年までの作品が並んでて、総数約240点(展示時期が限られてるものが幾つかあるので、一度に見られるのはもうちょっと少ない)という充実っぷり。
ただ、ところどころ、作品の並べ方の意図がわかりにくいところがあったかな。一応だいたい時代順になってたと思うんだけど、1907年から始まってるのに、入り口からすぐのところにいきなり1914年(うろ覚え)の風景画がどーんとあったり。それ以外の具体的な例は忘れちゃったけど。色んな方面に手を出してる人なので、分類するのが大変だったのかもね。
あと、絵の横に貼ってあるキャプションがおかしいところがあった。同じ人の肖像画で描かれた時期が違うものが2枚並んでて、内容的にこっちじゃなくてあっちだろうという説明が書かれてたり、衛生じゃなくて衛星じゃない?という誤字があったり。あともういっこなんだっけなー、脱字もあった。たるんどる!(何を偉そうに…)
貰ってきた出品リストと実際の展示の順序はまったく一致してないので、うろ覚えで展示構成を書くと、だいたいは時代順で、真ん中辺にどーんと麗子コーナーがあって、あと、鵠沼時代とか、京都時代とか、住んでた場所ごとに区切られてた。首狩り時代もまとまってたかな?白樺派とか、バーナードリーチ繋がりのものは、多少はまとまってたけど、分量的に少ないので、なんとなく余り物っぽい印象が…。
エッチング作品と、その下絵(かな?)が展示されてたんだけど、絵の前に柵が設置されててあまり接近して見ることができなくて不満だった。エッチングは間近で見ないと面白くないのに!
首狩りをしてたくらいなので、肖像画、自画像はたくさん。自画像は同一人物がモデルなんだから同じ顔が並んでるはずなんだけど、ひとつの自画像の前で、妙な親近感をおぼえた。ん?と思って所蔵先を見たら兵庫県美だった。たぶんそこで見たことがあったんだな。
同じ顔だけど時代やそのときの心境によって随分と違う表情なんだなあと思いながら見てた。どうせなら自画像だけずらっと並べてたら面白かったのに。色んな人の肖像画を描きながら、だんだん作風が変化してるのも面白かった。
奥さんの蓁さん、綺麗な人だったけど、それとは別に若い頃に惚れてた女性の面影がいつまでも岸田にはつきまとってたという逸話があって、そのイメージで描いたらしいエターナルアイドルとかの絵は、なるほどかなりタイプが違う感じで、ふーんと思った。
岸田の妹さんの肖像もあったんだけど、藤島武二の絵に、似たようなモデルさんいたよなーと思った。たぶん別人だと思うけど。
絵にはいちいち制作年月日が記されていて、細かいなーと思った。でも、ひとつ、たぶん12月(DEC)のつもりでDICと書かれてるのを見つけちゃった。
一般的に岸田は「近代」の人ってイメージだけど、静物画には現代美術に片足突っ込んでるようなところがあるのでは?という解釈は面白いね。
切通之写生はやっぱりいいよなー。
京都時代について、解説では擁護してたけど、やっぱりイマイチだなーと思った。放蕩の果てに体壊して早死にしちゃうんだから、そりゃあかんよ。
図録は買わなかったので、展示室内の説明のみでの印象だけど、もう少し、装飾系の仕事に関する説明があってもよかったかなーと感じた。まあ、この展示ボリュームでは、細かい説明をしてたらきりがないというのはわかるんで、しょうがないとは思うけどね。
岸田劉生展と言えばちょっと前に神戸の六甲アイランドにある小磯記念美術館でそこそこ大きいの(展示数は100点くらい?)をやってて見に行ったことがあるんだけど、あのときとどっちがインパクトあったかな?というと、前回の方がよかったかなあ。まあ、ファーストインパクトの方が大きくて当たり前ではあるけれど。あのときは代表作が揃っていたかというと微妙だけど、解説も充実してて、おかげで麗子ちゃんに親近感が持てたし、岸田の生涯についても理解が深まったし、岸田の画業の概要を理解できた、そんな展覧会だったな。
と思いつつ、そのときの感想を読み返してみたら、感想すくなっ!あれ?おかしいな…。記憶の中では結構楽しんだような気がしてたんだけど。麗子の遊び相手だった於松ちゃんと肩掛け交換しただとか、親戚の男の子が可愛くて養子に貰おうとまでしたとか、色々面白エピが紹介されてたのに。
ウッドワン美術館の所蔵品巡回展で売ってた肩掛けがグッズ売り場にあるんじゃないかと期待してたのになかったのが残念。あそこの麗子ちゃんもかわいいよねー。
ところで今、ウッドワンで京都国立近美の所蔵品展やってるらしいけど、あれ?武二の花篭って京都のなの?近美はよく行くけどあそこの所蔵品展示室で見たことないよー(別の美術館で見たことはある)。安井曾太郎の婦人像もあそこでは見たことないような…。見せろー!(脱線)
その後、せっかくなので常設展示室も見てきた。特集展示は仏教美術と中国の書画。
仏教美術は仏像とか曼荼羅とかの大物より、工芸品寄りの(一応仏教関係なので、工芸品とは呼ばないだろうけど、じゃあ何と言えばいいのかわからない…)あれこれが綺麗だったなー。紺の紙に金の文字が綺麗過ぎてうっとり。彫金も綺麗。仏像は普段彫刻を見るときのノリで、背中までばっちり観察。(彫刻は裏まで見るのが好き)
中国の書画は、書はわからん…ということで、画の方だけ楽しんだ。この世界は疎いのでよくわからないんだけど、時代によるのか、国によるのか、なんとなく見慣れてる日本画に比べるとでっかいなーと思うものが多かった。人の名前を見ても全然わかんないんだけど、綺麗な絵もあったし、迫力ある絵もあったし、それなりに楽しめたかな。もう少しわかるようになりたいんだけどなー。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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