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2011'12.31 (Sat)

日本絵画のひみつ

クリスマスの日に神戸市立博物館で開催中の「日本絵画のひみつ」展に行ってきた。
神戸市立博物館は南蛮美術のコレクションで有名。前に、プルシアンブルーをテーマにした展示があって、そのときが私にとって本格的にそのコレクションを見た初めての機会だったかなあ。そのときに見たものも少し出てた。
私にとって、日本美術はもちろん興味はあるんだけど、もともと美術にはまったきっかけがミュシャなもので、そこから色々手を広げてく過程で、ジャポニズムだの、西洋と東洋がお互いどんな風に影響を与え合っていたのかというところについ注目してしまうので、生粋の日本画というよりは、西洋と東洋の出会いによって生まれた(今の私たちの目から見ると)へんてこな絵に惹かれてしまう。
そういう点でこの展覧会は色々楽しいことがいっぱいでした。
今回の目玉?小田野直武の不忍池はさすがの存在感。これ、実際に見てみるとすごく不思議な絵で、画風は全然違うけど高橋由一を少し思い出した。これは18世紀の絵だから、幕末の高橋由一よりも数十年か百年くらい前。
秋田藩のお殿様、佐竹曙山の絵も面白いわー。小野田直武と全く同一の構図で描いているものが並んでたんだけど、細かく見ていくと色々違いがあって、これって性格の違いなのかなあ?とか思ったり。赤い鳥の絵も可愛かった。松に唐鳥の図も木の幹の表現が面白かった。
歴史には疎いのでよくわからないんだけど、どうして秋田で蘭画が盛んだったんだろう?長崎とかだったらわかるんだけど。ということで秋田蘭画についてちょこっとお勉強。なるほど…。
ファン・ロイエンの花鳥図の模写が凄かった。油絵を模写したものと、それをさらに模写したものが並んでて、模写の模写はインパクトが減っていた。
それ以外にも、海外の書物(解剖学の本とか百科事典とか地図とか)を模写したものが色々並んでいた。
南蛮屏風も面白い。あんだけ綺麗なのが残ってるのも凄い。細かすぎて見るのが大変で、見切れなかった気がする。図録買えばよかったかなー。
1階にあった南蛮屏風のレプリカも面白かった。もともと8曲1隻だったものを池長孟さんの趣味(?)で4曲1隻に直したらしいんだけど、4曲にしたことで奥行きが出過ぎてちょっと見難かったかな?
福禄寿の絵で、修復して綺麗になったものが展示されてたんだけど、2階にその修復過程を紹介したパネル展示があって、それを見てから改めて実物を見ると、本当に綺麗に修復されたんだなーということがわかって面白かった。
今回の展示、あんまりタイトルと関係ないところで面白がってしまって本来のテーマに沿った見方を全然しなかったような…
振り返ってみると、粉本とか模写とか、こうやって絵画というのは作られていくんだよという解説が確かにあったし、もう一度そういう目線で見てみるのも面白いかもしれない。展示替えもあるらしいし、余裕があればもう一回行くか?
で、図録は買わなかったんだけど、この雑誌を買ってしまった。南蛮特集あり。展覧会で展示されてた絵が少しだけ載ってる。
B0063HDITOなごみ 2011年 12月号 [雑誌]
淡交社 2011-11-28

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ふと、少し前に買った本を思い出した。至文堂「日本の美術」シリーズの「初期洋風画」と「洋風版画」。ぱらぱらっと斜め読みしてみたけど、これはかなり面白いかも…。まさにこの展覧会が扱ってた時代と被る。40年近く前の本なのでもしかしたら内容が古くなってる部分もあるかも(新たな発見とかがあるかも?)だけど、自分にとってはまだまだ未開拓な分野なので、これを機にまじめに読んでみようか。
そして、だいぶ前に京都で見た「揺らぐ近代」という企画展を思い出してたんだけど(当時の感想)、それより遡ること100年、200年くらいの時代に、日本がどんな風に西洋を受け止めていたのか、それがとっても無邪気で楽しそうに見えて、興味深かった。この企画で取り扱っている時代は「近代」の一歩手前くらいまでなんだけど、その時代の「洋画」の捉え方は、ほとんどそのまま「近代」の初期にも当てはまっていて、美術というよりは博物学に近いのかなあ、なんてことも思ってみたりして。学問や技術のひとつとして絵画が存在したという側面もあるよね。
単純に見てて楽しい美術もあるけど、作品からその時代が見えてくるような、そういうところが美術鑑賞の楽しさだなと、自分は思う。たとえば政治や宗教、文学や音楽、天文学や医学、舞台や芸能、工業や商業、工芸や建築、服飾、その時代の風俗など、各種分野が単独で存在するのではなく、複雑に絡み合っていて、その中に絵画も存在する。その繋がりを知ることが楽しい。
そして、展示の最後には、「揺らぐ近代」にも出ていた作家、狩野芳崖の模写があった。そう、やっぱり繋がるんだよね。

おまけ。この対談が面白かった。
第1回はここ。
http://www.1101.com/hashimoto/2004-02-24.html
このページの下に目次的なのがある。
http://www.1101.com/hashimoto/index.html

2011年の締めくくりはそんな感じでございました。今年は一時期かなり出不精になってたけど、終盤で盛り返した感じ。この勢いで来年もどんどん出かけていきたいものだ。2012年はどんな出会いがあるのかな。
本当は2011年の総括的な記事でも書こうかと思ったけど時間切れ。そういえは2010年のまとめもしてなかったことに今さら気づいたりもしたけど、もう遅い?
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2011'12.24 (Sat)

ガレとドーム 四季の花

京都国立美術館に行ったついでに、えきKYOTOのガレとドーム展を見てきた。
北澤美術館所蔵コレクション展で、アールヌーヴォーのガラス系の展覧会に行くとよく見る作品が並んでるものなので、特に目玉はないけど、目の保養になる展覧会だった。ガレのひとよ茸花器がきれいだったな。ひとよ茸ランプもあったら完璧だけど、そこまで望むまい…。
四季の花というテーマで、春夏秋冬の花々をモチーフにした作品が並んでいた。それぞれの季節に良さはあるけど、やっぱり春と秋が豊かな季節って感じがしたかな。
ガラス作品は光の当て方とか見る方向とかで変わってくるから、完璧な展示方法ってないんだろうけど、さすが専門の美術館が関わってるからか、展示には工夫が凝らされていた。作品の後ろに鏡が置いてあったり、作品の台が光を反射するような素材(フロスト加工の銀色の板?みたいなの)だったり、作品によっては後ろからも見れるようになってたり。
最後のクリスマス向け商品がキレイだったなー。最後にそんな展示がされてるから、売店に行ったらクリスマス向け商品でも売りつけられるんじゃないかと穿った見方をしてしまったよ(笑)。実際はそんなことなかったんだけど、会場外の通路でオールドバカラだとかなんとかいう陶器を売りに来てるコーナーがあった。
ガレは伝記的な本も読んだし、それなりに大掛かりな展覧会も見たことがあって、かなり好きな作家なんだけど、ドームはドーム兄弟それぞれのプロフィールも良く知らないし、ガレに比べるとあっさりすっきりこぎれいな作品を作るイメージがあるくらいだったけど、ドーム家秘伝(なんか違うような…なんて書いてあったか忘れた)のガラスの花瓶はちょっとガレっぽいというか、こってりした作品で、こんなのも作るのねーと発見だった。
ガレで知ったロレーヌクロワがドーム作品にも刻まれてて、ドームにも故郷への愛着とか誇りがあったのかな、と思ったり。
ドームの作品で、マジョレルとのコラボ作品があった。タンポポをモチーフにしたランプだったんだけど、きれいだったな。
たぶん一般大衆受けがいいのはドームで、部屋に飾るのにちょうどいい具合なものが多くて、ガレは玄人受けするというか、装飾としては濃すぎる重すぎるものが多いのかな、と思う。もちろんガレも商売でやってたんだから、一般受けする作品も出してるんだけどね。
この展覧会の図録として売られていた本は、展覧会終了後に一般発売されるらしい。先行発売!として置いてあった。
4895115984ガレとドーム 四季の花
池田 まゆみ
マリア書房 2011-12-29

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2011'12.23 (Fri)

川西英コレクション展 夢二とともに

京都国立近代美術館で開催中の「川西英コレクション収蔵記念展 夢二とともに」へ行ってきた。
25日で終わっちゃうんだけど、行ったのは2週間くらい前です。相変わらず、感想を書くのが遅い。
最初はそれほど行く気がなかったんだけど、川西英には興味があるし、夢二以外の作品も出ているらしいし、夢二の中でも商業芸術系のが多いみたいなのでそっちなら好きなので、行くことにした。結構混雑してて、やっぱり夢二は人気なのねーと思ったり。
入り口付近に川西英が夢二の模写をしたものが展示されてたんだけど、元ネタも並んでると見やすかったんだけどなあ。(展示スペース的に苦しいのはわかるけど)
展示は細かいものが多すぎて、図録掲載の絵が全部並んでたのかよくわからない。作品リストもなかったし。もしかして途中で展示替えとかしてたのかな?
本の表紙とか楽譜とかは見てて楽しいから時間と気力があればじっくり眺めたかったけど、ガラスケース展示が多くて、みんなお行儀よく並んでるから、混雑してるところは人垣の後ろの方から遠巻きに眺めるだけになってしまった。
アメリカに行ってもうまくいかず、ドイツでは何故か日本画を教えたりとか、晩年の夢二は色々食い違ってる感じがする。
夢二の告別式の案内通知に友人総代として藤島武二の名前があってびっくり。隣に有島生馬の名前も。武二から見た夢二ってどういう存在だったんだろうなあ。
武二と夢二といえば、こんな夢二の文章があった(砂がき)。エッセイみたいな感じなのかな?全部は読んでないんだけど、「私が歩いて來た道――及び、その頃の仲間――」は興味深かった。夢二にとって武二は尊敬する先輩って感じだったのかなあ。
後半の夢二以外の展示が興味深かった。恩地孝四郎とか前田藤四郎とか川上澄生とか、版画って楽しいね。ちょっと意外な人の版画作品もあったりして。
展示を見ていてちょっと残念だったのは版画の技法が書かれていなかったこと。図録の巻末には書いてあったけど、絵の横には書いてないから見にくいし。レイアウトの関係でそうしたのかな?
図録は表紙違いで3種類。めんどくさいことを…(選ぶのに迷ってしまうから困る)。所蔵品目録って書いてあるから今後もずっと扱い続けるのかな。でも個人蔵とかよその美術館から借りてきたやつも載ってるし、普通に企画展の図録扱いなのかな。
ともかく、川西英って夢二ファンだったんだなーということがよくわかる展覧会でした。
コレクションギャラリーも楽しかった。企画展絡みの展示が必ずあるので、企画展に行ったらコレクション展も見なきゃ損。面白かったのは岡本神草の夢二の模写だなあ。繋がりがあるとはまったく考えたことがなかっただけに驚いた。イッテンとベルリンとか川西英、祐三郎の展示も。季節ものの展示は前に来たときにも見た記憶があるけど、これって恒例になってるの?民芸系の特集はよく見る気がするけどこれも恒例なのか。ニューヨークな写真特集も面白かった。その中の世界建築物大きさ比較が楽しかった。ピラミッドってでかいのねー。池田満寿夫の版画はなんとなく見ていて不穏な気持ちになる。
来年は高橋由一展があるらしい!チラシが置いてあった。わーい、楽しみだな。この後しばらく改修工事のため休館するらしいけど、休館明けの企画展(村山知義)もちょっと興味がある。ここの展示は面白そうなのが多いんだけど、遠いから全部行くのは大変で、逃してるのも幾つかある。今度のは行けるかなあ。
そして全然関係ないけど売店でV&Aのアールヌーヴォー展の分厚いカタログを買ってしまった。前から気になってたんだけど、つい…

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2011'12.20 (Tue)

美女たちのよそおい&金山平三

せっかく六甲アイランドまで行ったので、小磯美術館から六甲ライナーで一駅(歩いてもたかが知れてるので徒歩で移動した)のファッション美術館へ行ってきた。
今やってる企画展示は「美女たちのよそおい」。ロココからアールデコまでのファッション、メークアップ、ヘアモードの歴史、ということで、なんともきらびやかな展示でした。(展示風景 その1 その2
チラシにも使われてるマネキンは、実際に目の前で見ると凄いインパクト。あの頭、いったいどうやって固めてるんだろう。中に何か詰め物でもしてるんだろうか。1週間くらいしかもたないって書いてあったけど、一週間あれを保持し続けるのも大変だよなあ、とか。解説によると最大で首から上と下がほぼ同じ高さになることもあったらしい。風刺画にもなってたけど、誇張しなくても十分やりすぎ。レディーガガも目じゃないよ。
ロココの時代は色んなものが過剰になっていった時代という印象だなあ。髪型もそうだし、つけぼくろも流行してたそうで、つける位置によって意味があったり(詳しいことは忘れちゃったけど図解があった)今でいうタトゥシールみたいな感じで色んな形のつけぼくろをしていたり。お化粧も健康に害の有る成分が含まれてたけど(それを知ってか知らずか)使ってたとか。コルセットで体型を矯正しまくりだったり。パフスリーブも大きな詰め物をして膨らませてたり。
そういったエピソードのひとつに、マリーアントワネットが派手な髪型を続けるうちに毛髪を酷使しすぎたせいで抜け毛に悩まされて、お付きの美容師(?)が「次の流行はこれですよ」と負担の少ない髪型を勧めて結果的にそれがモードになって彼女のプライドを傷つけることなく問題を解決したとかいうのがあったらしい。
それ以降の髪型だったのかな?編み込んだりお花を飾ったりした髪型の例としてかつらみたいなのが展示されてた。ボリュームはなくなっても凝ってるのは凄く凝ってた。
ロココの後はアールヌーヴォーでナチュラル系に流れて、アールデコで機能美に流れる(かなり大雑把なくくり)ので、なんじゃこりゃーなインパクトはないけど、こうやって現代に繋がるのねーと感じられて面白い。
メイクアップについてはビデオで紹介もされてたんだけど、あんまり時間がなかったので細かくは見てない。チークの入れ方がどうの、口紅がどうのって説明してあったような…。
ファッション美術館は常日頃からドレスの展示はしてるので、ドレスそのものは特に目新しいこともなかったけど、企画のテーマと合わせてみると楽しい。さらに今回はポーラ文化研究所だのヤマザキマザック美術館だのから小物やらいろいろ借りてきてるので楽しかった。
ドレッサーとか化粧小物は見てるだけで楽しいね。香水ビンはガレやドームのも置いてあった。かわいいなあ。ファッションプレートも可愛い。美容指南書みたいなのもあったりして。
ロビーではクリスマス関連の展示も(展示風景)。世界のクリスマスグッズみたいな感じで、いろいろ並んでた。クリスマスツリーも幾つか置いてあったけど、てっぺんに天使が乗っかってるのが複数あって、国によってはそういう形なのかーと思ったり。
残り時間30分足らずのところで、お隣の神戸ゆかりの美術館にも寄ってみた。今は金山平三展をやってる。金山平三も小磯良平と同じく兵庫県美に記念室があるからそれなりに見てるんだけど、やっぱりざっと眺めて終わる傾向が…。あま鯛はかわいかったな。
常設展示コーナーもあった。ここの美術館が開設したときは微妙だなー、需要あるんだろうか、なんて思ってたけど、何度か来るうちにいいかもと思うようになってきた。ちゃんと作家名まで覚えてないけど、何人かいいなと思う人が並んでて、いわゆる美術界の最先端とか物凄いインパクトを残したような作家じゃないかもしれないけど、そういうのもありよねと思いつつある。

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2011'12.19 (Mon)

藤島武二と新制作派

六甲アイランドの小磯記念美術館で開催中の「昭和モダン 藤島武二と新制作初期会員たち」展に行ってきた。
過去に開催された似たようなコンセプトの展覧会の図録をちらっと見たことがあったので、武二の作品が出てるといっても晩年の風景画だけなんだろうなーと思いつつ(人物画の方が好き)、武二ファンとしては近場で武二の作品が見られるのなら行くべし、ということで行った。耕到天とか、武二の命名センスって独特だよね。この絵は印刷するとオレンジが強く出る気がする。
新制作派の人たちはなんとなく知ってたり、全然知らなかったり、いろいろ。猪熊弦一郎という人にはちょっと興味があるんだけど、なかなか見る機会がなくて、今回数は少ないけど見られてよかった。しかし写真を見たら童顔で意外だった。小磯良平も人のよさそうな顔だけど、画風とあまり乖離してなくて納得なんだけど、猪熊さんってもっと濃い人なのかと…。でもこういうのを読んでると(http://mimoca.org/ja/collection/intro/)意外でもないのかな?とも思えるかな。
中西利雄ってたぶん聞いたことある気がするけど、水彩画なんだ!とびっくりした。水彩画って保存の観点からみると難しい画材だと思うけど、表現としては面白いよね。キャンバスに水彩というのもあって面白かった。たぶん保存の関係でだと思うけど、中西の絵は会期中に結構な数、展示の入れ替えがあった模様。
伊勢正義もたぶん見たことある、聞いたことある名前。ラグビーの絵にデジャヴを感じたんだけど、なんだろう、何かの本で見たのか、別の似たような絵をどこかで見たのかな?不思議な雰囲気のある絵。
野田英夫はちょっとイラストちっくというか、油彩だけど描線がそう感じさせるのか、独特の雰囲気があって好き。
1930年代半ばから1950年代までの作品なので、当然のごとく戦争関係の絵も。戦争画って暗いイメージがあるんだけど、キャプションに、このご時勢に当局(?)に目をつけられると厄介だから藤島武二の紹介で従軍させてもらったとか何とか書いてあって、そういう考え方もありなのか…と思ったり。真面目に愛国的な絵を描いてる人もいたのかな?銃後の守りとかなんとかいうやつとか。
戦後は明るいといえば明るい、軽いわけじゃないけど戦時中の重さとは違う(表現力がなくてうまく言えない)印象だった。
全体的には地味な内容かもしれないけど、私としては興味のある時代やジャンルだったので、結構楽しめた。
企画展とは別に小磯良平の作品展もあった。ここにしろ、兵庫県美にしろ、毎度、小磯の絵はざっと眺めて終わりにしちゃうことが多いんだけど、別の展覧会とかで1枚2枚小磯の絵があると嬉しくなる。そういう距離感です。

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2011'12.18 (Sun)

駒井哲郎1920-1970 版にみる夢と現実 第II部

伊丹市立美術館で今日まで開催していた駒井哲郎展の第II部に行ってきた。だいぶ前に行ったのに、相変わらず遅い感想文です。
第I部を見た後に図録を読んだりネットで色々調べてみたりして、駒井の人物像を知ってから第II部を見たわけですが、通して見た感想は、すごく濃かったなあ。
個人の回顧展ってただでさえ人の一生を見るようなものなんだけど、ボリュームが膨大だったせいか、作風が多岐にわたっていたせいか、銅版画は1枚を仕上げるのにとても手間がかかるという先入観があるからか、50代半ばで癌による闘病死だという先入観があるからか、駒井の作風が駒井の心情をあらわしたものだったからか、いろいろ考えながら見てしまった。
第I部のときに疑問だった「総入れ替え」については、やっぱり完全に一作もかぶらず入れ替えるわけじゃなくて、第II部でも第I部の出品作が幾つか展示されてました。「小さな幻影」や「丸の内風景」がまた見れて嬉しかった。小さい作品が好きだ。
グアッシュとか墨とゴム印を使ったものとか、版画以外の作品も少しだけあった。
ルドンみたいに60を過ぎたら油彩もいいかな、なんて言っていたそうだけど、50代半ばで亡くなってしまったため、それもかなわず。
モノタイプ作品を見てると、それでも「版画」に拘ったのは何故なんだろうなあと思う。
銅版画の制作過程が他の技法、リトグラフとか木版画とか、油彩とか水彩とかとどう違うのか?違うことはわかるけど、制作する立場として、表現される結果として、どういうところに惹かれて人は選ぶんだろう。駒井の言葉を見聞きするに、彼は制作過程に魅力を感じていたのかな?
版画家として大成した人も最初は日本画や洋画から入ることが多いらしいんだけど、この人は最初から版画の世界に魅せられて、終始一貫、銅版画で生きた人なんだそうだ。美術学校に通ってたということで油彩も基本は勉強したみたいだけど、その前に版画修行をしていたらしい。そういうプライドもあったのかなあ。
実際、モノクロで表現することにこだわりがあって、カラー作品を発表することにはためらいもあったらしい。本心では色彩表現に対する欲求もあったんだろうけど、モノクロ表現に対してストイックなプライドみたいなの?そういうのがあったのかも知れない。
駒井の憧れの人だった長谷川潔の展覧会を何年か前に同じ伊丹市立美術館で見たけど、たぶん見やすさでいったら長谷川の方がいいんだろうなあ。マニエールノワールも綺麗だし、若いころの木版画も素敵だし、白地にすっきりした線の版画(ビュラン/エングレーヴィング)も綺麗だし。一応、銅版画家としては、長谷川の方が先輩格だけど、この人は戦前にフランスに渡って以来ずっとフランスで暮らした人だからか、駒井に感じる「昭和」の空気がない気がして、少し親近感が希薄なところがある(初期の作品は除く)。どっちがいいというわけではないけどね。駒井により泥臭さを感じるってだけの話。
比較してどうこう言う筋合いのものでもないのかもしれないけど、なんとなく感じたのが、駒井の作品はより内面的なものを描いているような気がした。
もちろん、同じようなことをしてきた先人たちはたくさんいるんだけど(長谷川だって具体的な物を描いているけど表現しているのはもっと深い精神性だったりするわけだし)、さっきも書いたような泥臭さ?それを一番身近に感じるのが駒井かなーと個人的には思う。時代が近いからなのか、同じ日本人という意識があるからなのか、ただの思い込みなのか…。
抽象的な作品ってともすれば意味不明だったりどうとでも解釈できたりするんだけど、あまり身近な感じがしないというか、ちょっと心情的に遠い感じがすることが多い。特に海外作家はそうかなあ。駒井の作品も全部が全部、身近に感じるわけじゃないけど、比較的親しみやすいかな?と思った。たぶん駒井個人だけじゃなくて、ここ何年か見てきた同時代の日本人作家の作品群とも連動して、戦後の昭和の日本の空気とか、そういうのが作用してるのかなーと思う。
時間をかけて書いた割りに全然まとまってない感想です。
しかし、この展覧会、すごくいいと思ったんだけど、お客さん少ないなあ。私が行った時間が夕方の閉館間際だからというのもあるかもだけど。
前回は図録と単行本を買って帰ったわけですが、今回は雑誌を買ってしまった。
487242252X版画芸術 151―見て・買って・作って・アートを楽しむ
阿部出版 2011-03

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