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2012'09.30 (Sun)

セレブの肖像 ケヴィン・ウエステンバーグの視線

行ったのはいつだっけ。という感じで溜め込んでる展覧会の感想をがしがし書いてます。
神戸ファッション美術館で開催中の「セレブの肖像」展に行ってきた。これは9月上旬のことでした。(もうすぐ会期末)
お目当てはロッド・スチュアートの写真♪写真展はいろいろ行ったことはあるけれど、これはオリジナルプリントとかじゃなくて、パネル展示のような感じだった。ちゃんと確かめたわけじゃないけど。
セレブっていうか、ミュージシャンがほとんどよね。比較的新しい写真が多いので、知ってる顔もあればよく知らない顔もあり。ロッドの写真はまだグレアメに走る前かなー。タキシードのロッドもいいけどね、こういう格好も素敵だなー。ちなみにポスターやチラシにも使われてた(コラージュ風にたくさんの写真が並んでる中の一枚)この写真は2000年のものらしい。(ダウンタウントレインの頃に知ってファンになったので、あの頃のイメージが一番好き。もっと若い頃の姿もあれはあれで可愛らしくてよいのではないでしょうか…)
チケット売り場で図録的な写真集も売ってたんだけど、展示されてない写真も載ってた。その写真、大きいパネルで見たかったなー。
検索してたら、「Two Rooms」のロッドの写真クレジットがケヴィンさんになってる?あのCDは持ってるんだけど、どんな写真だったかなあ?あれは1991年だから、展示されてたモノクロ写真とは違うんだよな。もう一個の青い写真はいつのなんだろ?ファンになって以降の新譜は必ず買ってるので、アルバム用の写真だったら見たことあるんだろうけど、実家に置いてあるのもあるし、CDをまとめてがさっと置いてるところに埋もれてるものもあるし、確認ができない…。
ケヴィンさんの写真は上で紹介したサイトでも見れるようなので、こんなのが展示されてましたよってことで参考までに。(ケヴィンさんの公式サイトらしきところはナビゲーションが使いづらい…)B.B.キングの後姿とかかっこよかったな。
http://www.kevinwestenberg.com/
この人はカナダ・アメリカ育ちらしいけど、写真を本格的に仕事にしたのがロンドンだったらしく、被写体もイギリス、ヨーロッパ系の人が多いような気がした。
ジェフ・ベックの写真とロッドの写真が並んでたのは狙ってやってたのかな。ストーンズの写真もあったけど遠かった。(ストーンズといっても個人的に反応するのはウッディ単体なので、遠くても割とどうでもいいんだけど。)
カート・コバーンとコートニー・ラヴが柱の裏表に配置してたのもわざとかな。(さすがにこれは意図的としか考えられないけど。)
作風は違うけど、似たような被写体の展示ってことでいうと、随分前に見たハーブ・リッツ展はよかったなあ。ケヴィンさんの活躍は90年代以降のようだけど、ハーブ・リッツは80年代の写真がいっぱいあったから。80年代に反応するのです。80年代はまるまるリアルタイムで体験してる世界ばかりでもないんだけど、後追いも含めてノスタルジア感じるには十分どっぷり浸かってたから。90年代後半からこの手の世界とは疎遠になってきてて、最近はまだ少しは触れてるけど、昔ほどじゃないから、ケヴィンさんの活動期間を考えると浸りきれないのは仕方ないのかな、と思ったり。(それだけが主眼の展覧会ではないとは思うけど。)

企画展の後は、常設展示コーナー。こちらは夏にちなんで?スイムウェア特集でした。昔の水着がいろいろ。これで水に入ったんだろうか?ってくらい布の量が多い服みたいなのとか。今っぽい水着になるのは50年くらい前かなあ?可愛い水着がいろいろあった。
水着のほかに、リゾートグッズみたいな感じで、帽子とかサングラスとかサンダルとかも展示されてた。特別な美術品とかじゃなくて、でも日用品よりはおしゃれなグッズみたいなものっていうのも面白いよなあ。

そして、ここに来るとついでに寄る、神戸ゆかりの美術館にも。今回は「輝く街、染まる街 西田眞人が描いた神戸風景」。こちらはもう終わってる。
毎度のことながら、神戸ゆかりってことだけど、よく知らない人の展示が多い。
この人は、廃屋の絵が面白かったな。ただ崩れた建物とか人気のない家屋ってだけじゃなくて、そこに花や草が生い茂ってる絵が面白かった。
一応、日本画ってことになるんだろうか?画材は日本画的なもの。でも作風は特にどっちということもなく。
ペンギンの屏風(だったかな?)かわいかったな。あと、人気のない教室みたいな絵とか。
美術教師をしながらの制作なので、なかなかまとまった時間が取れなくて、何年もかけて描いた山の絵とかもあった。
あと、日本画は書き直しが難しいので、入念に下絵で構図とか色合いを決め手から、本制作に入るとかで、その下絵も少しあった。
そういう裏話も込みで、なかなか面白い展示でした。
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2012'09.29 (Sat)

象徴派 夢幻美の使途たち

書く順番が前後してるけど、前に書いたヤマザキマザック美術館より前に、8月まで岐阜県美術館で開催していた象徴派展に行ってきた。(現在は新潟で開催中。11月から姫路で開催予定。)
この展覧会は今年の終わりごろに姫路で開催予定なので、そっちに行けばいいかなと思いつつ、盆休みの帰省ついでに寄ってみました。岐阜のみ展示の作品もあるしね。(そういう意味では、姫路のみ展示の作品もあるから、結局姫路も行くのか?)紙もの展示が多いので、前後期入れ替え数も多くて、全部見るのは無理っぽい。(展示品リスト・pdf。岐阜には展示されない作品もリストアップされてる。)
展示作品は、この企画の中心である、岐阜、姫路、新潟の各美術館の所蔵品を中心に、国内各地の美術館所蔵品を集めている。よっぽど日本人は象徴派(アールヌーヴォーとか世紀末美術も含めて)が好きなのねーと思ってしまう。
展示ボリュームはなかなかなもので、同伴者もいたので比較的さらっと見た。
なかなか見れないシャヴァンヌが見れてよかった。前期のみの作品もあったけど、姫路で見れるといいなあ。
ミレイの絵は奥さんの姉妹を描いていて、奥さんそっくりーと思ってしまった。(以前見たラファエル前派ドラマのせいだ…。あれはなるべく雰囲気の近い役者さんを選んでたんだろうけど、さらにメイクの効果もあるんだろうけど本当に似てた。)
グロテスクの系譜ってことで、ブレスダンやドレやルドンらが。ドレの木口木版はいつ見てもいい…。あの黒と白のコントラストはたまらんね。「神曲」から何枚か展示されてたんだけど細かく人がびっしり描かれててすごい。ルドンはいつものルドンで。同行者はルドンは暗くてあんまり好きじゃないっぽい。フェリシアン・ロップスとかアンソールとかもいいよね。
次に総合主義と象徴主義。ゴーギャンの木版画は刷りが違うものが並べられてたり。自刷りのぼやっとした感じもいいよね。エミール・ベルナールのスケッチ的な水彩も面白い。デヴァリエールって人の絵が、誰かに似てるなーと感じて、モローの影響がもろに出てるといえば出てるけど、今時ファンタジー系の絵にありそうな雰囲気も感じたり。あと、ルオーがいわゆるルオーの画風になる前の絵があったり。スピリアールトって人も面白かったな。ムンクの版画もいろいろあった。この人の絵を見てると影響受けてる人結構いそうだなーと思う。カンディンスキーの抽象じゃない絵もあったり。マックス・クリンガー「変身譚」の1枚は、昔どこかで見て、装飾枠がミュシャみたいだなーと思った記憶が。今見ると別にそれほどでもないんだけど。いつものことながら不思議な絵。
お次はナビ派。ドニの絵に描かれているという縦書きサインを探したけど見つからなかった。どこにあるんだろう。ボナールの版画集「パリ生活の諸相」が面白かったな。ところどころ、つい最近別のところで見たよなな絵も。(そういう展覧会ばかりに行ってるから。)リヴィエールのエッフェル塔36景とか、ブラックモンの版画もよかったな。
次は装飾芸術。ルドンの屏風があった。褪色してるからなのか、ちょっと見難かったな。ジョルジュ・ミンヌって人の彫刻は、聖女ってことで布を目深に被っている姿で、つい下から覗いてみたくなる。ガレとかドームもあった。綺麗。ここで、ガレの棚があって、側面にト音記号が象嵌で描かれていて、可愛いなあと思ったら、数日後に行ったヤマザキマザック美術館で同じようなものを見たんだよな。まったく同じものだったのかどうかまでは記憶が定かでない。ミュシャは「花」の4連作が1枚のシートに収まったものが展示されてた。サントリーポスターコレクションより。私が行ったのは後期展示だったけど、前期はジスモンダだったらしい。この解説に、ジスモンダはカルロス・シュワーベの薔薇十字美術展ポスターに影響されたのではと書いてあった。他にもアールヌーヴォー、ユーゲントシュティルなポスターがいろいろ。アーツアンドクラフツもあったよ。モリス&バーン=ジョーンズの装飾本いいなー。ド・フールの挿画が面白かった。この人、かなり面白いと思うんだけど、大々的な展覧会やらないかなー。その昔あったみたいなんだけど(図録を見かけたことがある)、その解説にもメジャーにはなりにくいようなことが書かれていたので、今後もやっぱりそういう立ち位置のままなのかな。
最後に、魂の画家たち、という表題で、ちょっと不思議な感じの絵がいろいろ。シュワーベの薔薇十字美術展のポスターは京都工芸繊維大学より。この絵が階段の踊り場の壁にかかってるの見たなー。あんなところにあんな風にかけてあっていいんかいな、と思ったっけ。絵の下のほうの指先が溶けてるところがちょっとグロいかも。ジャン・デルヴィル、クノップフ、トーロップ、レオン・フレデリックとか、好みがいっぱい。この辺は一人ひとりをもっとたくさん見たい!
てな感じで、名前を挙げるだけで感想が終わってしまうような感じだけど、好きな系統の絵がたっぷりで楽しかった。図録は当然購入。姫路での展覧会も行きたいけど、あっちは前後期でどう分けてくるのかな。公式サイトには載りそうにない気がして、いつ行こうか悩ましい。

今回のお目当ては企画展は当然のことながら、常設展にも(私的)目玉が!山本芳翠の裸婦ですよ。日本人画家史上初(たぶん)の裸婦画。
実をいうと、もしかしたら過去に見たことあるかもしれないんだけど、山本芳翠を意識し始めてからは初めて。浦島図は、ファンになる前にここで見たことがあって記憶に残ってるんだけど、そのときもしかしてこれも展示されてたのかも?という疑惑が。(薄らぼんやりとそんな記憶があるような、ないような…)
それはさておき、綺麗だなー。あくまで西洋の技法を習得しました!という結果でしかないと言えなくもないんだけど(参考にしたであろう作品の存在も確認されてたりするし)、あの時代まだまだ日本に油彩画が根付いていない時代に、海外に渡航して何年かであれだけの作品が作れちゃうんだもん。素直に凄いと思うよ。ファンの贔屓目でもあるんだろうけど。状態も良くて、たぶん大事にされてるんだろうなあと感じた。
浦島図も展示されてました。この絵、面白いよなあ。何をどうするとこうなっちゃうのか。細かいところまで色々描いてあって楽しい。
蜻蛉集も展示されてて、象徴派の展示との関連も言及されてた。山本芳翠はフランス滞在時にジュディット・ゴーティエと西園寺公望と3人で蜻蛉集を作るわけですが、そのジュディットさんはロダンといい仲だったり詩人とも交流があったり、そもそもあのゴーティエの娘だし、と、あの時代の文芸の世界ではそれなりに重要な人物。この蜻蛉集から彼の地でトンボモチーフが広まったのではという説もあるらしい。
コレクション展示は大きく分けて二つの特集「世紀末ヨーロッパの余韻」と「映るイメージ」をやってました。
前者で山本芳翠が何点かあった他、浅井忠もあったし、藤島武二もあったし、なかなかウホウホな内容でした。川崎小虎のうどんげの花にも再会できたし。
後者は数はそれほどなくて、写真作品が何点かと、絵なのか何なのかよくわからない作品が幾つか。そのうちのひとつを見ていて、同行していた母が一言、この人を知ってる、と。私が昔住んでたところのご近所さんらしい。うちからまっすぐ行って数十メートルくらい先?ってくらい近所。私とは5つくらい違うけど、たぶん交流はなかったかなあ。全然記憶にない。(街中なので通りをはさんで向こう側とかだと微妙に距離感があったりする。)親同士は交流があったみたいで、両親はその子のことも知ってるって言ってた。芸大に入るために何年も頑張ってたとかなんとか。今こんな風に活動してることまでは知らなかったらしく、凄いねー、よかったねーとかそんな感じで話題にしてました(笑)
ご近所さん(ただし過去形)がこんな風に美術館に展示されるような立場になってるというのも不思議な気分だ。ちなみに芸風というか作風は、インスタレーションが中心らしい。
http://www.shinjiohmaki.net/

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2012'09.24 (Mon)

生誕120年記念 田中恭吉展

和歌山県立近代美術館で開催中の、田中恭吉展に行ってきた。この展覧会はここでしか開催されないけど、田中恭吉に興味がある人は、何が何でも行って欲しい!行かなきゃ勿体無さ過ぎる!ってくらい充実した内容でした。
田中恭吉のことは、「月映」経由で知ってはいたけど、「月映」といえば恩地孝四郎のイメージが強くて、あまり詳しくは知らなかった。
1年位前に、駒井哲郎展を見たときか、ふと田中恭吉のことも調べてみて、もっと知りたいなと思っていたところだったから、何が何でも行かねば!ということで、早速行ってきた。
展示は、ほぼ年代順に。序盤はスケッチや、絵入り葉書がたくさん。この絵葉書がよかった。この辺、夢二の影響もあるのかなあな、かわいらしいイラストもあったり。阪神間住みとしては、西ノ宮海水浴場とか宝塚温泉場に反応したり(笑)。大阪の風景もあったし、恭吉は和歌山出身ってことだけど、阪神間にも縁があるんだろうか?(親戚が大阪にいたらしいけど。)
比較的読みやすい文字なので、つい何が書いてあるのか読んでしまったり。普通の手紙(連絡事項)なこともあるし、詩みたいなものだったりもした。
その後、恩地孝四郎と知り合ってからの書簡とか。夢二の名前もたまに出てくる。この辺でちょっと表現主義?的な、星や太陽の絵が印象的だった。
京都で夢二展を開いたときのものらしい、京都のスケッチもあったり。このときの写真をいつだったか、見たんだよな。去年見た夢二展だろうか?
油彩画も何枚かあった。印象派っぽい感じ?
回覧雑誌「密室」は、絵だけじゃなくて詩もおもしろかった。
それから、発病後の作品群が。下絵と版画が並んでるのが幾つかあった。ペン画がずらっと並んでるところで、「踊り子」という絵が、点描ならぬ○描画とでもいうのか、○を濃淡の調子を変えて描いていて面白かった。
そして「月映」登場。「月映」については、版画芸術の「月映」特集がわかりやすい。普通の雑誌かと思っていたら、最初は私輯(私家版みたいなもの?)だったらしい。公刊の方もあまり売れなかたっとか。つい、明星とか白樺と比べちゃうんだけど、関わった人たちを見てると立ち位置が全然違うよね、と思う。
4872422589版画芸術 157(2012秋)―見て・買って・作って・アートを楽しむ 特集:大正時代の版画誌『月映』の青春
阿部出版 2012-09

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最後に、最晩年の作品群が。タイトルのセンスが凄いよなー。この辺になってくると作品から漂ってくる凄みがすごすぎて、何も言えなくなる。薬包紙画稿とか、恩地宛の最後の書簡とか、生々しすぎる。
以前、青木繁の遺書的な手紙を見たときも感じたけど、死を予感しながら書いた手紙を読むのって、その人の存在をことさら強く感じる。
恭吉の死後、萩原朔太郎と恩地孝四郎が、遺作を用いて「月に吠える」を完成させるわけですが、これにまつわる萩原の手紙もぐっとくるね。その文章でだったか、恭吉をビアズリーにたとえてるところがあって、年代的にも10数年とかの違いだし、そういう見かたもあるのかーと感じた。
「月に吠える」といえばこの本も読まなくちゃなあ。
4000224824画文共鳴―『みだれ髪』から『月に吠える』へ
木股 知史
岩波書店 2008-01-16

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恭吉の遺品の中にムンク画集があった。ときどきムンクっぽいなと思う部分があったから、なるほどね。
この展覧会は、和歌山県立近代美術館のみでの開催で、所蔵品を中心に少しの個人蔵を足した内容で約300点とボリュームたっぷりの展示だけど、図録がないのが残念。その代わりというわけでもないけど、関連書籍としてこんな本が出ている。
4947666609田中恭吉 ひそめるもの
和歌山県立近代美術館
玲風書房 2012-09

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出品作の半分も載ってないかな?でも、文章はたっぷりなので読み応えはありそう。少し読んだだけだけど、田中恭吉や「月映」周辺の再評価というのは、案外新しい話なんだなということがわかった。

コレクション展は、田中恭吉と、次回企画展の川口軌外に関連する作品を集めていた。最初のほうは恭吉の時代。こうやって見ると、あの人と同世代なのか、とか、その前の世代がこの辺の人たちなのね、とか、立体的な見方ができるのがいいね。中村不折の「白頭翁」は妙な絵だったなあ。「月映」周辺人物もあってよかった。この辺の作品は恩地孝四郎寄贈なのか…。
佐伯祐三がたくさんあった。この辺からは川口軌外って人との関連だっけな?ヴラマンクとかあの辺のフォーヴ系が幾つか。高井貞二って人がちょっと面白そうだったな。その後に出てきた人たちは、京都とか大阪のコレクションにもあったよなあな名前が多かった気がする。下村良之助とか、三上誠とか、具体方面の人とか。
最後のほうは、恭吉や軌外とは関係なさそうな、現代寄りの人の作品も。
コレクション・ミニ企画として、「幻想の美術」もやってました。ドラクロワやファンタン・ラトゥール、ルドンやムンクなど、好物がいっぱい。ルドンはいつもより明るく感じた。なんでだろう。モチーフのせい?日本の幻想もあるよってことで、さっき出てきた川口軌外も少々。谷中安規もあるし、駒井哲郎もあるし、浜田知明もあるし、楽しいわー。瑛久とか難波田史男とかはあんまり関西では見ないかな?版画たのしい。
てな感じで、和歌山近美は版画に力を入れてるんだろうか?(日本の美術館はそういうところ多いけど。)コレクション展もとっても楽しめました。

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2012'09.15 (Sat)

エマイユの煌き@ヤマザキマザック美術館

最近、いろんな展覧会でヤマザキマザック美術館の所蔵品をみかけるので気になっていた。兵庫県美のピサロ展にもあったし、岐阜の象徴派展にもあったし。神戸ファッション美術館でも見たような…。そんなこんなで前から一度行ってみたかった、ヤマザキマザック美術館に行ってきた。(8月半ばごろ)
そのとき開催していたのは「エマイユの煌き アールヌーヴォーの華」展
チラシが宝石系なので、そういうのがメインかと思ったら、会場の前半は七宝がメインだった。七宝と一緒にガレやドームのガラスが展示されてたけど、解説が七宝中心だったせいか、ガラス作品の印象が弱かった。ともかく七宝すげー。京都の2人のナミカワが凄かった。帝室技芸員ですよ。他にも色んな作家が紹介されていて、技法も紹介されていて、七宝って凄いなーと思いながら見てた。凄すぎて庶民には手が届かない高価なものだったため、あまり日本に残っていなかったとか。
展示の順序の記憶が曖昧だけど、後半にガラス作品の独立展示もあった。ガレの作品で、かえるのペン皿がかわいかった。ガレの最晩年の作品、蜻蛉文脚付杯が綺麗だったなあ。
七宝は工房制作もので、名前が残っているのはプロデューサー的立場にあった人だけ。腕の立つ職人たちとの共同作業だけど、全体を統括する力量あってのこと。それはガレやラリックの仕事と同じ。という共通点がなかなか面白かった。
有線七宝のことをクロワゾネというらしいけど、クロワニズムといえばゴーギャン、輪郭線といえば浮世絵、西洋的に遡ると語源はステンドグラスの仕切り、という関連が、いろいろと想像を膨らませてくれる。
展示の後半がきらびやかなジュエリー。チラシの作品はサーペンティナに出てたやつらしい。(サーペンティナについては過去日記参照のこと。)
この写真だけを見て、ブローチか何かかと思ってたら、ティアラだった。でかっ!アクアマリンをくわえてるんだけど、これがまた大きくてですねえ。作家はフーケ。フーケといえばミュシャ!ということで、解説にもちらっとミュシャの名前が出てました。ここにミュシャ館の蛇ブレスもあったら素敵だったんだけどなー。それは贅沢か…。
今回の展覧会はアルビオンアートも協力してるみたい。ティアラとアルビオンアートといえば、数年前に京都で見たティアラ展。もしかしてあのときこのティアラもあったのかな?図録は買わなかったし記憶も曖昧なのでよくわからない。
エマイユで植物や昆虫を表現しているものが多いのは、時代性なんだろうね。でもどうせならエマイユ中心、せめて使ってる石が半輝石メインだったら、もっとエマイユに集中できたのに、ダイヤモンドきらきら!みたいなのが多くて、ちょっと勿体無かった。コンクパール鈴なりの作品とかもあったり。石好きだから、つい石を見ちゃう…。
その後、現代作家の作品の展示も。エマイユジュエリーを蘇らせた人らしい。これも綺麗だったけど、やっぱり石に意識が行っちゃうんだよなー。この展示の中で面白かったのは、色金。金銀プラチナみたいな貴金属とは異なる、四分一とか赤銅といった合金。あと、ガラスの粉を固める技法とか、そういう豆知識が得られたのもよかった。
七宝に限った話じゃないけど、ジャポニズムというと一方的に日本の芸術が海外を唸らせた!みたいな話にまとめられてることが多いけど、実際は海外の技術が日本に影響を与えたり、日本の技術が海外に影響を与えたり、という流れは、一方的なものではなくて、お互いに影響を与え合ってるんだよね。それも1対1の関係じゃなくて間に別の国(中国だったり他の国も?)が入っていたり、時代も遡ってある時代に西から東へ何かが伝わって、また別の時代には東から西へ、またはほぼ同時代に双方向に伝わっていたり。型紙展もそうだけど、そういう影響の与え合いを知るのが面白い。

てな感じで企画展示はほどよいボリュームで楽しめた。その後は常設展示室が続く。企画展示で十分満足だったので軽い気持ちで残りを眺めようと思ったんだけど、ところがどっこい、常設展示室がものすごいボリュームだった。
ちょうどその時間にアンティークオルゴール(ディスクオルゴール)の実演もあって、説明の人がいろいろオルゴール豆知識を披露してくれて楽しかった。オルゴールミュージアムといえば関西でも六甲とか嵐山とかにあるけど、あの手のオルゴールで今でもきちんと動くものは、世界中で日本に一番たくさん残っているんだとか。といっても、ディスクオルゴールが生産されていた時期は短く(1890~1910の間)、日本では戦争の時期(何戦争だっけ…歴史に疎い)で、ディスクオルゴールみたいな贅沢品はそれほど入ってこなかったとか。だから今日本にあるのは戦後に蒐集されたものらしい。そして戦後の復興のため、輸出産業としてオルゴール生産に乗り出して、現在見られる小型のお手軽シリンダーオルゴールを普及させたのは日本だったとか。宝石箱のふたを開けると音が鳴るしかけは日本企業が特許を取ってたとか、色々豆知識をお話してくれました。ディスクオルゴールは人が集まる場所で演奏されていたということで、ディスク化されたのは100年前のヒット曲なわけで、そう思って聴くとなかなか面白かった。
オルゴールも置いてある常設展示室は、アールヌーヴォーな家具がいっぱい!部屋のところどころには100年位前の絵画も飾ってあったり。誰だったかがデザインした部屋をまるごと再現してるところも面白かったな。
ここにあった家具で、先日岐阜で見た家具と似たデザインのものを発見。机か棚か忘れたけど、側面にト音記号が描かれているもの。たぶんどっちもガレ作品だったから、おそろいデザインなのかも?
美術館は2フロアあって、1フロアがそんな感じ。2フロア目がロココから近代までの絵画や彫刻の展示になってた。常設展示がそんなに分量があると思ってなかったので、この時点でかなり満腹気味。
ロココの知識はあまりないんだけど、たまに行くファッション美術館で見てたものと関連があったりしたので、楽しめた。それから、ヴァトーがあった!ヴァトーといえば、モンティセリ経由で知って、サロメやら何やらの関連で興味があったので、見れて感激。
このフロアの展示も充実してたけど、この辺でそろそろ力尽きてきたので、感想はさらっと。普段は近現代を中心に見てるから、それより少し古い時代のものは新鮮だった。時代の流れに沿った展示なので、繋がってるんだなーということもわかるし。この美術館はチケットを買うと音声ガイドが無料なので、貧乏性の私はしっかり借りて聞きながら見て回ってたので相当時間がかかってしまった。会場内には親切にコレクションカタログも置いてあるし、その気になれば1日中いても楽しめそうな…。
企画展の図録はなかったけど、200円でお手軽なブックレットがあったので、それを購入。展示内容がコンパクトにまとまっててよくできてます。
ついでに同様のロココなブックレットも購入。こちらは、以前ファッション美術館で見た内容と被ってて、ほくろの意味とか扇の意味とか知りたかったことがまとまってたので。

今回の展示の中心になっていた安藤七宝店が栄にあるらしいんだけど、場所がはっきりしなくて行けなくて残念。どっちみちその日は時間がなかったので無理だったろうけど。コレクションを展示してるらしいからいつか見てみたいな。
後日、京都へ行った時に、地下鉄東山駅で壁に並河靖之七宝記念館の看板を発見。こんなよく行くところの近所にあったとは。残念ながらそのときは休館中だったけど。
京都といえばもうひとつ、今回の展示にもあった、清水三年坂美術館も一度行ってみたいと思いながら行けてない場所。京都自体はよく行くのに…。

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2012'09.02 (Sun)

KATAGAMI Style 世界が恋した日本のデザイン

京都国立近代美術館で開催していたKATAGAMI Style展に行ってきた。
会期の前半に1回行って、会期末にも行った。面白かったんだけど感想を書くのに苦労してすっかり遅くなってしまった。他にも書かなきゃいけない展覧会の感想がたくさんあるのに!
京都展は終わったけど今は三重県でやってます。津まで行けばまだ見れるよ!
ミュシャも展示されてたけど、それが目当てというわけでもなく、ジャポニズム研究(?)のために見に行ったわけですが、どこまで真に受けていいのか悩ましい展示でした。もともとその文化圏に存在したデザインの知識があれば、それに対してどれだけ変化を与えたのかが実感できるんだろうけど、そこがはっきりしないからなあ。
それはさておき、展示されていたものはそれなりに楽しめた。
最初は日本の状況説明など。型紙がずらっと並べられつつ、生地見本とか、型染めらしき着物を着た人を描いた浮世絵とか、江戸時代や明治時代の着物なんかも展示されてた。
型紙の展示も面白かったけど、ちょっと見難かったかなあ。額装されてるけど、台紙?から微妙に浮いてて、照明で影ができてはっきりと模様が見えなかったり。型紙を傷めずに展示しようと思ったらしょうがないのかなあと思いつつも、この型紙を使ったらどんな柄になるのかってイメージがもう少し見えるとよかったのにな。型紙そのものも確かに綺麗なんだけど、型染めされた布ももっと展示されてるとよかったのに。図録である程度は補完できるけど、やっぱり実物のスケール感とか繊細さは出てない。
ともかく浮世絵はかわいかった。
そのあとは、英語圏、仏語圏、独語圏への影響、現代まで続く影響、という構成だった。なんでそういう順番なんだろう。時系列でいくとそうなるのか、影響の度合いなのか。分類方法がなぜ「言語圏」だったのかも謎。英語圏といってもイギリスとアメリカじゃ文化はだいぶ違うんじゃないんだろうか?それとも当時はまだイギリスの影響が強かったんだろうか。まあ、細かく語りだすと、同じ国でも地域による差異はあるだろうし、ヨーロッパは色々複雑だし、単純に国境で割り切れるものでもないのかも。図録の巻末にはもう少し細かく地域(国)を分けた解説があるようなので、これを読めばすっきりするかな?
日本編が終わった後、最初にどーんと出てくるのはビングの「芸術の日本」。だったらフランスが最初じゃないのかと思うんだけど、一応この本は英仏独の3ヶ国語で出版されてたから、フランスが一番ってわけでもないのか。順番で行くと最も古い海外の型紙コレクションはオランダだって話もあるしな。
資料として展示されていた、型紙を紹介した書籍、雑誌、カタログ的なものが面白かった。じっくり読みたかったけど、あんまり張り付いてても他の人の迷惑だろうし…と自制しつつもある程度時間をかけて読んでた。図録に載ってない部分もあるのが残念。リバティの広告とか面白かったのに。
音声ガイドで、日本ではぱっと見が無地のようで、近づいてみると細かい模様になってるようなのが好まれたのに、海外では大ぶりのデザインが好まれたという説明があった。確かに型紙を参考に生まれたであろうデザインって結構豪快だったりするんだよね。日本の場合、たしか江戸時代に贅沢禁止令みたいなのが出たりして、いかにも派手な格好がしにくくなって、お上の目を逃れるために色々と工夫を凝らしてたみたいな話を聞いたことがあるから、そういう理由もあるのかな?と思うけど。(かなり適当な記憶で書いてる)
ポスターは、ブラッドレーのチャップブックがかわいかった。
ミュシャの絵は、数は多かったけど説明が少なくて、その場ではいまひとつ型紙の影響がぴんとこなかった。直接参照したであろう図案が並べてなかったし、というか、たぶんそういう流用の仕方はしてないよね。たぶんこの辺がそうだと言いたいんだろうな、と意図を汲んであげることは可能だけど。
アドルフ・クレスパンのミツバチコーヒーのポスターがかわいかった。これ、1893年なんだよねえ。ミュシャがジスモンダでブレイクするより前。こういうのを見ると、ポスター画家ミュシャが生まれた背景を誰か解明して欲しいと思ってしまう。(この後、岐阜で見た象徴派展で、薔薇十字のポスター(カルロス・シュワーベ 1892)がミュシャに影響を与えたのでは?という記述を見た。)クレスパンのポスターはもうひとつあって、それもかわいかった。
よくミュシャに間違われるリヴモンのアブサンのポスターも見た。これ、実物を見たことあったかなあ。
ドイツ語圏のポスターは、あまり見たこと内容なのが色々あって面白かったな。ベーレンスの接吻おもしろい。オーストリアに行くとまた雰囲気が違って、グラフという人の皇帝なんちゃらパレードの色使いが派手だった。
ポスターは元サントリーミュージアム天保山のコレクションが幾つか出てた。今は大阪市立近代美術館建設準備室寄託(長い)となってるんだよね…。有効に活用されていると思っていいのだろうか。
元が型紙なのでテキスタイルデザインとして参考にされた事例が多いんだけど、織物で模様を出すより型紙で染めちゃったほうが簡単だから、という理由(だけでもないかもだけど)だったはずなのに、その模様を刺繍や織物で出してるものが結構あって、なんとも不思議な気分に。
フォルテュニー(フォルチュニィ)があったのにびっくり。こんなところで見るとは…。神戸ファッション美術館の常連的にはよく知った名前。
平面ものだけでなく、立体ものにも影響を…ってところで、壷とか食器とかインテリアもいろいろ。ガレとかドームとかラリックとか、おなじみの名前がちらほら。オルセー美術館から来てたさくらんぼの小物入れは、以前東京で見たっけなあ。その昔にも日本に来たことがあるらしいし(過去記事参照)、この手の展示要請があったときの出張要員なのかしら?なんて思っちゃうよ。
壁付水盤というのがあって、要は水道の蛇口回りの装飾みたいなもん?で、鯉が泳ぐ定番デザインなんだけど、鋭い歯がしっかり生えていて、なんでそんなことに…と苦笑。リアリズムなのか?あれは鯉じゃないのだろうか。(魚の見分けつかないけど、なんとなく違う気もする)
当時、型紙がどう受容されていたかという点で、ものすごく直接的な資料として、そのまま壁に飾ってたという写真が興味深い。
振り返ってみて感じたのは、結局、型紙を技法として大いに取り入れたのはイギリス(リバティ社)だけなのかなあ。現代編を見ても、リバティプリント以外は、絨毯だったり、ファブリック以外へのデザイン展開だったり、型染めとは関係なさそうな方面だった気がする。このコーナーにはペーパーブランクスのノートも出ていてちょっとびっくり。ペーパーブランクスといえばミュシャの装飾資料集柄のノート出してるところだよ。

その後、コレクション展も見た。当然のごとく、企画展関連の展示もあったよ。これがあるから見逃せない。着物が幾つか展示されてた。絵画?作品はよくわからなかったけど。
あとは、千種掃雲の特集が面白かったな。猫かわいい。夏の絵特集もよかった。長谷川潔も木版画や肉筆画、道具類まで展示されてて面白かった。近代洋画では渡仏作品特集で、浅井忠が見れて嬉しい。他にも浅井忠がらみで覚えた名前がちらほら。

そして売店ではこんな本を購入。ちょうど至文堂の「日本の美術」シリーズで浅井忠の本を読んでるところだったので、補足資料として。でも、京都時代だけじゃなくてもっと前の時代の詳しい話も読みたいなあ。いい本ないだろうか?
4763803050水仙の影 浅井忠と京都洋画壇 (日本図書館協会選定図書)
前川 公秀
京都新聞出版センター 1992-12

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4763803956京都近代美術の継承 浅井忠からいざよいの人々へ
前川 公秀
京都新聞出版センター 1996-05

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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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