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2014'02.02 (Sun)

石垣栄太郎と香山小鳥

2013年10月中旬に和歌山県美でやっていた石垣栄太郎展およびコレクション展を見てきた。

石垣栄太郎はなんとなく見覚えはあるけど、はっきり名前と作品が一致するところまでいってなかった。
京都国立近美の馬の絵(「鞭打つ」)を見て、あの絵の人か!と思った。未来派っぽい絵。
東京の国立近美にも何枚かあるらしい。
(↑どちらも和歌山には来てなかった。京都のは写真パネルが展示されていた。)
この人はアメリカで活動してた人で、思想を持った人だっただけに、時局に翻弄された人だったんだなあ、というのが感想。
和歌山からアメリカへ渡った人は多いんだろうか?この美術館では和歌山出身者を集めてるから目立つけど、他の地方はどうだったんだろう?
石垣栄太郎の場合、父親が先にアメリカへ出稼ぎに行っていて、誘われて渡米したのがはじまり。
最初はサンフランシスコにいて、色々あってニューヨークへ。その色々ってのがまあ、ほんとに色々な感じ。不倫の末の駆け落ちみたいな。10歳くらい年上なんだっけ?その相手とは結局別れちゃって結婚したのが若い子ってのがなあ…。その奥さんの尽力で現在地元に記念館があるわけだから、悪いことばかりではないんだろうけど。(私は知らなかったんだけど、石垣綾子って結構有名らしい?)
その年上の彼女は芸術家だったらしく、その人が制作した彫刻も展示されていた。ちょっとロダンっぽいような、象徴主義的な作風、らしい。
石垣の作風が未来派っぽいように、ご本人の思想的にも社会主義(共産主義?イマイチ差がわかってない)に心酔して労働者目線の絵画なんかを描いたりしてたようで。力強い壁画もあったり、社会問題を取り上げたような題材もあったり。社会風刺的な絵もあった。といってもそんなにどぎつくなくてユーモアがあってちょっと楽しい感じの。
もちろん深刻な絵もあって、KKKとか怖いわー。
で、まあ、社会主義もスターリンだっけ?のやり口とかが問題になってくると、社会主義に疑念を抱くようになって、制作活動にも翳りが見えたり、政情の関係で壁画作成中にプロジェクトから外されたり、第二次世界大戦のあおりで思うように制作できなくなったり、戦後もその流れは止まらず、赤狩りで国外追放のような形で帰国したり、と、なかなかに大変な人生。
戦後はあまり目立った作品制作もなく、比較的若いうちに亡くなってしまったそうな。
館内にあった図録を少し眺めてきたんだけど、資料をまとめようという意思を感じられるよい図録になっていた。
そこで興味深かったのが、アメリカから帰国する際、ゆっくり荷物をまとめる時間もなく急がされたせいで、絵を枠から外すのにもナイフで切り取ってたとか、持ち帰れた作品にも限りがあったとか、そんなこんなで帰国後に過去の作品に手を入れていた可能性があるとか、再制作していたかもしれないとか、まだ不明確な部分も多いようで。
全貌はともかく一部の作品はある程度知られてる作家だと思うのに、研究はまだまだなんだなあ。たぶんそういう人は多いんだろうなあ。
背景はさておき、展示されてた作品の中では鉛筆で描かれた絵が面白かったな。

そして今回の一番の目的、香山小鳥特集へ!
と、その前に、まずは「コレクション展、秋」を。
前回も見たような?という作品もあったけど、ここのコレクションは楽しい。ここ1年とちょっとくらいの間に4回来てるのかな?毎度楽しんでるけど、これを何年も続けたらどうなるかはなんとも…。(なんてことを考えてしまったのは、最近ここの来館者数の少なさが話題になってたから。)
郷土の作家はもちろんのこと、アメリカの現代美術も結構面白いんだけどね。こないだ関西コレクションズで見た作品と再会したり。脚線美が素敵なあれとか。Remember Meとか。
田中恭吉の油彩画も見れたし、満足。
で、「香山小鳥 ゆめのかげ」展ですよ。
田中恭吉、恩地孝四郎、藤森静雄との関係、もちろんそこには夢二の影もあって、伊上凡骨も出てくるし、あの時代の重要人物だーと思いつつ、鑑賞。
あの人たちの書簡(絵葉書)を読んでると、微笑ましいよね。夢さまとか呼んじゃったりして。
北原白秋に影響を受けて、出たばかりの本の装丁を真似したっぽい絵を葉書に描いて送ってたり。
香山小鳥は田中恭吉よりもさらに短命で、残した作品もごく少数。だから今回の展示も周辺人物の文章だったり葉書だったりの関連資料が多めで、本人の作品も試作のようなものとか、さらっと描いたスケッチ的なものだったり。だからなかなか作品で評価というのは難しいんだけど、その周辺人物たちの香山小鳥に注ぐ情熱というか、気持ちというか、それが凄く響く展示だった。
作品が後世に残るのは、遺したいと想う人の気持ちが大きいんだよなあと、しみじみ。それはこの美術館の展示内容にも現れているなと。
最後の方は、これまで小鳥作と言われていたけれど、実は違うんじゃないかという疑義が生じた作品なども。
そして、出口にミニ冊子が置いてあった。コレクション展に図録は難しいのはわかってるから小冊子でも嬉しい。
しみじみしつつも、恭吉は小鳥さんに紹介された女の子に一目ぼれしたけどすぐふられちゃったり(既に婚約者がいたとかそんな理由で)、実は小悪魔なんじゃないかと誰かが言ってたなあみたいな話も思い出したりしてた。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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