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2006'07.13 (Thu)

ウィリアム・モリスのジレンマ

先日デパートの催事場でアンティークジュエリーを見る機会がありました。ジュエリー/アクセサリーバザールのチラシが見えたのでなんとなく覗いてみたらアンティークジュエリーが目に入って、お店のおにいさんの話が面白くてつい長話してしまいました。
私はアールヌーヴォーという総合芸術の一部としてアンティークジュエリーにも多少は興味があるけど、ちょっと齧った程度の知識しかありません。ラリックとかフーケとか美術展で展示されたり本に載ったりする有名作品などを見て、どこに着けてくんだろう?という実用性に乏しいイメージを持っていましたが、アンティークといっても時代によってスタイルは様々なようで、普通に使えそうなのも多かったです。手に取ってルーペまで使ってじっくり見せてもらえました。
さすがに何千万もするような高額商品は置いてなかったと思うけど、数万円から100万超えまでいろいろでした。アンティークは素材よりも細工の良さが売りのようで、付いてる石のカットは粗めでも、細工の繊細さが現代のジュエリーとは比べ物になりませんね(ただ細かいだけじゃない身に着けるときのことを考えたさまざまな工夫があるらしい)。古いカットもそれなりの良さがあるし。
なんて聞いた話をそのまま語ってますが、実際のところ現代ジュエリーに精通してるわけじゃないのでどこかに凄い職人さんがいて凄い細工をしてる可能性は無きにしも非ず。とりあえず知ってる範囲で考えたら確かに相当細かい仕事でした。ミル打ちの細かさとか手仕事の精巧さとか、ガラス越しに陳列されてるのを見るだけではわからない部分まで見せてもらって楽しかったです。
時代背景とか社会情勢とか技術発展などの影響を受けてジュエリーも変化していっているという話も面白かった。こういう時代だったからこういうことができたとか、こういう技術があったからこういうデザインができたとか、歴史上の事実との関係とか、そういうことを知るのも楽しいんですよーと嬉しそうに語るおにいさん。私もミュシャから発展して19世紀末のパリだのグラフィックデザインの歴史だの調べて楽しんでるクチなので、わかるわかるーと大きく頷いてました。
そうやってアンティークジュエリーを見ていて、ちょうど見てきたばかりのウィリアム・モリスのことを思った。
アールヌーヴォーってなんなんだろう?と思って調べるとよく出てくるのがアーツアンドクラフツという運動。キーワードはこんな感じ。
大量生産の粗悪品への反発
手仕事への回帰
職人としてやりがいを持って仕事ができる
労働者階級にも芸術を
良質で安価なものを
でも、実際には良質を求めれば高価になるし、安価を求めると質は犠牲にせざるを得ない。特に手仕事となると人件費もかかるし、素材に拘れば原価も上がる。生活するのに手一杯な人は日用品には必要最低限の機能があればいいと思うだろうし、生活の中で芸術を楽しめる人ってのは結局ある程度金銭的にも精神的にも余裕がある人になってしまう。消費者側の意識としてはこんな感じか。
モリスは職人側の立場でも、機械的に作業をこなすのではなく自分の技術を発揮できる喜びとかやりがいを感じられる環境を目指していたようです。これも結局、自分の技術にお金を出してくれる人がいてこそ腕を振るうことができるのであって、タダ働きでいいってわけにはいかないんですよね。つまり、人が働いてその対価を得る、という考え方が前提にある限り、手仕事で上質なものを作るという工程にはそれだけの対価が必要とうことで、出来上がったものが高価になるのは避けようがない。
昔は王様や貴族などお金なら幾らでもある人がいて、権力を誇示するためにとにかく凄いものを必要としていて、そのために職人を雇い入れて時間とお金をつぎ込んで手の込んだものを作らせていたわけで、採算とか効率ってのは今に比べれば全然重視されてなかったんですよね。そういう時代だったからこそ最高の職人による最高の芸術(工芸)品ができたのかなあと思ったり。
王様や貴族の時代が終わっても裕福な人が職人に頼んで凝ったものを作らせるという傾向は続いていたようですが、モリスの対象は金持ちじゃないし、モリスが求めた品質と労働者階級が払える対価がつりあっていなかったわけで、そんなジレンマからモリスは社会主義に傾倒していくそうなんですが、果たして貧富の差のない社会でモリスの理想が実現できたのかどうか。モリスの思想が資本主義になじまないのは理解できるんですが。
今まではそういうことを話には聞いていたけれどもあまり実感が伴っていませんでした。それがアンティークジュエリーを間近に見て話を聞いたことでリアリティが増したような気がします。これだけの細かい仕事をするにはそりゃあ時間もかかるだろうし、安くて質のいいものをといっても限界があるよなと。
以上、上っ面の知識で書いてるので間違ったこと言ってる可能性大ですが、思ったことを適当に書き散らかしてみました。

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