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2007'01.05 (Fri)

肖像画展に行ってきた

お正月休みに帰省ついでに名古屋ボストン美術館で開催中の「ヨーロッパ肖像画とまなざし」を見に行ってきました。
展示数は70点弱と少ないんですが、なかなか面白い展覧会でした。
16世紀から20世紀まで、約500年の肖像画の変遷を見ることができます。何故16世紀からかというと、それ以前はキリスト教世界ではあまり個人を対象にした絵画を描く風習がなかったとかなんとか。図録買わなかったのでうろ覚えで書いてますが、16世紀頃に個人主義の台頭だかなんだかで肖像画を描くという風潮が出てきて、19世紀にかけて盛んに制作されたとか。19世紀後半あたりからは写真技術の普及で純粋な肖像画は描かれなくなって今に至るとか。
今回はミュシャが1点展示されているということがミュシャ中毒的ポイントだったんですが、いやいや、サラ・ベルナール作の彫刻がよかったです。
作品タイトルは「幻想的なインク壷(スフィンクスの自画像)」となっていました。ホントにインク壷として使ってたんだろうか。頭部にあった穴はペンを挿すための穴なんだろうか。ぐるぐる前から後ろから横から眺めてしまいました。
頭はサラベルナールで、体はグリフォン?左右の肩の部分に喜劇と悲劇の仮面があって、解説には彼女自身が自分のことをどう見ているかをあらわすために作ったとか、同じ頃に上演されていた演劇だか本だかに合わせて作ったんじゃないかとか、そんなようなことが書いてあったような気がする。
サラは「聖なる怪物」と呼ばれていたそうで、半人半獣の造形はそう呼ばれている自負もあってのことなのかなと思ったり。
ミュシャ作の椿姫ポスターの横に、サラベルナールの彫刻が置いてあって。清楚な椿姫とスフィンクスなサラの対比が面白いなと思った。
これのために図録を買うか悩んだけど、図録では一方向からの写真しかなくて物足りなかったので購入は見送り。その分しっかり目に焼き付けてきました。
あとはお気に入りのカリエールとかドーミエを見つけて喜んでました。
鑑賞後は図書室で一休み。週刊美術館のバックナンバーがあったので、ルドン・ルソー、ピカソ、ロートレック・ボナールの3冊を読んできました。これが結構面白かった。私の興味って19世紀が中心にあって、20世紀に入るとだんだんついていけなくなるので、ピカソもどう見たらいいのかよくわからない存在で、今回も1枚展示されてたけどさっぱり理解できず。キュビズムの様式で書かれた肖像画らしいけど全然見えない…。普段絵を見るときにそんなに難しいことは考えてないし、理解できないものはしょうがないと思うけど、楽しめるものが増えるのは悪いことではないので、そのうち理解できるようになるといいなーと思いつつその本を読んでみたわけですが、相変わらず凄さはわかんない。でも図書室を出て、もう一度サラの彫刻を見に行こうと展示室に戻ってピカソの絵の前を通り過ぎるときにチラッと横目で見た瞬間、あ!見えた!全然意味不明だった絵が肖像画っぽく見えたんです。キュビズムでピカソがやりたかったことが鑑賞者にとって意味があることなのかはいまだによくわかんないけど、わけわかんない絵がそれらしく見えただけでもいいかなーと思った。
でもやっぱり20世紀の絵ってよくわかんないわ。なんかこう、少なくとも人を楽しませたり感動させる芸術ではないなと。人のための芸術じゃなくて、芸術家自身のための芸術になってるものが多いよね。そういうものが芸術とされる傾向があるというか。大衆に支持されることを低俗とみなす傾向があるというか。そういう傾向は別に最近の話じゃなくて、肖像画というものも歴史画や宗教画に比べると低俗とみなされていたらしいですが。

他にも名古屋ではルソーの展覧会とかエルミタージュとかやってるんだけど、私が東海地方にいる間は休館で、残念ながら行けず。
エルミタージュは関西にも来るけど、ルソーは来ないのかなあ。噂ではルソー率は低いらしいのでわざわざ名古屋まで出かけて行ってまで見たいほどでもないです。
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