2008'05.25 (Sun)
ガレとジャポニズム展
サントリーミュージアム天保山で開催中のガレとジャポニズム展を見に行った。
今日(5/25)は高階秀爾氏の講演会「海を渡った日本の蜻蛉」があったので、それを目的にいそいそとお出かけ。
自分にとっては得意分野なので知ってる話が多かったけど、面白いなと思ったのは日本と西洋の違い。日本がはかなさとか死と再生、移り変わりといったことに美学を感じているのに対して、西洋は「永遠の美学」であるということ。日本に関してはよく聞くんだけどそれに対して西洋は?っていうのをあんまり考えたことがなくて、なるほどねーと。あと、こうもりの話題が出たときに、西洋では不吉だったり悪いイメージしかないけど日本ではそうでもない、これは日本というより中国の考え方なんだけど…という前置きで「蝙蝠」という漢字から「蝠」=「福」となってこうもりは縁起のいい生き物だと説明があった。鹿は「禄」と音が同じだからやっぱり縁起がいいとか。これはこの先自分で勉強したいなと思ってることなんだけど、中国から日本への影響と、日本と中国との違いってのを知りたいな。それから、大好きな山本芳翠の話題が出てきたのが嬉しかった(ジュディット・ゴーティエと西園寺公望との共著「蜻蛉集」について)。
ミーハーな私は終了後にサインを貰いに行ってしまいました。

高階氏の著書を何冊か読んだことがあって、それで自分の美術に対する考え方が変わったりしたこともあって尊敬してるんです。もっときれいな本もあったんだけど、今日のテーマがガレだしなーということで世紀末な本を持って行ってみました(紀伊国屋新書刊「世紀末芸術」:1963年初版、私が持ってるのは72年版)。高階氏には、これまた古い本を…と言われちゃいましたが。再版の話もあるとおっしゃってましたがどうなるんでしょうか。高階氏は昔から活躍してる方なのでお年を召しているはずなんだけど若々しくてダンディな方でした(黒のシャツに赤いネクタイという素敵ないでたち)。1時間半の講演中もずっと立ちっぱなしだったし。
さてさて、楽しいお話の後は展示を見に行くことに。ガレ展は今までにも何度か見に行ってるんだけど、そのときどきで展示側の意図だったり自分の見るポイントだったりが違ってくるので飽きないです。
さすがサントリーの得意分野なのか見せ方が上手。ちゃーんとぐるっと360度回り込んで見れるようになってるし、照明もいい具合。今までガレの透明ガラスにエナメルとかエッチングで絵を描いた作品はそんなに気にしたことなかったんだけど、きれいだったなー。晩年のお得意のこってりした作品もいいけど、透明感があってクリアなのもいいな。あと、中盤くらいにあった手のひらサイズの作品がかわいかったー。黒のアモールが意外と小さいのなーと思ったり。ひとよだけはでかいよな。前に見たはずなのに、なぜかもう少し小さい印象があった。
ガレ以外で面白かったのが初代宮川香山の陶器。なんとなく前にどっかで見たか聞いたかしたことある気がするけど、あれはやりすぎだろう…。いや、そんなところが気に入ったんだけど。なんかこう、西洋人受けを狙った日本風ってああいうのを言うのかなあと思ったり。あと、誰か忘れたけど鉄製の水入れがよかったな。これも前にどっかで見た気がするけど、ああいうの好き。
今回のテーマがジャポニズムってことでガレが影響を受けたであろう日本の作品も並んでた。初期は日本の意匠をそのまんま写し取ってるだけみたいなのが多いけど、だんだんと模写ではなく日本の精神をきっちり消化してガレのものにしてるところがよくわかる。モチーフは日本的かもしれないけど表現の仕方はちょっと違うよね。
売店でこんな本があったので買ってみた。
図録も迷ったんだけど重いのでやめた。蜻蛉集のことがもっと突っ込んで書いてあったら欲しかったんだけど、今回はガレがメインなのでそこまで期待するのは無理か。
著者のフィリップ・ティエボーさんはオルセー美術館の主任学芸員で、ガレに関する資料をめくってるとよく見る名前。今回の展覧会の図録にも寄稿してました。ティエボーさんはガレへの日本からの影響について否定はしないけどはっきりとした資料もなしに類推だけで語るのはやめて欲しいっぽいね。私も下の本を読んで、同じように感じた。
たしかにまるっきり模写な作品もあるけど、それは商業的な意図があって作られたものが多いんじゃないかと。芸術的な作品については、もともとガレの精神の中に日本と共通するものがあったってのが一番重要なことであって、それを表現するのに日本の美術に触れることで勇気付けられたりということはあったかもしれないけど、日本に傾倒してたわけではないんじゃないかなと。
蜻蛉集についてはこの本が面白そうだから読んでみたいんだけど。分厚いのと高いのとで迷ってる。蜻蛉集と関係ない話も多いし…
ところでミュージアムの入り口にこんなのがあった。立体版「椿姫」。もちろんミュシャよ。サラ・ベルナールよ。

写真からサイズが類推できるといいんだけど…ほぼ実物大?でかいよ。なんでこんなのがあるんだよ。いつから?前に来たときは気づかなかったけどなー。
いろんな角度から撮ってみた写真を続きに載せときます。

バルコニー(たぶん)に手をかけるしぐさがエレガント。

お洋服のひだもたっぷりと。

ちゃーんと背中側まできっちり。

今日(5/25)は高階秀爾氏の講演会「海を渡った日本の蜻蛉」があったので、それを目的にいそいそとお出かけ。
自分にとっては得意分野なので知ってる話が多かったけど、面白いなと思ったのは日本と西洋の違い。日本がはかなさとか死と再生、移り変わりといったことに美学を感じているのに対して、西洋は「永遠の美学」であるということ。日本に関してはよく聞くんだけどそれに対して西洋は?っていうのをあんまり考えたことがなくて、なるほどねーと。あと、こうもりの話題が出たときに、西洋では不吉だったり悪いイメージしかないけど日本ではそうでもない、これは日本というより中国の考え方なんだけど…という前置きで「蝙蝠」という漢字から「蝠」=「福」となってこうもりは縁起のいい生き物だと説明があった。鹿は「禄」と音が同じだからやっぱり縁起がいいとか。これはこの先自分で勉強したいなと思ってることなんだけど、中国から日本への影響と、日本と中国との違いってのを知りたいな。それから、大好きな山本芳翠の話題が出てきたのが嬉しかった(ジュディット・ゴーティエと西園寺公望との共著「蜻蛉集」について)。
ミーハーな私は終了後にサインを貰いに行ってしまいました。

高階氏の著書を何冊か読んだことがあって、それで自分の美術に対する考え方が変わったりしたこともあって尊敬してるんです。もっときれいな本もあったんだけど、今日のテーマがガレだしなーということで世紀末な本を持って行ってみました(紀伊国屋新書刊「世紀末芸術」:1963年初版、私が持ってるのは72年版)。高階氏には、これまた古い本を…と言われちゃいましたが。再版の話もあるとおっしゃってましたがどうなるんでしょうか。高階氏は昔から活躍してる方なのでお年を召しているはずなんだけど若々しくてダンディな方でした(黒のシャツに赤いネクタイという素敵ないでたち)。1時間半の講演中もずっと立ちっぱなしだったし。
さてさて、楽しいお話の後は展示を見に行くことに。ガレ展は今までにも何度か見に行ってるんだけど、そのときどきで展示側の意図だったり自分の見るポイントだったりが違ってくるので飽きないです。
さすがサントリーの得意分野なのか見せ方が上手。ちゃーんとぐるっと360度回り込んで見れるようになってるし、照明もいい具合。今までガレの透明ガラスにエナメルとかエッチングで絵を描いた作品はそんなに気にしたことなかったんだけど、きれいだったなー。晩年のお得意のこってりした作品もいいけど、透明感があってクリアなのもいいな。あと、中盤くらいにあった手のひらサイズの作品がかわいかったー。黒のアモールが意外と小さいのなーと思ったり。ひとよだけはでかいよな。前に見たはずなのに、なぜかもう少し小さい印象があった。
ガレ以外で面白かったのが初代宮川香山の陶器。なんとなく前にどっかで見たか聞いたかしたことある気がするけど、あれはやりすぎだろう…。いや、そんなところが気に入ったんだけど。なんかこう、西洋人受けを狙った日本風ってああいうのを言うのかなあと思ったり。あと、誰か忘れたけど鉄製の水入れがよかったな。これも前にどっかで見た気がするけど、ああいうの好き。
今回のテーマがジャポニズムってことでガレが影響を受けたであろう日本の作品も並んでた。初期は日本の意匠をそのまんま写し取ってるだけみたいなのが多いけど、だんだんと模写ではなく日本の精神をきっちり消化してガレのものにしてるところがよくわかる。モチーフは日本的かもしれないけど表現の仕方はちょっと違うよね。
売店でこんな本があったので買ってみた。
![]() | エミール・ガレ―ガラスの詩人 (「知の再発見」双書) Philippe Thi´ebaut 藤井 麻利 創元社 2004-11 by G-Tools |
図録も迷ったんだけど重いのでやめた。蜻蛉集のことがもっと突っ込んで書いてあったら欲しかったんだけど、今回はガレがメインなのでそこまで期待するのは無理か。
著者のフィリップ・ティエボーさんはオルセー美術館の主任学芸員で、ガレに関する資料をめくってるとよく見る名前。今回の展覧会の図録にも寄稿してました。ティエボーさんはガレへの日本からの影響について否定はしないけどはっきりとした資料もなしに類推だけで語るのはやめて欲しいっぽいね。私も下の本を読んで、同じように感じた。
![]() | エミール・ガレ―人と作品 (中公文庫) 由水 常雄 中央公論社 1989-04 by G-Tools |
たしかにまるっきり模写な作品もあるけど、それは商業的な意図があって作られたものが多いんじゃないかと。芸術的な作品については、もともとガレの精神の中に日本と共通するものがあったってのが一番重要なことであって、それを表現するのに日本の美術に触れることで勇気付けられたりということはあったかもしれないけど、日本に傾倒してたわけではないんじゃないかなと。
蜻蛉集についてはこの本が面白そうだから読んでみたいんだけど。分厚いのと高いのとで迷ってる。蜻蛉集と関係ない話も多いし…
![]() | 日仏交感の近代―文学・美術・音楽 宇佐美 斉 京都大学学術出版会 2006-05 by G-Tools |
ところでミュージアムの入り口にこんなのがあった。立体版「椿姫」。もちろんミュシャよ。サラ・ベルナールよ。

写真からサイズが類推できるといいんだけど…ほぼ実物大?でかいよ。なんでこんなのがあるんだよ。いつから?前に来たときは気づかなかったけどなー。
いろんな角度から撮ってみた写真を続きに載せときます。
【More・・・】
なかなかきれいなお顔。
バルコニー(たぶん)に手をかけるしぐさがエレガント。

お洋服のひだもたっぷりと。

ちゃーんと背中側まできっちり。

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術
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