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2008'09.28 (Sun)

生活と芸術~アーツ&クラフツ展~ウィリアム・モリスから民芸まで

京都国立近代美術館で開催中のアーツ&クラフツ展に行ってきた。京都市美術館がちょっと消化不良だったので、こっちには期待して行った。
いつもならさっさと感想をアップするのに遅くなったのは民芸についてちょっと考えたかったから。もう少し調べてから書こうと思ったんだけど結局たいして追求できなかったので、もういいやと勝手な解釈のまま書いちゃうけど、間違ってたらすいません。
さて、モリスの展覧会は何度か行ってるんだけど、今回はモリス周辺だけじゃないっぽいので新しい発見があるかなと思って行ってみた。いやー、やっぱり楽しいわー。
やっぱりね、工芸品っていいよ。見ていて楽しいんだもの。今回はイギリスを中心にヨーロッパ(ウィーン、ドイツ、ノルウェーなどの北欧周辺)と日本というところもなんとなく面白い。
ステンドグラスとかフリーズか壁飾りみたいなやつで、英語で何か書いてあるのを読むのも楽しい。といってもフォントがちょっと読みにくかったり、英語も少し古い英語なので解読するのは大変なんだけど、ロセッティのステンドグラスは騎士物語なのね~とか思いつつ見てた。
ちょうど最近読んでる本でモリスのレッドハウスのことが書かれていて、仲間同士で家の壁やら家具やらに絵を描いたりして楽しみながら家を作っていたというのを読んでたから、今回展示されてた家具にも絵が描かれたものがあって、こんな感じだったのかなーと想像してみたり。
本の装丁も綺麗だったなー。モリスの本はもちろんだけど、他の人ですっごく綺麗な表紙があった。テキスタイルと一緒に展示されてたコーナーは作品保護のためだとは思うけど照明が暗すぎだ。
ヨーロッパの食器もよかったなあ。モリスよりは新しい時代のものなんだけど、それでも100年近くも前のなのに、かっこいいんだよね。レトロでかっこいいとかじゃなくて、普通にスタイリッシュ。ベッドとか机や椅子のデザインも素敵。今でも北欧デザインって人気だけど、こういう歴史があるんだよなあ。ケルトとかヴァイキングな模様も面白いよね。
日本の民芸はまあそれなりにって感じか。以前、万博公園にある民芸館に行ったときの方がインパクトあったなあ。あれのせいで民芸=下手っぴだけど味わいがある、というイメージが定着してしまった。いわゆる美術工芸品みたいな職人技なんてなくて、素朴と言えば聞こえがいいけどぱちもんっぽいうさんくささとか、全然かっこよくない泥臭さとか生活臭が漂ってくる感じ。倉敷民芸館のアレはすごいよー。朝鮮の民画なんてもう降参ってくらいどうしようもなさが漂ってるんだけど、気が付くとはまってる自分がいた。なんだろうなあ、昔でいうと貴族の家とか偉い武家さんの家とかにあるものじゃなくて、もっと庶民的で田舎の民家にありそうなものっていうのかな。絵とかの飾るものにしろ、家具とか食器とかの生活用品にしろ、現代作られたものでその辺にあるものとなると微妙だけど、何十年とか百年以上前のものとなると、出来が悪くてもそれはそれでなんだかいいじゃないって思えてしまうのは何かに騙されてるんだろうか…。
スリップウェアいいよね。バーナードリーチも面白い。この辺で出てくる日本人作家についてはまだまだ理解が及んでなくてよくわからない。
三國荘の再現展示はどうなんでしょうか。センサー鳴りまくりだったのには苦笑。ちょっと身を乗り出して覗き込んだくらいで引っかかっちゃう。サントリーの山崎山荘美術館は行ったことあるけど、三國荘ってあそこにあるの?関係がありそうなことはわかったけど、詳しくはわからない。調べればいいのか。
でも民芸ってデザイン運動とはちょっと違うよねえ?アーツ&クラフツに近いものはもともと日本に根付いてたと思うし。大多数の視線が京都とか江戸のような都または他の地方都市に集中していたものを(庶民といっても町民レベル)、農村とか田舎の地方に根付いてる文化とか風習に目を向けて見たってことなのかなあと理解してるんだけど、違うんだろうか。
以前民芸館で見たのはゲテモノっぽいもの以外に、普通の民家で使ってそうな食器とか、菓子屋さんで実際に使われていた和菓子用の型とか、その辺の飲み屋さんで出てきそうなお猪口とか、一般家庭で使うために作られたお皿とか、床の間に飾るような壷とか皿じゃなくて「使用する」ことが前提のものが多くて、それも生活の中にデザインを持ち込もうと特定の誰かが意図して作ったものじゃなくて、結果として「美」を見出した人がいただけのものとか、草の根レベルでささやかに楽しんで作られたものとか、そういうイメージなんだよなあ。「用の美」とか言うけど、意識してそれを追求したわけじゃないからそこまで研ぎ澄まされたものでもないし、あくまで庶民のものだから豪華さもないし。でも民芸運動はアーツ&クラフツに影響を受けてるんだっけ?ああ、もっと勉強しないとダメだわ。
常設展示もなかなか。ミニ特集で下村良之介がまとめて展示されてた。この人の絵はよくここで展示されてるから見たことはあったんだけど、今回初めていいと思った。特に小部屋に入れてあった鳥の絵シリーズの中で、月明を翔く(琥)がよかったなー。壁沿いに端から順番に見ていったんだけど、この絵の前に来た瞬間に目を奪われた。しばらく佇んじゃったよ。
長谷川潔のミニ特集もよかった。マニエールノワールもいいけど、木版画もいいよねー。この人の木版って、後の月映に通じる雰囲気があるような。
写真特集もなかなか。前に見たことある作品もあったんだけど、昔の写真ってなんでこんなに雰囲気があるんだろう。
企画展示に合わせたコレクション展示もあったけど、うーん、この辺って見てて楽しくはあるんだけど、民芸の理念(ってほどのものなのかわかんないけど)を考えると、作家名を意識せずに見たいなーと思ってしまう。ホントの民芸って名も知れぬ人のへたれ作品を愛するってことじゃないのだろうか。または本来は飾る目的ではなく「使う」ことが肝心なものの中に美を見出すとか。解釈間違ってる?
普段からよく展示されてる現代美術とか近代の日本画とか洋画とかもあって、いつものやつねーとか思いつつ流して見てたんだけど、出口の近くに、つい先日見ていいなーと思ったばかりの菅野聖子の作品があって喜んだ。大阪で見たのは色使いも線もシンプルだったけど、ここにあったのはカラフル!はっきりとはわからないけど規則性があるんだろうなということを念頭において見ると楽しいことこの上ない。正方形のキャンバスに同心円が描かれてるんだけど、微妙にずれてるというかまんまるじゃなくて、ラインに合わせて視線をめぐらしてるうちに妙に楽しくなってくる。
通常のミュージアムショップとは別にグッズ売り場ができてた。これのせいでいつもなら展示室まで上がる階段がふさがれててちょっとなーと思った。エレベータでしか上がれないのは窮屈。エレベータ前は狭いし。その売店ではモリス商会がんばりすぎ。V&Aのジュエリーはかわいかったなあ。
図録が立派だった。ちょっとお高かったけど買っちゃった。あとでゆっくり眺めよう。
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