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2011'05.17 (Tue)

カンディンスキーと青騎士展

兵庫県立美術館で開催中の「カンディンスキーと青騎士」展に行ってきた。
電車の中や駅で絶賛宣伝中。車内の吊り広告に「前売り券は4/25まで」とあって、ちょっと残念な気持ちに。関西では前売り券を会期中もずっと売ってるのが普通なのに、なんで?(割引券は会期中にも配布してる。)けちくさいなあ。私は事前に買ったからいいんだけどさ。でも美術館の近くのコンビニでチケット発売中!ってやってたのはなんだったんだろうな。
さて、わたくしカンディンスキーは特に好きというわけでもない。版画好きとして、カンディンスキーの版画作品にちょっと好きなのはあるけど。それでも見に行った理由は「青騎士」というキーワードに惹かれたから。その時代の空気を感じられるかもしれないという期待があったから。私の趣味は世紀末フランス中心で、ドイツにはあまり詳しくないんだけど、その時代の日本はドイツにも結構影響を受けてるはずなので、そういった興味の延長線上にあるかなと。
「青騎士」というのは1911~1914年くらいの短い間の活動で、この展覧会はその少し前の時代から、少し後の時代まで扱っていた。
最初に序章として、レンバッハとシュトゥックの絵が少し。正直なところここが一番楽しかったかも(笑)だってシュトゥック好きなんだもんー。額縁までかわいくて、来てよかったなー。(序章でその感想は気が早い)
そして真打登場。第1章は1901~1907のカンディンスキーとその周辺。ミュンターという人といい仲になってどうたらって話があった。ここに展覧会のポスターにも使われている「花嫁」の絵があった。この辺は点描画とか筆触分割に近いものなのかな。見やすいのはこの辺かも。
第2章は1908~1910ごろ。青騎士の前夜。ヤウレンスキーとヴェレフキン登場。この辺から表現主義が顔を出す。フォービズム?フランツ・マルクとアウグスト・マッケも登場。表現主義の色ってゴーギャンとかあの辺の考え方に近いんだろうかということがちらっと頭を掠めた。
第3章が1911~1913。ここで抽象絵画の誕生となるらしい。「青騎士」の表紙にときめいた。フランツ・マルクの「虎」が!これいいよなー。牛の絵もかわいかった。でもマルクさんはこの後すぐに第1次世界大戦の戦場に赴き戦死してしまうらしい。残念。
その後、カンディンスキーは世間一般のイメージにあるような抽象画の作家になるわけですが、この展覧会はその方向性が見え始めたところで終わり。続きは別のところでどうぞって感じか。
年表を見ていたら、第1次世界大戦の頃に別れてしまうカンディンスキーとミュンターさんですが、その後あっさり若い子と結婚してるカンディンスキーに、なんだかなーな思いを抱いてしまった。どうでもいいっちゃーどうでもいいことなんだけど。ミュンターは戦時下のドイツに残って大事に仲間たちの作品を守り続けたってのにさ。(カンディンスキーがその後苦労したのかどうかは知らないけどね)
そういえばシェーンベルクの名前が出てたけど、シェーンベルクといえばガーシュイン!私はガーシュインの大ファンなんだけど、たしかシェーンベルクはアメリカに亡命したんだっけ?そこでガーシュインと親しくなってテニス仲間だったとかなんとかって話を聞いたことがある。音楽はよく知らないんだけど、面白いのかな。
絵以外に写真や資料もたくさん展示してあって(絵が少ない分、それで間を持たせてたのかも)カンディンスキー周辺の人間関係とかいろいろわかって面白かった。猫を抱くカンディンスキーに萌えた。
夜間開館日の夕方に行ったんだけど、会場はガラ空き。会場内を行ったりきたりすると悪目立ちしそうでなんとなく監視員の人の目が気になってしまう…。グッズ売り場でもあんまりうろうろしすぎるのは気が引けるし(笑)。商品を物色していたら、展覧会特製ポストカード以外に輸入ポストカードもあって、マルクが気に入った私はマルクのを全部買ってしまった。全部といっても5枚くらいしかなかったけど。カンディンスキーは当然のこと、クレーがやたら多かった気が…。複製版画もクレーが並んでたしな。あれ?展示会場にクレーはあるにはあったけど1枚だけだよね?クレーって人気あるよね。そういえば京都のクレー展も行こうか悩んだけど結局行かずに終わってしまった。私はクレーはそれほど熱心に見たい派ではないんだけど、この青騎士との繋がりもあるから興味はあったのに。
図録は買わなかったけど、シュトゥックのページだけ一応確認。お、ちゃんと額縁のことにも言及してる。額縁の雰囲気からして結構古いもので、もしかしたらシュトゥック自身の額装だったりして?と思ったんだけど、そこまでちゃんと読まなかったけど、額縁にも意味を持たせてるっぽいようなことが書いてあったような…。
タッシェンの本で青騎士のが置いてあって、マルクがそこそこ載ってたので図録の代わりに買った。小さめの本だし、かさばらないからいいよね。マルクの絵をもっと見たいなー。
4887834101青騎士 (ニューベーシック)
ハーヨ・デュヒティング
タッシェン・ジャパン 2010-10-14

by G-Tools

さて、青騎士展の方はボリュームはそれほどでもなかったけど、ここの常設展示は毎度の事ながら充実しまくり。時間があるときはなるべく見るようにしてる。今はコレクション展をやっている。
常設なので見たことある絵もたくさんなんだけど、ときどき新しい発見もあるからね。いつもの小磯良平や金山平三に軽く挨拶をしつつ、その奥の展示室へ。常設展示室って1階から見るのが正しい順番なのかな?いつも3階の企画展示を見た後に2階から見てるんだけど、最後に1階に行ってあれ?と思うことが多い。そもそもこの会場はバリアフリーに反しまくって非常に使いにくい。せっかくエレベーターがあっても展示会場入り口までぐるっと回らないと行けないし、コンクリート打ちっぱなしの階段は疲れるし。だから3階→1階→2階という経路で回ろうという気になれない…。
今までに何度も見てる洋画や日本画が並ぶ。何度か見てるとはいえいまだに名前と顔が一致しない人が多くて、最近読んでる日本の近代美術の本に出てきた名前だなーとか思いつつ眺めてた。洋画の方が見覚えがあるのが多いかな?日本画は覚えてないだけなのかもしれないけど新鮮に感じるものが多かった。岡本神草の海のシリーズが楽しい。神戸港ってそういうイメージなのか。今回は丸投三代吉という人が面白かったな。春夏秋冬というタイトルのが1枚あっただけだったけど、どの辺が春夏秋冬なのか謎。とくに四季で分けてるわけじゃなくて四季ごちゃまぜ状態だったんだろうか?猫がいっぱい。他の動物もいっぱい。植物もいっぱい。
1階の展示室に移動すると、こちらは展示室ごとにテーマ展示。現代アートはよくわからんのも多いけど、わからなくてもなんとなく見てて楽しいと感じるものを楽しむ。版画好きとしては最後の版画コーナーが楽しかったな。エッチングからシルクスクリーンまでなんでも好き。理屈抜きで好き。あ、でもジョン・ケージはよくわからんな…。デッサン研究室コーナーも面白かった。小出楢重のスケッチが楽しい。菅井汲のカドミウム・レッド3-4は実物も面白いけど、パンフレットに印刷されたのを見てなんだか凄くポップだなーと思った。逆に吉原治良の作品(筆で書いたみたいなやつ)はパンフレットに小さく印刷されちゃうとぱっとしない。具体のコーナーは楽しいんだけど、作品名が内容と一致しない(わかりにくい)ので展示品リストを見てもどんなんだったかわからなくて困るわ。
コレクション展は前記後期で展示替えがあるらしい。私が見たのは前期。後期にも気になる絵はあるんだけど、会期末までにもう1回これだけのために来るのも億劫だなあ。
コレクションは西洋の作品もありつつも、基本は日本の近現代の作品なので、その辺に興味のある自分にとっては軽く見るだけでも面白いし、少しずつ馴染んでいくのも楽しい。親近感を持つのって作品を楽しむためには重要かなーと思う。それが無理せず楽しみながらできたらいいなと。「勉強」っていうと大げさだけど、そういう形で自分たちの過去を知ったり、歴史に興味を持ったり、というのが美術館へ行く楽しみだなと、自分の場合は思う。
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