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2011'09.06 (Tue)

橋口五葉展@北九州

北九州市立美術館・本館をたっぷり楽しんだ後、分館で開催中の「生誕130年 橋口五葉展」を見てきた。
橋口五葉と言えば新版画!三越のポスター!日本のアールヌーヴォーとして名前が挙がる筆頭なわけですが(個人的に)、意外と彼の画業の全容はあまり研究されていなかったりするらしい。実際、版画家として本領を発揮し始めて、さあこれからというところで亡くなってしまったし、本画もやってるけど世間的に認められたのは装丁の仕事だったりポスターや版画の世界だったり、複製芸術の世界だからね。
この展覧会、展示品リストを見ると所蔵元として千葉と鹿児島がたくさん出てくる。図録を見たら企画構成が千葉市美術館と鹿児島市立美術館となっている。ここにどうやって北九州市立美術館が絡んできたのか、不思議だわ…。おかげで自分は行くことができたわけだからよかったんだけど。(鹿児島は遠すぎるし、千葉はタイミング的に難しかったから)
この分館はリバーウォークという施設の中にあるとかで、デパート内美術館みたいなやつを想像してしまったんだけど、中に入ってみたら天井も高くて会場面積もそれなりに広くて、思ったよりいいとこだった。とはいえやっぱり本館に比べると雰囲気的に物足りなさがあったけど。
時間に余裕があったからリバーウォークの中をうろうろしてもよかったんだけど、流石に疲れてこれ以上歩きたくない状態だったので、無駄に体力を消耗しないことにした。
解説読んでたら、五葉は黒田清輝の親戚筋にあたるとか、その黒田の勧めで洋画を学んだとか書いてあって、黒田と言えば確か杉浦非水に図案の道を勧めたのもヤツじゃなかったっけと思い出してみたり。黒田もそれなりに好きな絵はあるけど、それ以上に好きな人に影響を与えてるところがにくいヤツだ…。
青木繁とか藤島武二と共通する空気を感じる絵もあったりして、自分が好きなものってどこかで繋がってるんだなあと思う。新版画の「髪を梳ける女」がロセッティのレディリリスだという指摘にはっとなったりもした。
洋画や日本画も面白かったけど、やっぱり一番心ときめくのは装丁とかポスターとか絵葉書とかの仕事だよなー。見るときのテンションが全然違った。夏目漱石と泉鏡花はいい装丁の本を出していることで有名らしいんだけど、そのどちらでも優れた作品を残したと言われているのは五葉だけ、というのも凄い。
話題の「黄薔薇」は、なるほど…、いや、これは、「日本画」として評価しようとすると難しいだろうなあ…。これを出品した会の傾向をよく知らないから、当時の評価が妥当だったかどうかはなんともいえないけど。しかし表装まで凝ってたなあ。
素描も面白かった。比較的あっさり書かれてるように見えるんだけど、髪の毛が凄い。あれが版画に繋がるわけね…。
新版画は女性画が目立つけど、風景画も意外とよかった。これはほとんど浮世絵だなー。画稿や下絵と、版画として完成したものを並べると、版画ってやっぱり素敵と思う。
没後、残された版木や版下絵をもとに刷り上げた版画も展示されてたけど、何かが違う…。特に感じたのは髪の毛かな。浮世絵でも私は特に髪の毛にこだわるタイプなので、全然なってなーい!と思った。
五葉は色んな分野に手を出したけど、本当に自分に合った方向を見出すまでの全部がなくてはならない経験だったのかな、そして最後に自分の道を見つけることができたのかな、と感じた。ただ、もう少し時間が残っていたら…と残念でならない。
それにしてもボリュームたっぷりの内容で、展示の途中で座りたくなったけどなかなか椅子がなくて困った。その前に本館でさんざん歩き回った後だったし、かなり足にきてました。
売店では、夏目漱石の本とかたくさん並んでた。ちゃんと見てないから他に誰のがあったのか覚えてないけど、装丁は普通のやつだったのであまり興味が…。その時代の美術が好きなら文学にももう少し興味持つといいんだけど、なかなか手が出ない。
五葉デザインの復刻ブックカバーがあるらしいと聞いてたんだけど、残念なことに、3種類(我輩ハ猫デアル、四篇、虞美人草)あったうちの2種類は売り切れで、「虞美人草」しか置いてなかった。虞美人草の色合いがちょっとカラフルすぎるかなーと思ったんだけど、これはこれでかわいいかもとお買い上げ。
(展覧会の様子が写真つきで紹介されてる。→http://www.riverwalk.co.jp/blog/2011/08/100130.html やっぱ他のブックカバーかわいい…)
余談だけどこんなブックカバーもあったらしい。→http://d.hatena.ne.jp/shinju-oonuki/20110801#1312195293 下の方に革製のやつが載ってる。これは売ってなかったなと思うなあ。さすがにこのお値段ではその場にあっても手は出せなかったと思うけど。
当然のごとく図録は買いましたよ。あとクリアファイルをひとつ。
この本もいいなーと思ったんだけど、図録と内容がかぶるし、そこそこいいお値段だし、荷物になるし、ということで断念。
4872422511版画芸術 150―見て・買って・作って・アートを楽しむ
阿部出版 2010-12

by G-Tools

ページ数は少ないけど、図録よりも大きめに幾つかの装丁が綺麗に掲載されているところは後ろ髪引かれる…。
ふと、手持ちの本で、五葉の絵が表紙になったのがあったような、と思い出して引っ張り出してきた。海野弘「日本のアール・ヌーヴォー」(新装版)。ちなみに裏表紙は非水百花譜。
こんなの。→http://www.natsume-books.com/list_photo.php?id=100016
おまけ。→http://d.hatena.ne.jp/shinju-oonuki/20101013
1978年に出版されたもので、日本のアールヌーヴォーについて書かれた比較的早い時期の書物。私が持ってるのは1988年発行の新装版。だいぶ前に古書で買ったんだけど、藤島武二のところくらいしか読んでなくて、棚に仕舞いこまれていた。改めて読んでみると五葉について割と細かく書かれてるし、杉浦非水との共通点や相違点を読んでなるほどと思ったりした。なんというか、アールヌーヴォーってそういうものなのかと今更納得するようなことが書かれていたりして、古い本でも発見はあるものです。でもまだ最後まで読みきれてない…。
海野弘の本は結構持ってて、講演会でサイン貰っちゃったこともあるくらいなんだけど、ちょっと文学的というか感傷的な文章を書く人なので、実際のところ、美術評論としては微妙かな?と思う部分もある。この人の書いてることはただの推測なのか、案外当たってることもあるのか、よくわかんないけど、世紀末好みは自分とも共通するところがあるので、そういう考え方もあるんだなあと思いながら読むのは楽しい。
以下、余談。
こんなアンケートを発見。
http://d.hatena.ne.jp/bunbun_memo/20110825/1314233798
夢二って私の中では商業イラストは好きだけど、本画はそれほどでも…という人で、あんまりアールヌーヴォーというイメージがない。なぜかと聞かれると困るんだけど。世代的に五葉や非水よりもう少し若いんだっけ?そういえば今度、京都で川西英コレクション展があって夢二もたくさん出るっぽいし、行ってみようかなあ。海野氏の講演会もあるんだ!
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2011/389.html
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