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2011'11.23 (Wed)

世紀末、美のかたち

府中市美術館で今日まで開催していた「世紀末、美のかたち」展へ行ってきた。(行ったのは10日ほど前)
展示されている作品は恐らくどこかで見たものが多いのかな?と思いつつ、それでも見に行きたくて久々の東京遠征してしまった。メインはこの展覧会だけど、せっかく遠出するなら他の展覧会も見ていこうかな?とチェックして、気になる程度のは幾つかあったけど、位置関係とか所要時間とかを考えて、世紀末装飾系3連発と相成りました。順番に書いていこうと思うけど、まずは府中の感想から。
最初に余談から。始発電車で東京へ向かった私は、府中駅に9時半過ぎに到着。駅から美術館まではバスが出てたらしいんだけど、待ち時間が少しあったので歩いていってみることに。徒歩でも15分かそこららしいからいけるでしょと思ったんだけど、土地勘ないところでそれをやるのはとっても危険。案の定、道を間違えてだいぶ遠回りしてしまった…。帰りも同じ失敗を繰り返して、無駄に体力を消耗してしまった。余談おわり。
この展覧会は関東近辺の美術館の所蔵品を集めて企画した内容で、19世紀末のパリを中心とした美術と工芸が入り混じった世相を振り返る展示。扱う範囲は、京都で見た「ルドンとその周辺」に近い部分があったかな?ルドンとゴーギャンとドニは共通してる。工芸寄りの人は象徴主義を標榜はしてなかったかもしれないけど、近い思想を持ってたんじゃないかな?と思える部分もあったり。
展覧会は「自然」「文字」「異形」「光と影」の4部構成で、作家ごとに並べるのではなく、テーマが先にあってそこに作品を当てはめて並べてるから、ミュシャにしろ、ルドンにしろ、ガレにしろ、まとめてどん!じゃなくて、ばらばらに配置されてて他の作家の作品を見た後にぽろっと出てくるといつもとはちょっと違う目線で見れる気がした。(例外的にラリックとかドニは同じシリーズの作品が固まって展示されてたけど)
展示室内の壁に作品の超拡大写真を使ったパネルがあって、そのインパクトが凄かった。
この展覧会の主役はガレとラリック?あとゴーギャンもかな?ルドン率も高かったよね。ミュシャも大きく取り上げられてるけど展示数は少ない。
一応わたしはミュシャファンなわけですが、この展覧会に関しては、ミュシャはたぶん見たことあるやつだろうし、あまり期待してなかったんだけど、ジスモンダがアメリカンツアーのやつだった!これは実物見るのは初めてかな?これだけでも行った甲斐があった。真のオリジナル、1894年制作のものは状態があまりよくないものが多くて、黄ばんでたり紙の端の方がぼろぼろになってたりするんだけど、これは比較的いい状態だったと思う。
うちにあるミュシャの本でこのバージョンを見たことはあった。でも実物大で見るとまた色んな発見があるわけで。縮小された画像ではわからないけど、左下のミュシャのサインの上に小さく「original by」と付け加えられてた。これが意味することは一体…?ここからは推測なんだけど、もともとのデザインにミュシャ以外の人が手を加えた(絵の下部に劇場名が入ってたところをアメリカンツアー用に書き換えた)ってことを示してるのかな?もうひとつ気になることがあって、右上にも4桁か5桁くらいの数字が入ってたんだけど、あれは何だったんだろう?後から書いたんじゃなくて刷ってあるっぽかったんだけど、よくわからない。
ガレの作品は、特に濃いやつは、手にとって光に透かして眺め回したい欲求に駆られる。今回は裏から光を当てたり後ろに鏡を配置したり四方から眺められるようにガラスケースに入ってたり、作品ごとに色々工夫はしてあったけど、でもやっぱり一方向からの光でしか見れないことには変わりなくて。昔、テレビでガレの作品を個人的に所有してる人が、光の当て方で色んな見え方になるのが魅力だと言っていて、実際にその様子を撮影してたんだけど、美術館ではそんなことさせてもらえないもんね。しょうがないんだけど、物足りない。
ゴーギャンは、先述のルドン展と同じ視点で、刷りによる違いが説明されてて、シンクロしてるなーと思ったり。
ルドンは、ルドン展の感想にも書いたけど、一気に大量に見るより小出しにされたほうがすっと入ってくる感じがあったかなー。
図録欲しさに行ったようなものなので、当然のごとく図録はゲット。個々の作家はそれぞれもっと大きな展覧会に行ったことある人も多いし、新たな情報があるかというと微妙だったんだけど、この展覧会のコンセプトがよかったしね。この図録の解説にもあるように、アールヌーヴォーが研究され始めた1960年代に書かれた文献として、高階秀爾の「世紀末芸術」も読んでるし、この本では言及されてなかったけど海野弘の「アールヌーヴォーの世界」も読んでるし、私にとって世紀末は美術も周辺芸術も区別なく見てきたからね。
4480091580世紀末芸術 (ちくま学芸文庫)
高階 秀爾
筑摩書房 2008-07-09

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412204152Xアール・ヌーボーの世界―モダン・アートの源泉 (中公文庫)
海野 弘
中央公論新社 2003-01

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ただ、絵に文字を刻む意味が、ゴーギャンにとってそういう意識だったのか、ガレにとってもそういう意味合いがあったのか、というところは新しい発見かな?ただ、この辺の論は、山本芳翠の蜻蛉集にも言及してたら嬉しかったのに、という物足りなさはある。せっかく日本での企画なんだから、日本の文化との差についても語ってみるとか。そこまでいくと話が発散しすぎるきらいもあるからしょうがないけど。というか、文字と絵画の融合については私もまだそんなに深く理解してるわけじゃないので、自分の知ってることが出てこなくて不満なだけです。
それに関する内容が以下の本に書かれてるんだけど、要約できないので、興味がある人は読んでみると面白いかも?日本では普通すぎて何が凄いのかわからないことが、フランスでどう受け止められたのか?という辺りが興味深い。他の文献でもこういうことについて語ってるものはあるのかな?
4876986835日仏交感の近代―文学・美術・音楽
宇佐美 斉
京都大学学術出版会 2006-05

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図録の参考文献を眺めていると、読んでみたい本が増えて困る。家に積読がいっぱいにも関わらず…。「日仏交感~」も部分的にしか読んでないし。世紀末って奥が深い。
府中市美術館の話はまだ続きます。長くなりそうなのでここで一旦切る。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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