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2011'12.18 (Sun)

駒井哲郎1920-1970 版にみる夢と現実 第II部

伊丹市立美術館で今日まで開催していた駒井哲郎展の第II部に行ってきた。だいぶ前に行ったのに、相変わらず遅い感想文です。
第I部を見た後に図録を読んだりネットで色々調べてみたりして、駒井の人物像を知ってから第II部を見たわけですが、通して見た感想は、すごく濃かったなあ。
個人の回顧展ってただでさえ人の一生を見るようなものなんだけど、ボリュームが膨大だったせいか、作風が多岐にわたっていたせいか、銅版画は1枚を仕上げるのにとても手間がかかるという先入観があるからか、50代半ばで癌による闘病死だという先入観があるからか、駒井の作風が駒井の心情をあらわしたものだったからか、いろいろ考えながら見てしまった。
第I部のときに疑問だった「総入れ替え」については、やっぱり完全に一作もかぶらず入れ替えるわけじゃなくて、第II部でも第I部の出品作が幾つか展示されてました。「小さな幻影」や「丸の内風景」がまた見れて嬉しかった。小さい作品が好きだ。
グアッシュとか墨とゴム印を使ったものとか、版画以外の作品も少しだけあった。
ルドンみたいに60を過ぎたら油彩もいいかな、なんて言っていたそうだけど、50代半ばで亡くなってしまったため、それもかなわず。
モノタイプ作品を見てると、それでも「版画」に拘ったのは何故なんだろうなあと思う。
銅版画の制作過程が他の技法、リトグラフとか木版画とか、油彩とか水彩とかとどう違うのか?違うことはわかるけど、制作する立場として、表現される結果として、どういうところに惹かれて人は選ぶんだろう。駒井の言葉を見聞きするに、彼は制作過程に魅力を感じていたのかな?
版画家として大成した人も最初は日本画や洋画から入ることが多いらしいんだけど、この人は最初から版画の世界に魅せられて、終始一貫、銅版画で生きた人なんだそうだ。美術学校に通ってたということで油彩も基本は勉強したみたいだけど、その前に版画修行をしていたらしい。そういうプライドもあったのかなあ。
実際、モノクロで表現することにこだわりがあって、カラー作品を発表することにはためらいもあったらしい。本心では色彩表現に対する欲求もあったんだろうけど、モノクロ表現に対してストイックなプライドみたいなの?そういうのがあったのかも知れない。
駒井の憧れの人だった長谷川潔の展覧会を何年か前に同じ伊丹市立美術館で見たけど、たぶん見やすさでいったら長谷川の方がいいんだろうなあ。マニエールノワールも綺麗だし、若いころの木版画も素敵だし、白地にすっきりした線の版画(ビュラン/エングレーヴィング)も綺麗だし。一応、銅版画家としては、長谷川の方が先輩格だけど、この人は戦前にフランスに渡って以来ずっとフランスで暮らした人だからか、駒井に感じる「昭和」の空気がない気がして、少し親近感が希薄なところがある(初期の作品は除く)。どっちがいいというわけではないけどね。駒井により泥臭さを感じるってだけの話。
比較してどうこう言う筋合いのものでもないのかもしれないけど、なんとなく感じたのが、駒井の作品はより内面的なものを描いているような気がした。
もちろん、同じようなことをしてきた先人たちはたくさんいるんだけど(長谷川だって具体的な物を描いているけど表現しているのはもっと深い精神性だったりするわけだし)、さっきも書いたような泥臭さ?それを一番身近に感じるのが駒井かなーと個人的には思う。時代が近いからなのか、同じ日本人という意識があるからなのか、ただの思い込みなのか…。
抽象的な作品ってともすれば意味不明だったりどうとでも解釈できたりするんだけど、あまり身近な感じがしないというか、ちょっと心情的に遠い感じがすることが多い。特に海外作家はそうかなあ。駒井の作品も全部が全部、身近に感じるわけじゃないけど、比較的親しみやすいかな?と思った。たぶん駒井個人だけじゃなくて、ここ何年か見てきた同時代の日本人作家の作品群とも連動して、戦後の昭和の日本の空気とか、そういうのが作用してるのかなーと思う。
時間をかけて書いた割りに全然まとまってない感想です。
しかし、この展覧会、すごくいいと思ったんだけど、お客さん少ないなあ。私が行った時間が夕方の閉館間際だからというのもあるかもだけど。
前回は図録と単行本を買って帰ったわけですが、今回は雑誌を買ってしまった。
487242252X版画芸術 151―見て・買って・作って・アートを楽しむ
阿部出版 2011-03

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