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2012'03.31 (Sat)

ビジュアル雑誌の明治・大正・昭和

国立国会図書館(関西)で開催していた「ビジュアル雑誌の明治・大正・昭和」展に行ってきた。
この企画展のことを知ったのは、印刷博物館のブログ経由でした。展示会場に、協力者として大きな字で印刷博物館の名前があって、そういうことだったのか!と納得。あと一人、個人名がトップに記載してあった。この2者が特に深く関わってるってことかな?
国立国会図書館って東京にあるのは知ってたけど、関西にもあったのね。いったいどこに?と思って調べたら、学研都市の辺りらしい。住所は京都府になってるけど、奈良との境目。
今回は展示のみを見て図書館はスルー。機会があればまた、図書館目当てに来てみたい気がするけど、どうだろう。どういう資料があるんだろうな?ぜひ見てみたい本とかがここにあるってわかったら、行きたくなるかも。
さて、お目当ての展示ですが、3部構成になっていて、さらに第2部は8章構成になっていて、雑誌の始まりから現在までを追う内容。転機となる出来事とか、ポイントポイントで説明パネルもあって、わかりやすい展示だった。会場面積はそれほど広くなかったんだけど、解説を全部読んで細部まで確認してると結構な時間を使う。結局2時間くらいいたんじゃないかなー。
入場無料でミニパンフレットももらえて、図書館月報や関連解説資料のコピーも貰えたので、交通費をかけて行った価値はある(といっても国立の施設だから金の出所は税金ってことになるんだろうけど)。資料はすべてウェブにpdfがアップされているので、読むだけならもともとタダなんだけど、紙の方が読みやすいから嬉しい。
私が行った日には展示担当職員さんによるフロアレクチャーがあって、開始時間には間に合わなかったけど、途中から聞いた。細かく色々説明してくれて楽しかった。レクチャー終了後、あらためて最初から見ていきました。
第1部は印刷技術の解説。今までにも色んなところで見てきてるのでなんとなくは知ってるんだけど、今回、実物をペン型ルーペ(あれ欲しい。家にある印刷物を眺め倒したい。どこで売ってるんだろ?)で見ることが出来て面白かった。オフセット印刷はすごくわかりやすいね。この企画展示のフライヤーがサンプルとして置いてあって、覗いてみたら点々がいっぱい!単色塗りつぶしに見えるところもドットになってる。
でも、グラビアと網目と三色版・原色版、オフセットの違いがわからない。網点で表現してるのはどれも一緒?ドットの大小で表現するのと、インキの量で表現するのとの違いが、サンプルを見ただけではぴんとこなかった。説明から判断するに、色の濃さは同じでドットの大きさが違うか、ドットの大きさは同じで色の濃さが違うか、なんだと思うけど。あと、オフセット印刷って、「オフセット」する以外は、三色版と同じような原理なのかな?
コロタイプも原理はわかったけど、実物を見てもいまひとつわからなかった。普通の距離で見たときに「連続階調を表現できる」という特徴は感じられるんだけど、拡大して見たときの特徴がわかりにくかった。自分の見方が悪かったのかなあ?ところで写真系の展覧会でときどき見かけるゼラチンシルバープリントってコロタイプと同系統の技法なんだろうか?
美術系でおなじみ、石版、銅版、木版あたりはわかりやすいんだけどな。
というか、それぞれの技術って視点が違うというか、グラビア印刷と網目写真とコロタイプは図像を版にどう写し取るかの技術だし、三色版はカラー印刷の技術だし、オフセットは印刷工程の技術だし、並べて語るのはちょっと違うのかも?と、今になって感じた。
第2部で本格的に雑誌の歴史が紹介される。と、続けて書こうとしたけど、展示数以上に情報が膨大だったので、細かく感想を書いているときりがないのでメモがてらに散漫に書いてみる。
とりあえずこれを読めばだいたいのことはわかる。
http://www.ndl.go.jp/jp/event/exhibitions/visual_kaisetsu.pdf
絵がないので、見てない人にはわかりにくいかもしれないけど、見た後で思い出すには最適。(むしろ思い出しすぎて書きたいことが増えて大変かも…)

この展覧会は美術館でもなく、博物館でもなく、図書館の企画展示なので、美術系の雑誌は一応取り上げられてはいるけど、ほんの一部。
その中で、これは!と思ったのは、橋口五葉の有名なポスター画が表紙の三越の宣伝誌。このくらいのサイズだったら手元に欲しいかも…。ってそう簡単に手に入るものなのか知らないけど。石版30度刷りって!手間かけてるなー。あの頃の美人画への熱意はすごいと思う。たしか北野恒富のポスターから色版を再現(推測)したものを昔見たけど、あれも20~30色くらいあった気がする。
展示の主旨とはたぶん関係ないところで、藤島武二を見つけてにんまり。明星の表紙と、濃尾地震のレポがあった。濃尾地震のやつは前にもどっかで見たような気がするけど、武二の絵ってことは認識してなかったかも。単に忘れてるだけかも。
杉浦非水のデザインもちらっと登場。
猪熊源一郎が構成を担当した写真が表紙の雑誌があった。昔は画家が構成を担当することが多かったとか?
浅井忠の水彩が載った雑誌もあったな。
絵葉書もちょこっと紹介されてた。
方寸って貴重な雑誌だったんだ。
会場を出たら「こぼれ話」コーナーがあって、恩地孝四郎デザインの表紙の雑誌があった。
同じコーナーにあった紙型も面白かったな。これもある種のオフセットだよなー。
以下、思いつくままに感想を。
災害や戦争が雑誌を発展させた、というけれど、印刷技術の場合、美人画も大きな役割を果たしていたはずだよね?雑誌の表紙だってきれいなおねーさんが多いし。たぶん写真だってそう。もっと言っちゃえば下ネタ系なんかもあると思うのよねー。戦後の写真雑誌にヌードネタがちょっとあったけど、もう少し前の時代で、外骨とかあってもいいのになーと思いながら見ていた。風刺系の雑誌は少しだけあった。美人画は雑誌というよりポスターとかそっち方面だから扱いが違うのかな?
下世話系大衆雑誌も多少は紹介されてたけど、下世話すぎるのは避けたのかな?なつかしのFOCUSがあった。あの表紙は結構かっこよかった気がする。
時折、見せたいページの反対のページに笑える広告が載ってて、ついそっちをじっくり見てしまったり。
もくじが面白かった。
昔は印刷の種類が書いてあるのが普通だった?
横書き文で、右からと左からが混在している雑誌があったり。
デザイン史と戦争の関係。昔はタブーっぽい雰囲気があったと聞いたことがあるけど、今はそうでもないのかな。
図版と文字の共存は、日本画の伝統では当たり前だったと思うんだけど、雑誌としては技術的に難しかった?導入されたのはだいぶ後になってからだったみたい。
グラフ誌の衰退。テレビの興隆と映画の衰退。ファッション誌の流れを見て、今の朝ドラを思い出したり。
同じ雑誌でも創刊当事と今とでは全然違うものもあれば、全然変わらないものもあったり。特に趣味系の雑誌は変わらない。そして鉄オタはオタクの元祖?
印刷技術と大衆文化がテーマだったけど、ここにさらに「写真」というキーワードも加わっていた印象。
絵が写真に取って代わられたように、紙メディアも今、デジタルメディアに取って代わられようとしている。
「複製」の概念が、大きく変わっているのが現在なのかな?
情報伝達の形も変わりつつある。
ファッション誌として、an・anが画期的だった、というのは知らなかったなー。non-noはその後追いだったとか。自分自身がその2誌とあまり縁がなかったというのもあるけど、(non-noは昔、親が買ってた気がするけどあんまり読んだ記憶がない。Elleは読んでたなー。自分自身で定期購入したファッション誌はない。単発で買うことはたまにあるけど。)
解説で、ファッション誌に星占いを載せたのはan・anが初めてだったとか。そこでふと疑問に思ったのは、「占い」っていつからポピュラーだったんだろ?ってこと。同会場にan・anよりも古い「なかよし」やら「マーガレット」やらの少女マンガ誌も展示されてて、その表紙を見たら星占いじゃなかったと思うけど「○○占い」というのがあったから、少女向けに占いってのは昔からポピュラーだったのかなと。
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