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2012'09.02 (Sun)

KATAGAMI Style 世界が恋した日本のデザイン

京都国立近代美術館で開催していたKATAGAMI Style展に行ってきた。
会期の前半に1回行って、会期末にも行った。面白かったんだけど感想を書くのに苦労してすっかり遅くなってしまった。他にも書かなきゃいけない展覧会の感想がたくさんあるのに!
京都展は終わったけど今は三重県でやってます。津まで行けばまだ見れるよ!
ミュシャも展示されてたけど、それが目当てというわけでもなく、ジャポニズム研究(?)のために見に行ったわけですが、どこまで真に受けていいのか悩ましい展示でした。もともとその文化圏に存在したデザインの知識があれば、それに対してどれだけ変化を与えたのかが実感できるんだろうけど、そこがはっきりしないからなあ。
それはさておき、展示されていたものはそれなりに楽しめた。
最初は日本の状況説明など。型紙がずらっと並べられつつ、生地見本とか、型染めらしき着物を着た人を描いた浮世絵とか、江戸時代や明治時代の着物なんかも展示されてた。
型紙の展示も面白かったけど、ちょっと見難かったかなあ。額装されてるけど、台紙?から微妙に浮いてて、照明で影ができてはっきりと模様が見えなかったり。型紙を傷めずに展示しようと思ったらしょうがないのかなあと思いつつも、この型紙を使ったらどんな柄になるのかってイメージがもう少し見えるとよかったのにな。型紙そのものも確かに綺麗なんだけど、型染めされた布ももっと展示されてるとよかったのに。図録である程度は補完できるけど、やっぱり実物のスケール感とか繊細さは出てない。
ともかく浮世絵はかわいかった。
そのあとは、英語圏、仏語圏、独語圏への影響、現代まで続く影響、という構成だった。なんでそういう順番なんだろう。時系列でいくとそうなるのか、影響の度合いなのか。分類方法がなぜ「言語圏」だったのかも謎。英語圏といってもイギリスとアメリカじゃ文化はだいぶ違うんじゃないんだろうか?それとも当時はまだイギリスの影響が強かったんだろうか。まあ、細かく語りだすと、同じ国でも地域による差異はあるだろうし、ヨーロッパは色々複雑だし、単純に国境で割り切れるものでもないのかも。図録の巻末にはもう少し細かく地域(国)を分けた解説があるようなので、これを読めばすっきりするかな?
日本編が終わった後、最初にどーんと出てくるのはビングの「芸術の日本」。だったらフランスが最初じゃないのかと思うんだけど、一応この本は英仏独の3ヶ国語で出版されてたから、フランスが一番ってわけでもないのか。順番で行くと最も古い海外の型紙コレクションはオランダだって話もあるしな。
資料として展示されていた、型紙を紹介した書籍、雑誌、カタログ的なものが面白かった。じっくり読みたかったけど、あんまり張り付いてても他の人の迷惑だろうし…と自制しつつもある程度時間をかけて読んでた。図録に載ってない部分もあるのが残念。リバティの広告とか面白かったのに。
音声ガイドで、日本ではぱっと見が無地のようで、近づいてみると細かい模様になってるようなのが好まれたのに、海外では大ぶりのデザインが好まれたという説明があった。確かに型紙を参考に生まれたであろうデザインって結構豪快だったりするんだよね。日本の場合、たしか江戸時代に贅沢禁止令みたいなのが出たりして、いかにも派手な格好がしにくくなって、お上の目を逃れるために色々と工夫を凝らしてたみたいな話を聞いたことがあるから、そういう理由もあるのかな?と思うけど。(かなり適当な記憶で書いてる)
ポスターは、ブラッドレーのチャップブックがかわいかった。
ミュシャの絵は、数は多かったけど説明が少なくて、その場ではいまひとつ型紙の影響がぴんとこなかった。直接参照したであろう図案が並べてなかったし、というか、たぶんそういう流用の仕方はしてないよね。たぶんこの辺がそうだと言いたいんだろうな、と意図を汲んであげることは可能だけど。
アドルフ・クレスパンのミツバチコーヒーのポスターがかわいかった。これ、1893年なんだよねえ。ミュシャがジスモンダでブレイクするより前。こういうのを見ると、ポスター画家ミュシャが生まれた背景を誰か解明して欲しいと思ってしまう。(この後、岐阜で見た象徴派展で、薔薇十字のポスター(カルロス・シュワーベ 1892)がミュシャに影響を与えたのでは?という記述を見た。)クレスパンのポスターはもうひとつあって、それもかわいかった。
よくミュシャに間違われるリヴモンのアブサンのポスターも見た。これ、実物を見たことあったかなあ。
ドイツ語圏のポスターは、あまり見たこと内容なのが色々あって面白かったな。ベーレンスの接吻おもしろい。オーストリアに行くとまた雰囲気が違って、グラフという人の皇帝なんちゃらパレードの色使いが派手だった。
ポスターは元サントリーミュージアム天保山のコレクションが幾つか出てた。今は大阪市立近代美術館建設準備室寄託(長い)となってるんだよね…。有効に活用されていると思っていいのだろうか。
元が型紙なのでテキスタイルデザインとして参考にされた事例が多いんだけど、織物で模様を出すより型紙で染めちゃったほうが簡単だから、という理由(だけでもないかもだけど)だったはずなのに、その模様を刺繍や織物で出してるものが結構あって、なんとも不思議な気分に。
フォルテュニー(フォルチュニィ)があったのにびっくり。こんなところで見るとは…。神戸ファッション美術館の常連的にはよく知った名前。
平面ものだけでなく、立体ものにも影響を…ってところで、壷とか食器とかインテリアもいろいろ。ガレとかドームとかラリックとか、おなじみの名前がちらほら。オルセー美術館から来てたさくらんぼの小物入れは、以前東京で見たっけなあ。その昔にも日本に来たことがあるらしいし(過去記事参照)、この手の展示要請があったときの出張要員なのかしら?なんて思っちゃうよ。
壁付水盤というのがあって、要は水道の蛇口回りの装飾みたいなもん?で、鯉が泳ぐ定番デザインなんだけど、鋭い歯がしっかり生えていて、なんでそんなことに…と苦笑。リアリズムなのか?あれは鯉じゃないのだろうか。(魚の見分けつかないけど、なんとなく違う気もする)
当時、型紙がどう受容されていたかという点で、ものすごく直接的な資料として、そのまま壁に飾ってたという写真が興味深い。
振り返ってみて感じたのは、結局、型紙を技法として大いに取り入れたのはイギリス(リバティ社)だけなのかなあ。現代編を見ても、リバティプリント以外は、絨毯だったり、ファブリック以外へのデザイン展開だったり、型染めとは関係なさそうな方面だった気がする。このコーナーにはペーパーブランクスのノートも出ていてちょっとびっくり。ペーパーブランクスといえばミュシャの装飾資料集柄のノート出してるところだよ。

その後、コレクション展も見た。当然のごとく、企画展関連の展示もあったよ。これがあるから見逃せない。着物が幾つか展示されてた。絵画?作品はよくわからなかったけど。
あとは、千種掃雲の特集が面白かったな。猫かわいい。夏の絵特集もよかった。長谷川潔も木版画や肉筆画、道具類まで展示されてて面白かった。近代洋画では渡仏作品特集で、浅井忠が見れて嬉しい。他にも浅井忠がらみで覚えた名前がちらほら。

そして売店ではこんな本を購入。ちょうど至文堂の「日本の美術」シリーズで浅井忠の本を読んでるところだったので、補足資料として。でも、京都時代だけじゃなくてもっと前の時代の詳しい話も読みたいなあ。いい本ないだろうか?
4763803050水仙の影 浅井忠と京都洋画壇 (日本図書館協会選定図書)
前川 公秀
京都新聞出版センター 1992-12

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4763803956京都近代美術の継承 浅井忠からいざよいの人々へ
前川 公秀
京都新聞出版センター 1996-05

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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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