2017年10月 / 09月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Edit |  --:-- |  スポンサー広告   このページの上へ

2012'09.24 (Mon)

生誕120年記念 田中恭吉展

和歌山県立近代美術館で開催中の、田中恭吉展に行ってきた。この展覧会はここでしか開催されないけど、田中恭吉に興味がある人は、何が何でも行って欲しい!行かなきゃ勿体無さ過ぎる!ってくらい充実した内容でした。
田中恭吉のことは、「月映」経由で知ってはいたけど、「月映」といえば恩地孝四郎のイメージが強くて、あまり詳しくは知らなかった。
1年位前に、駒井哲郎展を見たときか、ふと田中恭吉のことも調べてみて、もっと知りたいなと思っていたところだったから、何が何でも行かねば!ということで、早速行ってきた。
展示は、ほぼ年代順に。序盤はスケッチや、絵入り葉書がたくさん。この絵葉書がよかった。この辺、夢二の影響もあるのかなあな、かわいらしいイラストもあったり。阪神間住みとしては、西ノ宮海水浴場とか宝塚温泉場に反応したり(笑)。大阪の風景もあったし、恭吉は和歌山出身ってことだけど、阪神間にも縁があるんだろうか?(親戚が大阪にいたらしいけど。)
比較的読みやすい文字なので、つい何が書いてあるのか読んでしまったり。普通の手紙(連絡事項)なこともあるし、詩みたいなものだったりもした。
その後、恩地孝四郎と知り合ってからの書簡とか。夢二の名前もたまに出てくる。この辺でちょっと表現主義?的な、星や太陽の絵が印象的だった。
京都で夢二展を開いたときのものらしい、京都のスケッチもあったり。このときの写真をいつだったか、見たんだよな。去年見た夢二展だろうか?
油彩画も何枚かあった。印象派っぽい感じ?
回覧雑誌「密室」は、絵だけじゃなくて詩もおもしろかった。
それから、発病後の作品群が。下絵と版画が並んでるのが幾つかあった。ペン画がずらっと並んでるところで、「踊り子」という絵が、点描ならぬ○描画とでもいうのか、○を濃淡の調子を変えて描いていて面白かった。
そして「月映」登場。「月映」については、版画芸術の「月映」特集がわかりやすい。普通の雑誌かと思っていたら、最初は私輯(私家版みたいなもの?)だったらしい。公刊の方もあまり売れなかたっとか。つい、明星とか白樺と比べちゃうんだけど、関わった人たちを見てると立ち位置が全然違うよね、と思う。
4872422589版画芸術 157(2012秋)―見て・買って・作って・アートを楽しむ 特集:大正時代の版画誌『月映』の青春
阿部出版 2012-09

by G-Tools

最後に、最晩年の作品群が。タイトルのセンスが凄いよなー。この辺になってくると作品から漂ってくる凄みがすごすぎて、何も言えなくなる。薬包紙画稿とか、恩地宛の最後の書簡とか、生々しすぎる。
以前、青木繁の遺書的な手紙を見たときも感じたけど、死を予感しながら書いた手紙を読むのって、その人の存在をことさら強く感じる。
恭吉の死後、萩原朔太郎と恩地孝四郎が、遺作を用いて「月に吠える」を完成させるわけですが、これにまつわる萩原の手紙もぐっとくるね。その文章でだったか、恭吉をビアズリーにたとえてるところがあって、年代的にも10数年とかの違いだし、そういう見かたもあるのかーと感じた。
「月に吠える」といえばこの本も読まなくちゃなあ。
4000224824画文共鳴―『みだれ髪』から『月に吠える』へ
木股 知史
岩波書店 2008-01-16

by G-Tools

恭吉の遺品の中にムンク画集があった。ときどきムンクっぽいなと思う部分があったから、なるほどね。
この展覧会は、和歌山県立近代美術館のみでの開催で、所蔵品を中心に少しの個人蔵を足した内容で約300点とボリュームたっぷりの展示だけど、図録がないのが残念。その代わりというわけでもないけど、関連書籍としてこんな本が出ている。
4947666609田中恭吉 ひそめるもの
和歌山県立近代美術館
玲風書房 2012-09

by G-Tools

出品作の半分も載ってないかな?でも、文章はたっぷりなので読み応えはありそう。少し読んだだけだけど、田中恭吉や「月映」周辺の再評価というのは、案外新しい話なんだなということがわかった。

コレクション展は、田中恭吉と、次回企画展の川口軌外に関連する作品を集めていた。最初のほうは恭吉の時代。こうやって見ると、あの人と同世代なのか、とか、その前の世代がこの辺の人たちなのね、とか、立体的な見方ができるのがいいね。中村不折の「白頭翁」は妙な絵だったなあ。「月映」周辺人物もあってよかった。この辺の作品は恩地孝四郎寄贈なのか…。
佐伯祐三がたくさんあった。この辺からは川口軌外って人との関連だっけな?ヴラマンクとかあの辺のフォーヴ系が幾つか。高井貞二って人がちょっと面白そうだったな。その後に出てきた人たちは、京都とか大阪のコレクションにもあったよなあな名前が多かった気がする。下村良之助とか、三上誠とか、具体方面の人とか。
最後のほうは、恭吉や軌外とは関係なさそうな、現代寄りの人の作品も。
コレクション・ミニ企画として、「幻想の美術」もやってました。ドラクロワやファンタン・ラトゥール、ルドンやムンクなど、好物がいっぱい。ルドンはいつもより明るく感じた。なんでだろう。モチーフのせい?日本の幻想もあるよってことで、さっき出てきた川口軌外も少々。谷中安規もあるし、駒井哲郎もあるし、浜田知明もあるし、楽しいわー。瑛久とか難波田史男とかはあんまり関西では見ないかな?版画たのしい。
てな感じで、和歌山近美は版画に力を入れてるんだろうか?(日本の美術館はそういうところ多いけど。)コレクション展もとっても楽しめました。
関連記事

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

Edit |  01:16 |  アート  |  TB(0)  |  CM(0)   このページの上へ

Comment

コメントを投稿する


管理者だけに表示

このページの上へ

Trackback

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック

 | HOME | 
アクセス解析
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。