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2012'10.09 (Tue)

バーン=ジョーンズ展 英国19世紀末に咲いた華

兵庫県立美術館で開催中の、バーン=ジョーンズ展へ行ってきた。
モリス展やラファエル前派展みたいなのには何度か行ったことがあるので、バーン=ジョーンズも目にする機会はこれまでにもちょこちょこあった。
特に日本への影響(青木繁とか藤島武二あたりの時代)ってことでは、ロセッティと双璧をなしてるんじゃないかな?と勝手に思ってるんだけど、それがまとめて見られる機会があるならば、是非にということで行ったわけです。
一番見てみたい絵は階段の絵(正式タイトル忘れた)なんだけど、あれはよっぽどのことがないと来てくれないだろうなあ。
過去に見たラファエル前派展で、絵の中や絵のまわり(額縁の中)に文字が書かれていることが多いなあと感じていて、今回もそんなところに注目していた。英語だけど古い英語だからなのかすんなりとは読めないんだけど、雰囲気だけでも感じたくてがんばって読んでみたりしてた。
「鍛冶場のクピド」という絵があったんだけど、クピドはどこ?鍛冶場にしては薄着すぎる女子が鉄を扱ってたりするし。そういう突っ込みは無粋?
魔術師マーリンと女の人の絵が面白かった。背景を読んでから見ると、マーリン外道!と思っちゃう。そもそもマーリンってどういう扱いのキャラなんだろ?アーサー王伝説は断片的にしか知らないけど、ランスロットとグネヴィアだっけ?の道ならぬ恋と言えば聞こえはいいが…なエピソードとか、よくわからんお話だよなあ。
他にもいろいろ物語の一場面的な絵がいろいろあった。
クピドとプシュケの連作も面白かったな。この人の特徴として、1枚の絵の中に次元を超えて複数の場面を描くというのがあるらしく、たとえば移動前、移動中、移動後、みたいな3つの情景を1枚の絵に描いてる。これが私にはわかりにくかった。これがいいのかなあ…。
メデューサとペルセウスの絵でも、追いかけるメデューサの姉妹とペルセウスが近すぎて意味がわからなかったり。解説ではそのように描くことでより迫力が…とあったけど。
宣伝ポスターに使われてた「運命の車輪」は、トリミングされてたせいでいったいどういう絵なんだ?足蹴にされてる?と不思議だったんだけど、実物を見たら「運命の輪」ということでなるほど。こういう感覚はその昔ちょい不思議方面好きだった過去を持つ(笑)人間としてはすぐ入っていけた。
ピグマリオンは、英語タイトルがかっこよかった。日本語では、「恋心、心抑えて、女神のはからい、成就」となってるのが、英語は「The Heart Desires、The Hand Refrains、The Godhead Fires、The Soul Attains」となっていた。女神の足元に鳩が何羽かいたんだけど、一部踏みつけてるように見える。
ところでこれって、ほぼ同じ構図で2組存在するのね。今回展示されていたのは第2シリーズ。第1シリーズはもっと暗いトーンだったらしい。
http://en.wikipedia.org/wiki/Pygmalion_and_the_Image_series
ピグマリオンといえば、何故かバーナード・ショーの戯曲のペーパーバックを持ってたりする。買った理由?表紙目当てですよ、表紙。
0141439505Pygmalion (Penguin Classics)
George Bernard Shaw Dan H. Laurence
Penguin Classics 2003-02-04

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これは読んでないけど、大筋は知っている。映画のマイフェアレディも昔見たけど、結末は全然違うんだよね。バーン=ジョーンズのピグマリオンの結末は如何に…。
そして、梅田で巨大広告が出ていた、いばら姫の連作、やっぱりこれはいいねー。メインの油彩画もよかったけど、習作とされている「王宮の中庭」の一連の絵がよかった。
バーン=ジョーンズとウィリアム・モリスとは学生時代に知り合って仲良しだったそうで、学生時代に一緒に作った本(同人誌みたいなものか?)があった。もうひとつ、ご本人的には黒歴史なのか、自身の著作リストには載せていなかったという、学生時代に手がけた挿絵の仕事もあったり。ちょっとテニエルとかドレっぽいような…。その本が、会場を出たあとのグッズ売り場にあったのは笑ったけど。当時のものが売られてました(もしかすると初版ではなく再版かも)。値段は忘れたけどそれなりにしたと思う。
ケルムスコット・プレスでモリスと作った本はやっぱりいいよなー。ちょっと濃すぎるという気がしないでもないが。1ページ目に簡単なあらすじが書かれているみたいで、ちょっと読んだりしてた。
モリス関連でいうと、タピストリーもあった。でっかい。
ラファエル前派というべきかよくわからないけど、その辺の繋がりで、バーン=ジョーンズの仕事をウォルター・クレインが引き継いだという話があった。でも結局その出来が気に入らなくてバーン=ジョーンズが手直ししたとか書いてあった気がする。
今回はバーン=ジョーンズ中心の展覧会だったから、ラファエル前派とかアーツアンドクラフツ(モリス商会)のネタは控えめだったかな?
グッズ売り場では、アンティーク版画も売っていた。アンティークでもない感じのプリントもあったような。関連してロセッティもあったり。ビアズリーもあったけど、それはちょっと強引じゃ…。
グッズは買わなかったけど、ラファエル前派の本を買ってみた。お手軽ハンドブック的なものは既に1冊持ってるんだけど、なんとなく。
4897375681ロセッティとラファエル前派 (Coffee Table Books)
松下 由里
六耀社 2006-11

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でも買ってから、ちょっとロセッティ率が高すぎたかな、と思った。まだ全部は読んでないんだけど、載ってる図版がロセッティが多い。既に持ってるのは以下の本。これはコンパクトさに対して内容が充実してると思う。
4422211544ラファエル前派―ヴィクトリア時代の幻視者たち (「知の再発見」双書)
ローランス デ・カール 高階 秀爾
創元社 2001-03

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今回買った本を拾い読みしつつ、ラスキン~モリスの思想と近代ってのを考えるのも面白いなあと感じたり。ピサロ展で知った印象派の考え方と共通点があるような気がしたり。しかし、今回のバーン=ジョーンズ展の感想とは全然関係ないような…。バーン=ジョーンズのそっち系の思想的なものまでは、まだよくわかってないです。
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