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2013'01.14 (Mon)

クリムト 黄金の騎士をめぐる物語

愛知県美術館で開催中のクリムト展に、新年早々、1/3に行ってきた。
テーマは「黄金の騎士をめぐる物語」ということで、愛知県美術館のコレクションの目玉作品である「黄金の騎士(人生は戦いなり)」を中心に、クリムト周辺を俯瞰するような展示でした。
クリムト目当てに行った人には、もしかすると物足りないのかも?クリムト率も低めだし。でもウィーン分離派やウィーン工房は大好物なので私は楽しかった。特にヴェル・サクルムがたくさん見れたのが楽しすぎた。
「黄金の騎士をめぐる」展示部分もなかなか面白かった。甲冑とか兜とかデューラーの版画とかヴェル・サクルムの図版とか。兜がポップすぎてびっくり。単体で見るととてもそんなに古いものに見えないんだけど(1500年ごろ)。絵の一部が書き換えられているという話があって、その比較のために当時の写真が展示されてたんだけど、たしかに…。絵のほうもよく見ると確かに消された跡が…。細かいことまで拘ってるのねえ。よく見ると馬の毛並みがふさふさしていて気持ちよさそうだった。
黄金の騎士って以前はそれほどクリムト作品として重要なものでもないのかなと思ってたんだけど、(だって美女じゃないし・笑)こうやっていろんな角度からじっくり見るとなかなか面白い絵なんだなあと感じた。
発想の元になったのがデューラーの版画ということだけど、全然イメージ違うし、単に騎馬像ってだけなら特にデューラーのこの絵だと特定する意味がないような?と思ったり。デューラーである必要があったんだろうか。
これに限らず、クリムトって案外いろんなところから影響を受けてて、それもかなりストレートに表現してるな、と思った。でもちゃんとクリムトの作品としてまとまってるからえらいんだけど。
この展覧会で提示されていたのは、シュトック。横顔の戦いの女神像なんて、もろそのまんま。
この会場には展示されてなかったけど、図録にトーロップからの影響について論じられていて、そういうルートもあるのか…と。
あと、アカデミックな絵画から分離派結成に至るきっかけになったらしいのが、クノップフだったというのが、へー。ベルギーだ!象徴主義だ!

さて、ここからは展示を順番に振り返ってみる。
ウィーン分離派の幕開けとしては、例のポスターがあるわけですが、検閲前と検閲後が並んでたよ。おなじみ京都の工芸繊維大学コレクションが来てました。このポスターはリアルタイムで蒐集・収蔵されたという歴史を知ってるから、見るたびにちょっと心が弾む。(京都工芸繊維大学設立時に、浅井忠か武田吾一だっけ?が資料として現地で蒐集したもの)
このポスターを見ると思い出すのが、京都で見たポスター展。図録の表紙が検閲前バージョンで、主催者に突っ込みを入れたかった。あの展覧会も楽しかったんだよなあ。ウィーン分離派のポスターは今回出てたのと同じのがたくさん出てたし。チェコのポスターについての文章とかもあって、珍しい視点の展覧会だったと思う。ちょっと脱線。
分離派がらみのポスターはクリムト以外にもいろいろ出てた。オルブリヒとかロラーとかいいよねー。「3つの紋章を組み合わせた図案」についての解説が詳しく図録に載ってたので、ほぼそれを目当てに図録を買ってしまった。昔見た展覧会でもこの図案についての解説があったんだけど、ちょっと物足りなかったので、これで満足。
他にもモーザーやらなんやらポスターがいっぱい。たのしー。この辺でふと気づいたんだけど、版上サインのうち、ファーストネームは略称になってることが多くて、コロマン・モーザーの場合、KOLOとなってたり、アドルフだったらADとか、イニシャルじゃなくて最初の何文字かを取り出してるのが妙に気に入ってしまった。
そしてヴェル・サクルムがずらり。会場内に点在する形で置いてあったんだけど、表紙だけでなく中身も開いてあって、いろいろ見れたのが楽しかった。図録を見てたら展示されてたのに載ってないページもあってちょっと残念だったけど、あとで調べたらネット上に公開されてた。これで補完できるかも。しかし頁数が多いから目的のものを探すのは大変だけど。あと、私が行ったときには展示されてなかったけどミュシャが表紙の号もあった。その絵は見たことはあったんだけど、ウィーン分離派と結びつけて頭に入っていなかったので、そうだったのかと新たな発見だった。その号の中身もネットで見れるよ。ドイツ語だけど。解説ないけど。
http://anno.onb.ac.at/cgi-content/anno-plus?apm=0&aid=vsa
http://www.ub.uni-heidelberg.de/helios/fachinfo/www/kunst/digilit/artjournals/ver_sacrum.html
レンツという人の作品で、女性が輪になって踊ってる絵があった。「輪になって踊る女性の図」ってよく出てくるけど、何のイメージなんだろう?
分離派への影響ということで、マッキントッシュの作品もまとめて展示されてた。スコットランド!建築図面なのになんであんなに可愛らしいんだろう。ジョルジュ・ミンヌという彫刻家は始めて知ったんだけど、その影響は言われてみればなるほどねー、でした。
会場内にばらばらに、「哲学」「医学」「法学」の巨大な写真パネルがあった。写真だし、モノクロだし、どうなんだろうと思ったけど、原寸大で体感できるのはなかなかの迫力。
分離派展がらみでカンディンスキーのポスターがあったんだけど、馬といえばカンディンスキーだよなあ。と、この展覧会のテーマである黄金の騎士を思ったり。
で、黄金の騎士コーナーがあって、ウィーン工房が出てくる。家具とか食器とかいろいろ。見覚えのあるものも多い。昔サントリーミュージアム天保山で見たっけなあとか。汐留でも見たっけ。モーザーとかホフマンとか。しかし「総合芸術」ということを考えると単品だけ見ても意味がないんだろうなあ。でも「生活まるごと」を展示するのも難しいしね。
ジャポニズムの影響として、蒔絵とか金屏風とか着物とか型紙とかが並んでた。最近いろんなところで型紙に出会うような…。ブーム?
そういえば図録がなかなか凝っていて、一面金色に見えるところがよく見ると金箔の継ぎ接ぎっぽいのが見えてる。
クリムトの風景画、アッター湖畔があった。制作方法として紙を四角く切り抜いたものをフレームにして絵になる構図を探していたということで(ファインダー)、その制作方法はどこかで聞いたような…と思ったり。割とポピュラーなのかしらね。
あと、次世代ということで、ココシュカも展示されてた。
最後のほうにジュエリーがあった。実物はとても可愛かったんだけど、図録の写真はいまひとつ…。光り物は難しいよね。
出口の手前あたりにストックレー・フリーズの再現が。ここは写真撮影可だった。
という感じで、クリムト展なんだけど、クリムト作品そのものの感想が薄いような…。最後にまとめて書いておくと、赤子の絵はなにがどうなってるのか謎だった。あれは全部布切れなのか。肖像画はつい手元を見てしまう…。日曜美術館で横尾忠則があんなこと言うんだもん。死後の肖像というのはあの時代はときどきあったのかなあ。序盤のアカデミックなところは上手いわねー。素描もそこそこあった。
クリムト展の出口は常設展示室に繋がってた。というか、常設展示室の一部を企画展示に使ってたのか。
入っていきなりドイツ表現主義が!濃い。コルヴィッツとかノルデとか。版画が多かったけど一部油彩も。この辺も好きな系統なので嬉しかった。カンディンスキーの抽象過ぎない作品もあったり。
現代美術系はこないだ来たとき(あれは夏だっけ?)と同じだったような。
近代洋画の部屋はそれなりに。ゴーギャンの裏表が面白かった。
熊谷守一のお部屋も楽しかった。守一作品は板絵が多いけど、たまにキャンバスもあるらしいということで、その辺をちょっと見てた。
あと、落語とかもあったんだけど、時間がかかりそうだったので途中で抜けちゃった。
感想はだいたいこんなもんかな。あとは、ミュージアムショップで図録を買うかどうかさんざん悩んで、やっぱり買おうということで、買ってしまった。また物が増えるよ…
3月から丸山応挙展なんだね。応挙、ちゃんと見てみたいけど、3月は何かと忙しそうだしなあ。というか、1月から3月までの間に行きたい展覧会がありすぎて困ってるんですけど。こなせるんだろうか。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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