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2013'01.20 (Sun)

ミュシャを愛した日本人

堺市文化館アルフォンス・ミュシャ館で開催中の「ミュシャを愛した日本人」展へ行ってきた。見てきたのは前期展示。
アルフォンス・ミュシャ館は、堺市が持つ約500点のミュシャコレクションを展示公開する施設。一度に展示される数は100点くらいかな?年に3回くらい内容を変えて企画展示をやってます。
「カメラのドイ」の創業者、土居君雄氏のコレクションを寄贈されたことから始まったもので、通年でミュシャをそれなりの数まとめて見られる日本唯一の公共施設です。コレクションは初期から晩年まで揃ってるし、素描から油彩、代表的なポスターまでバラエティに富んでます。
ミュシャファンは日本に多いはずなのに、ここの存在を知らない人が多いんだよなあ…。ミュシャ目当てにプラハへ行ってミュシャ美術館だけ見てくるよりはよっぽどここに来た方が充実してるんじゃなかろうか。プラハは行ったことないけど、うわさを聞く限りあまり大きくないらしい。財団コレクションは膨大だけど、それとこれとは別問題らしい。旅行の目的が別にあればそれはそれでいいし、実情をわかってて行くならいいけど、ミュシャが見たい→プラハのミュシャ美術館!となってる人がいれば、勿体無いなあと。余計なお世話だけどね。
今度、財団秘蔵展が日本に来るけど、個人的には、財団コレクション単体で回るんじゃなくて、世界中のミュシャコレクションから厳選した回顧展とかやって欲しいんだけどなあ。日本で最後にその手の展示があったのは、1990年代後半の「生涯と芸術」展くらいじゃなかろうか。財団コレクション抜きでなら、生誕150年展とかあったけど。海外だと、財団コレクションも含めた大規模な回顧展は、数年前にフランス、ドイツ、オーストリアでやってたみたい。色々難しそうなことは予想がつくんだけど、どうにかならないものかなあ。
脱線終わり。

さて、「ミュシャを愛した日本人」展は、ミュシャ率はかなり低いです。ミュシャが見たくて行った人にはちょっと物足りないかも。「ミュシャを見ること」が目的な人は次の企画展まで待ったほうが無難。でも私にとってはものすごく楽しい企画でした。
まずは1900年のパリの世相を見ましょう、ということで、ミュシャの絵とともに、同時代のポスターや雑誌が展示されていた。ミュシャ以外もかわいいよ。ジャポニズムがどうフランスに伝わったかという参考資料もあったり。ビングの「芸術の日本」とか、葛飾北斎の伝記とか。北斎は不勉強でジャポニズムとの絡みもまだよく理解しきれていない。まだ広重の方が理解しやすいんだけど、今後の宿題かしらねー。
次は白馬会。先ほどとは逆に、アールヌーヴォーの日本への伝播について。この辺は得意分野なので楽しく見れました。藤島武二の白馬会ポスター(図案)が後期展示だったので見れなくて残念。パネルは出てたけど。何故か棕櫚の葉を持っている。ああいうのって、あの時代にどこまで意図が伝わってたのか気になるところ。
1900年前後に海外渡航した人々が持ち帰ってきたポスターは一体どんなものだったのか、それがどう日本にいる人々に伝わったのか、そういうことを考えるのも楽しいよねー。名前しかわからなくてひとつに特定できなかったり、その名前も怪しかったり、そもそも名前も不明だったり。当時の人々は何を見て、どう影響を受けたのだろう。現地に行った人よりもむしろ行かなかった人の方に色濃く影響してるようなところも面白い。
今回は堺市の所蔵品以外のものもたくさんあって、京都工芸繊維大学工芸資料館のポスターとか、すっかり顔見知りなポスターたちと再会したり。前期にはグラッセのジャンヌ・ダルク(サラ・ベルナール)のポスターの修正前バージョンが出てたけど、後期に出るやつは修正後のアレだろうか…。
白馬会を起点にして、黒田清輝人脈から広がっていくさまも紹介されてました。
まずは明星の表紙のアレ。ミヤウジヤウのレタリングが可愛い。個人的にあれを「ぱくり」とは呼びたくなくて、今みたいに簡単にオリジナルに触れることができなかった時代に、海外の最新動向を伝えたい気持ちがああいう形になっただけだと思いたいんだよな。私が「もどき」と呼ぶときは愛をこめて言うことが多いです。
しかし、100年以上前から変わらずミュシャの絵には、日本人に対して「真似したい」と思わせる何かがあるのか。明治時代のあれこれを知ってみると、当時から日本人の感性ってあんまり変わってないよね、と思わされることが多いです。ミュシャに限らず。
ラ・プリュム誌に掲載された、「ムッカ氏の肖像」の元絵が紹介されてたけど、あれを描いたのはミュシャの友人なの?名前度忘れしたけど、うちにある資料を漁ったら名前わかるかな。
藤島武二の装丁も幾つか出てた。晶子文芸館で何度か見てるけど。ああ、武二の単独展が見たいぞ!と武二を見ると反応してしまう。二人展なら比較的最近あったやつを見たけどさー。
杉浦非水も出ていた。「三十六年」という雑誌の表紙と裏表紙がかわいかった。なぜかサインに注目してみてた。みだれ髪かるたもいいなー。あれは全部で何枚あるんだろう?完成品ではないんだよね?明星誌上に掲載されたものらしいのが出てた。
方寸とかも出てたり。黒田経由だけじゃない、浅井忠も出てたよー。こっちは京都への流れなんだよね。ビングとの出会いをきっかけにした工房設立の話とか。
橋口五葉も出てました。吾輩は猫であるの装丁とか。かわいい、かわいい、かわいい!
あと、与謝野晶子の書籍の装丁も幾つか並んでた。
最後に、土居君雄氏についての紹介も。前に来たときに資料を読んでたからすんなり入ってきたけど、土居さん=カメラ屋の社長、ということを改めて意識してみると、なるほど(笑)な部分が。写真パネルの展示の中に、ロートレックのカメラのポスターがあった。

今回は資料展示が多く、解説もじっくり読んでるとあっという間に時間が経過する。ガラスケースにへばりついて細かいところまで見ていたので、周囲の人の目には怪しい人と映ったことでしょう(笑) そうそう、いつもミュシャ館は人が少ないんだけど、この日はいつもよりは多かった。あくまで「いつもよりは」。
後期も行くかどうかは悩ましいところだなー。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

Edit |  17:31 |  ミュシャ一般  |  TB(0)  |  CM(0)   このページの上へ

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