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2013'03.29 (Fri)

ミュシャの世界とパリに咲いたスラヴの華

最近ミュシャ関連の本が続けて刊行されています。私の長いミュシャ歴からすると、ここ2~3年は出すぎってくらい出てるような…。それぞれに特色や見所があるといいんだけど、こう続けて出されるとなかなか特長を見出すのも難しい。
とりあえず最近出た2冊について、簡単なレビューなど。

ミュシャの世界(新人物往来社):A5、¥2,310、159P
4404041810ミュシャの世界
新人物往来社
新人物往来社 2013-02-13

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堺市文化館アルフォンス・ミュシャ館が全面的に協力した本。コラムの執筆陣は、冨田章氏(東京ステーションギャラリー館長/元サントリーミュージアム天保山学芸部長)、白田由樹氏(大阪市立大学/サラ・ベルナール研究)、小野尚子氏(兵庫県美学芸員/スラヴ叙事詩研究)。ちなみにわたくし、この3人ともお目にかかったことがあります。といっても個人的に会ったわけではなく、講演会等でお話を聞いた程度ですが。
堺市のミュシャ館はリピーターだし、執筆者はみなさん関西に縁のある方々だし。というわけで肩入れしまくりの感想になってしまう。
第一印象としては、装丁が好み。人によって好き嫌いがあると思うけど、私はこの、派手過ぎない柔らかい雰囲気が好き。
本文の印刷もよいと思う。過度にコントラストを強調しないところも。そのせいでちょっとくすんだ色合いのものもあるんだけど、それも味よねってことで。A5版だけど、変にトリミングせず紙面を最大限に使って図版を掲載している。かといって全くマージンもなく詰め込んでる風でもなく、抑制が効いてる印象。

構成は以下の通り。
1 パリ時代1―挿絵画家からの飛躍
2 パリ時代2―ポスター画黄金期
3 チェコ時代―アメリカから祖国へ
4 ミュシャの工芸
5 ミュシャ芸術の本質―家族と祖国を愛した時代の寵児

図版のセレクトは標準的かな。堺のドイコレクションを中心に選んでるから、ちょっとしたカタログみたいな受け止め方もできる。1900年の四季が中途半端なのはドイコレにないせいか…。ドイコレ以外の作品も掲載されている。スラヴ叙事詩が全部載っている。
紙面の半分以上はパリ時代に割かれてるし、スラヴ叙事詩が全部載ってる本も最近は増えてきてるので、どうしてもこれじゃなきゃ!な訴求ポイントは図版的にはあんまりないかも。
ただ、ドイコレクションの一点ものが結構載ってるので、コンパクトにその辺の図版を手元に置きたい人にはいいかも。(過去の展覧会の図録とか、三省堂のミュシャ作品集あたりでもカバーしてるけど、ちょっとかさばるので…)
コラムが4本あって、ちょっと内容が被ってるなーという箇所もあったけど(スラヴ叙事詩のコラムと巻末のコラム)、内容は興味深いものとなっている。ミュシャ中毒の私としては何か新しいことが知りたいわけですが、スラヴ叙事詩のコラムはちょっとだけその欲求を満たしてくれる内容となっていました。

ミュシャ パリに咲いたスラヴの華(小学館):B5、¥2,520、128P
4096820784ミュシャ: -パリに咲いたスラヴの華
千足 伸行
小学館 2013-02-22

by G-Tools


「ミュシャ財団秘蔵ミュシャ展 パリの夢、モラヴィアの祈り」開催記念出版だそうな。そんなわけで展覧会の告知ページもあったり、財団からのメッセージもあったりする。監修は千足伸行氏。ミュシャ財団キュレーターの人も寄稿してる。
事前にこの本が出るという話を聞いたときは図録の書籍化かと思ったけど、実物を見てみると違うようで。財団の所蔵品以外も掲載されている。(説明が無い限り財団の所蔵品だって書いてあるけど、ラ・ナチュールはどう見ても堺のの写真なのに何も書いてないのは何事だ。書き忘れ?)

構成は以下の通り。
第1章 パリの華(演劇ポスター/広告ポスター/装飾パネル)
第2章 スラヴの心(民族芸術への回帰/神への思い、故郷への愛情)
第3章 ミュシャの原風景(イヴァンチッツェ/プラハ/ミュシャ・ハウス ほか)

ページ配分は、第1章が約70ページ、第2章が約25ページ、第3章が約20ページとなっている。
一番ボリュームが少ない第3章が一番面白かった。この部分がこの本の特色と言えるかも。第2章もそれなりに面白い。紙面の大半を占める第1章は基本的な事柄なので外せない内容ではあるけど、この本ならではってのは特に無い。コラムはそれなりに面白いけど目新しいことはないかな?でも入門編としてはいいかも。
図版の質は標準的。特にいいとも悪いとも…。図版がどーんなページもあるけど、個人的には読み物的な部分が楽しめる印象かな。
繰り返しになるけど、全体の構成が展覧会の内容に即してるようでもなく、ページ配分からもわかるように華やかな時代が大半を占めているし、コラムとか広告ページがあるとか以外は何がどう「開催記念出版」なのかは謎。
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テーマ : アート・デザイン - ジャンル : 学問・文化・芸術

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