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2013'04.29 (Mon)

謄写版の冒険

いつのやねんな感想ですが、和歌山県美術館で開催していた「謄写版の冒険」展に行ってきた。会期末ギリギリの上、閉館まであと1時間半とかいう無茶なタイミングで。
和歌山県美は前にも来たことあるのでだいたいのボリュームは予想していたから絶対時間足りないだろうなーと思ってたら案の定。道中いろいろあったんです…。
謄写版というのはガリ版印刷のこと。「=」で結んでいいのかどうかはよくわからないけど。プリントゴッコもその一種らしい。(若い世代だとプリントゴッコがわからない人もいるのかな…)昔、小学生くらいの頃の学級新聞とか先生が配ってたプリントが謄写版で出来てたんじゃないのかな。機械そのものは見た記憶はないんだけど、なんとなく。
謄写版についてはネットを調べるといろいろ出てくる。(Wikipediaとか)
孔版の一種で、シルクスクリーンにも似てる。実物を見た印象だと、インクの盛り上がりがわかりやすいかな。シルクスクリーンの方が平面的。ただ、これも版を作る人次第なところがあるようで、ものによって、ぱっと見は木版画みたいな仕上がりだったり、銅版画のようにも見えたり、これが謄写版だ!という特徴は、残念ながら駆け足での鑑賞では掴みきれなかったかも。
説明には、あまり細かい線は表現できないとか書いてあったけど。あと、インクはやっぱり違うみたいだね。印刷技術としての謄写版だけではなく、謄写版ならではの表現を求めて制作にいそしんでいた人がいて、そういう人たちの作品が展示されていた。それを見た印象だと、シルクスクリーンよりは泥臭い感じがした。銅版画より立体的な印象?
展示の中には資料類も多くて、謄写版を普及させるために出されていた宣伝用の機関紙みたいなのとかがあって、それが面白かった。謄写版のアピールだから謄写版で印刷されていて、そりゃそうだよなと思いつつも、そうなんだーという驚きもあったり。印刷工からアーティストが生まれるというのも面白い。
謄写版はシートに印刷したい内容を直接書き込むというのが基本で、後に転写技術は色々出てくるんだけど、最初のほうにあった活字風の手書き文字が面白かったな。方眼紙みたいなマス目が入ったシートを使ってその中に一定の規則に従って文字を書き込む、みたいな感じでやってたみたいだけど、昔の印刷物とかでああいう字体を見たことがあるような。あれって謄写版だったんだろうか。知らないうちに謄写版の印刷物を目にしてたのかもなー。
版画に興味を持ったことを契機に印刷物全般にも興味の範囲は及んでいるので、謄写版の技術的な話が一番興味津々だったのに、展示資料をじっくり読んでる時間もなく、カタログもなかったために、残念な結果になってしまった。会場に置いてあった小冊子、読んでる暇なかったし、売り物かと思って後で買えばいいやと思ったのに売ってなくて残念。
カタログ代わりにはならんかもだけど、ミュージアムショップにあった本を買ってみた。
4469222186ガリ版ものがたり
志村 章子
大修館書店 2012-03

by G-Tools

謄写版が普及するにつれて、謄写版によるアート表現を試みる人たちが増えて、でも印刷技術が発達して手軽なコピー機が普及したこともあって、謄写版自体がマイナーになるとともに謄写版アートも下火になるんだけど、それでも謄写版ならではの味を好んで利用する人もいる、という世の中の流れに影響を受けまくる状況が興味深い。
ミュシャ好きをやってると、アートと工芸の関係とか、商業芸術だの、版の複数性だの、「純粋」な芸術でない要素に目が行くんだけど、謄写版はもろに周辺事情に影響を受けてるところが面白いなあと。他の版画技法も大なり小なり影響は受けてると思うけど、印刷技術として主流だったものをリアルタイムで現場で働いていた人たちが芸術表現として昇華させたという点が近代的だなあと。民藝とはちょっと違うけどなんとなく通じるものがある?
木版画や銅版画が印刷技術として主流だった時代に版の芸術性みたいなのを意識した人もいるかもしれないし、石版画だとロートレックとかボナールとかがその平面性に惹かれて利用してたというのはあるけど、まだまだ商業との結びつきが強かった気がするし、職人と絵描きは分離されてたんじゃないだろうか。
よく考えてみれば純粋芸術だって世の中の技術の流れとか世間の動向と無関係ではいられないはずなんだけどね。そういうことをつらつらと考えるのであった。
コレクション展と、小企画展も駆け足で見てきた。自業自得だけど時間が足りなさ過ぎる。
コレクション展は前に田中恭吉展に来たときにもあったものがちらほら。時間がないこともあってこの辺はかなり飛ばした。田中恭吉周辺がちらほら展示されてるのが嬉しい。
小企画は版画がいっぱいあって、もっとじっくり見たかったなー。恩地幸四郎の飛行官能が!こういう書籍類の展示はガラスケースの中に表紙だけとか中身が1ページかそこらしか見えないのがもどかしい。もっと見たいよー。たしかこの本だったと思うけど、たしか藤森静雄への献辞が書いてあった。なんかいいよね。月映の繋がり。それがここにあること。他にも色々あったけど、駆け足で見たので…。蔵書票かわいかったなー。小さいものが好き。
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