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2014'01.30 (Thu)

オディロン・ルドン 夢の起源

2013年10月初頭の話。岐阜県美術館で開催していたルドン展に行ってきた。
岐阜県美のルドンコレクション展は前にも見たことあるし、岐阜県美も何度か行ってるし、目新しいことはないのかな?と最初は思ってたけど、ボルドー美術館からもたくさん来てるらしいと知って、それなら…と行くことに。(他に近くに行く予定があったからというのもある。)
ルドンの影響源として、ブレスダンは有名だけど、今回は他に植物学者クラヴォーの植物画もあったり。
ブレスダンの絵も何度か見てるわけですが、善きサマリア人(かな?)がなんだか大きく感じて、よく見るとボルドー美術館所蔵となっていた。(いつも見てるのは岐阜県美のコレクション。)サイズ違いの版があるってことなのかな?
ロビー(ホール?)のワークショップコーナーに拡大パネルがあって、さらに細かく見ることもできて面白かった。
ルドンの絵は同じようなモチーフを繰り返し利用することがあって、今回もアポロンの絵が何枚か並んでて面白かった。
ルドンへの影響源ということで、当時の時代背景の説明もあって、なるほどと感心した。
ひとつは植物学で、これはアールヌーヴォーにもちょっと関連するよね。作品としての現れ方には随分と違うものがあるけれど…。ミュシャ的なパターン化された装飾もあるし、ガレ的な自然の表現もある。アーツアンドクラフツも植物と密接に関わってる。学術的な植物画も好きだし、ルドンみたいに幻想方向に突き抜けるのも面白いし、装飾として花開くのも楽しい。関心の持ち方は人それぞれなのかもしれないけど、自然科学や科学技術の発展という共通する背景があるんだとしたら面白い。
もうひとつ、世紀末には深海ブームがあったらしい。その解説を読んで、ルドンに捧げる仏陀の絵を思い出した。(常設展示室にあった。)仏陀といえば京都近美のアレもあったなあ。
これは土田麦僊旧蔵品で、もうひとつ、大原美術館所蔵の作品もほぼリアルタイムで日本に入ってきたルドン作品だとかで、それを一緒に見ることができるのは不思議な感じ。
深海ネタに戻ると、直接の関連は不明だけど、青木繁のわだつみのいろこの宮とか、レーピンのサトコとか、海中の図が思い浮かんだ。アールヌーヴォーは海とか水のモチーフも多いし、何か関連あるのかな?
ちなみにルドンと深海の関係は、海中の風景というよりは、海中生物の方に重点が置かれてたのかな?
それに対する賛美であれ、反動であれ、同時代の美術に影響を与えていたのかもしれないということを知ると、他の同時代の作家の絵に対しても見る目が変わったり、視野が広がるのが楽しいな。
と、ルドンの感想が少なめなことの言い訳をしてみたり。
ルドンの兄弟も画家だったり音楽家だったりしたということで、楽譜が展示されてたり演奏が流れてたり。絵は前にも見たことあったっけなあ?音楽は初めて。
ルドンの故郷としてペイルルバードという名前は何度も目にしてたけど、ボルドーという意識は全然なかった。生まれはボルドーで育ちはペイルルバードってことなのね。

コレクション展も見てきた。山本芳翠たくさん見れた。ルドンもあった。
ルドンの屏風(衝立っぽいやつ)も展示されてた。たしか象徴派展のときにも見たなあ。あのときはガラスケースの中だったけど今回は生身でどーん。大胆な…。
最後の方が地元の工芸コーナーになってて郡上紬と紋紗が面白かった。
郡上紬については又聞きだけど、身内の知り合いに郡上出身の人がいて、その人によると、おろしたては生地が硬いのでしばらくは寝巻きとして着用して、なじんできたら訪問着にしてたとかなんとか。
紋紗はあれが織って出した模様だなんて思えないくらいすごかった。何をどうしたらああなるんだ…。作家の土屋順紀という人はまだ50代なのに人間国宝になってるし、よっぽど凄い人なんだなあ。

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2013'12.01 (Sun)

生誕130年 橋本関雪展 ―豪腕画人 関雪登場―

兵庫県立美術館で開催していた橋本関雪展を見てきた。9月末のこと。
橋本関雪は唐犬図と木蘭を知ってるくらいで、あまり詳しい経歴とかまで頭に入っていなかったんだけど、何故か前売り券を買ってしまって、見に行った。動物画は気になるし、せっかくなんで見たいなーというくらいの軽い気持ち。(動物画といえば去年、京都でやった山口華楊展に行き損ねたのをいまだに悔やんでいる。今年は竹内栖鳳やるのでこれは絶対行く!)
会場に入ると、すぐのところに金山平三の旧蔵品というものが。関雪と金山は同年生まれらしく、同郷。美校時代に多少付き合いはあったみたいだけど、それより関雪は金山平三の父親と懇意にしていたという話が不思議だった。
展示を見てると若くして画才を発揮するも家庭の都合で10代後半からしばらくは大変だったらしいという漠然とした情報しかなくて、どの程度の苦労だったかはわからない。(会場内に置いてあった図録を見てみたけど全部は読めないし、少し読んでみただけでは具体的にどんな生活をしていたのかはよくわからなかった。)でも25で文展に入選して以降は特に暮らしに困った風な説明はなかったし、幾つも別荘建てたりして、生活は安定していたような印象。
両親や祖父母が教養人で本人も漢学とか漢詩とか詳しくて、中国の故事とか儒学の知識も豊富だったようで、そういう素養に基づいた絵を描いていたりするんだけど、南画って難しいんだよな…。精神性が云々言われてもよーわからん。(この文章自体が知識がないことバレバレな書き方だ。)
で、まあそんな生い立ちだから若い頃から大人との付き合いがあったのかなあ?というところで、金山平三エピソードに戻るわけです。父親と付き合いがあったから、その息子の平三のことを、同い年と聞いて意外だった、もっと年下かと思ってたとか言ってたらしい。
13歳のときの作品が展示されてたんだけど、上手すぎる…。
活動期間は1900年ごろから1940頃まで(1945年没)。
唐犬図と木蘭は見たことがあって、それは近代日本画、現代風(と言っても昭和初期だけど)といった文脈で取り上げられてたような気がする。(具体的に何の展覧会で見たのかはよく憶えてないんだけど。木蘭は確かここ、兵庫県美で見たはず。)
それを思えば不思議ではないんだけど、金山平三と同い年というのを聞いて、ちょっとだけびっくりした。近代的ではありつつも、題材は中国の故事だったり、南画とか割と古風(という表現が適切かは不明だけど)な絵を描いてたりもするから、あんまり昭和のイメージがなかった。61で亡くなったので、長生きしてればもう少し近い年代の人って意識も持てたのかな?(80として昭和40年ごろまで活動してた可能性も…)
竹内栖鳳に師事したけど、ほどなくして袂を分かったとか。京都に別荘を建てて画室を構えてたらしいけど、いわゆる京都画壇とは距離を置いてたらしいとか、そんなエピソードも。終戦間際に亡くなったために没後の回顧展などで画業をまとめられる機会がなかったせいで、記録や資料の整理なども進まなかったらしい。
(そういや竹内栖鳳も、京都の美術館によく行ってる身からすると十分知名度あるように思えてたけど、全国区では案外知られてない作家らしい。最近の回顧展で一躍脚光を浴びてるようなことを誰かが言ってた。)
ということで、久々の大回顧展なんだそうで。
展示作品のキャプションを見てたら、姫路市立美術館所蔵のが幾つかあった。関雪の父親は明石藩の人だったらしいけど、姫路は遠いような?そうでもないのか?
そういう背景を鑑みつつ、作品の感想など。
最初にそんなに最近の人という気がしていなかったという感想を抱いたように、比較的正統派というか、古風というか、新古典派とか呼んだりもするらしい、そんな作風が多い印象。
割と繊細な線で描かれた絵が多いのかな?と思いながら見てたら、「南国」という絵でびっくりした。色も派手だし線も力強い。こんな絵も描くのねー。
古風と言いつつも、たぶん日本画の伝統から行くと今風ではあるのかな。その今風が大正時代だったり昭和初期だったりするから、今見ると古風に見えるってだけで。
登場人物がその時代の現代人ではなく、歴史上の人物だったり仙人だったりするから、あまり時代を感じないのかな。洋装の人物なんかが出てくるといかにもな時代性を感じるんだろうけど。(大正ロマン、昭和モダン、とか呼ばれるタイプの日本画とか、あるよね。)
ひとつ、ちょっと雰囲気が違うなと思った人物画があった。三幅対の掛軸。真ん中に木があって左右に男女が描かれてる。これも中国の古い言い伝えみたいなのだったと思う。親孝行がどうのっていう。ぱっと見たときはただ、不思議な感じがしただけだったんだけど、後で解説を読んだら宗教画的、キリスト教っぽい、みたいな説明があって、なるほどと思った。女性が赤ん坊を抱いているのは聖母子っぽくも見える。確かにちょっと西洋っぽい香りがしないでもない。
山水図的なのは、完全に南画の領域だったなあ。南画がわかるようになる日が来るのだろうか…ってくらい疎い世界だ。
落款がたくさんあった。自分では彫らなかったらしいけど、腕の立つ彫師?を招いて彫らせてたらしい。相当な拘りがあったようで。
写実といえば動物画なのだろうか。
唐犬図のモデルは洋犬(ボルゾイとか、あとは名前忘れた)で、モデルにするために何匹か取り寄せたものの、相次いで病死するという悲しい裏話も。展示室の最後に写真パネルが何枚か展示されていて、その中に洋犬と一緒に写ったものがあったけど、そのときの犬なのかな?
他にも猿とか狸とかいろいろいた。これは現代目線から見てるからかも知れないけど、すごーく自然に馴染んでる。写実的に描くのは近代以降のやり方だけど、それが日本画として自然に見えるというか。「リアルすぎて妙な感じ」とかそういうのがない。当時の感覚としては新しかったのかな?
最晩年は戦争に関連する絵もあったり。
売店は、ちょっと地味目だったかな?
竹内栖鳳の班猫グッズが幅を利かせてた。栖鳳との間の確執は実際どんなもんだったのかわからないけど(展覧会ではあまり深く突っ込んでなかった)、うーん。
うーんとか言いつつ、班猫のミニクリアファイルとか買っちゃったんだけど。橋本関雪のも買ったよ。姫路市所蔵の可愛い子(作品名忘れた)のチケット入れ。
ブログ書きつつ読んでた関連リンク。
京都ゆかりの作家
http://www.kyotodeasobo.com/art/artist/hashimoto-kansetsu/hashimoto-kansetsu.html
白沙村荘・橋本関雪記念館
http://wagen-memo.jugem.jp/?eid=473
画廊のサイト
http://www.tor-gallery.com/gallery/2013/06/1306291f/

常設展示は前に見てたのでパス。一部入替もあるから時間があれば見たかったけど、無理だった。
入場するときに、11月からの展覧会のチケット貰った。行こうと思ってたやつなので嬉しい。(クールスポット関連の特典だったと思う…。クラコレのときにも配布してたらしいけど、私が行ったときはまだそのキャンペーンやってなかったので貰えなかった。)
少しだけ時間があったのでライブラリに寄ってみた。
主に他館の展覧会の情報収集(ポスターがたくさん貼ってある)だったんだけど、そういえば奥の方に貴重な美術書を展示してることがあったなあと思って奥まで行ってみたら、加藤太郎が!ガラスケースに版画集を並べてあった。そこの解説を読んで知ったんだけど、加藤太郎は結核で亡くなっていて、兄弟も相次いで同じ病で亡くなったため、後に残された兄弟の奥さんが家を建て替えるときに納屋ごと焼き払ってしまったとかで、ほとんど作品が残っていないらしい(詳細はうろ覚え)。だから残っている作品もわずかなんだとか。私も葉っぱの木版画くらいしか知らなくて、でも印象に残っていたんだけど、そんな事情があったとは…。事情が事情だけに仕方ないと思うけど、辛いね…。

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2013'11.11 (Mon)

画業40年記念「黒井健 絵本原画の世界」展~物語との出会い~

9月末の話。
阪急うめだのギャラリーでやっていた黒井健展を見た。(阪急百貨店の告知 その1その2
昔、「詩とメルヘン」とか「MOE」とかの雑誌をよく見てた頃に、この人の絵も目にしてたんじゃないかな。それで何となく名前は憶えてた。あとはまあ、会場が行きやすい場所にあって遅い時間でも開いてるからという理由で、通りすがりにふらっと寄ってみた。
代表作は「ごんぎつね」や「手ぶくろを買いに」なのかな?ころわんとかいうシリーズもあるらしいけどよく知らない。絵本以外に大人向けの挿絵なんかも描いているらしい。
ごんぎつねも手ぶくろ~もお話は知ってるけど、この人の絵本で読んだことがあるかどうかは不明。教科書に出てきた記憶はあるので、絵本では読んでないのかも?
絵の横に制作秘話的なコメントが書いてあって、そこで、当たり前なのかもしれないけど、ちゃんと取材して描いてるんだなーというところにへえとなった。確かに文章で情景を説明するのと違って、絵は誤魔化しがきかないからね。「手ぶくろを買いに」では昭和の町並みを表現するのに苦労したとか。原作ではっきり時代が限定されてたのかわからないけど、原作が書かれた時代を意識したってことなのかな?
絵本の内容と制作技法が合わなくて何年も棚上げにしてた作品があったとか、絵本を作るのにも色んな苦労があるんだなあと思った。
技法は色鉛筆がメインなのかな?他にオイルパステルを使ってるとか、布でぼかしてるとか、そんな説明があったような。なんとなく水彩とかパステルで描いているのかなと安直に考えてたけど、試行錯誤の上の技法なんだなあ。
若い頃、数だけこなしてたときは、必死で仕事してたのに、ふと気がつくとそれらの本は全然お店に並んでなかったとかいうエピソードも。じっくり作品に取り組むようになってからは、構想から完成まで何年もかかるものもあったりするらしい。
絵以外に、絵を元にした人形とかの小物が展示されてた。作ったのは多分他の人。
新美南吉の自筆原稿が展示されててびびった。
インタビュー映像とかも流れてたけど時間がなかったのであまり見ていない。会場に入ったのは閉場まで1時間もないくらいの時間だったかな?会場に入るときに係員の人に、DVDが○分くらいあるので興味があれば先にご覧になるとよいですよ、みたいに言ってくれたんだけど、絵と解説をじっくり見る方を優先したので…
グッズ売り場には複製画も売られていた。ジークレーだったかな?こういうのを見るとついお値段をチェックしてしまう…。サイズが大きくなると急に値段が上がるなあとか。
参考リンク:
http://www.kenoffice.jp/
http://mi-te.jp/contents/cafe/1-1-130/

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2013'11.10 (Sun)

六甲アイランドで関学とキモノ、そして神戸

9月後半の話。
小磯記念美術館で開催していた特別展「関西学院の美術家~知られざる神戸モダニズム~」を見た。
展覧会の中では洋画もよかったけど、版画!木版画!北村今三と春村ただを!これがよかったなあ。
特に春村ただをのスケートする男性の絵が素敵すぎた。この絵は知ってたんだけど、実物を見たことあったっけなあ?本で読んだだけ?ちょっと記憶が怪しいけど、今回あらためて見てみると、いい。
神原浩の銅版画もよかったな。
関西学院って芸術系の学校じゃないはずなのに、結構画家を輩出したりしているらしい。学内に芸術同好会的なものがあって(絵画部弦月会)、そこでの活動を通してのことらしい。商学部とか経済学部とかがあって(現在のことは知らない)そこに入学はしたけど勉強はそっちのけで絵を描いていた人もいたとか?(先生の方が、勉強はいいから、いくらでも絵を描いてていいから、是非おいでと誘ったとかなんとか…)
吉原治良は実業家と芸術家の二足のわらじを履いてた人だけど、こういう大学だったからこそな部分もあるんだろうか?
昔、関学のキャンパスがあった原田の森ってどこだろう?と思ったら王子公園駅の近くか…。いつか行こうと思いつつ先延ばしにしてる横尾忠則の美術館ができたとこだ。そろそろいい加減に行かないとなー。
関学グッズが売っていたのにはどうしたらいいのか悩んだ(笑)だって別に関学関係者でもないし、関学に憧れる身でもなし。関西出身じゃないからあんまり親近感もないんだよな。阪急今津線に乗ることは多いので、身近といえば身近なんだけど。大学受験の頃は京都は射程内だったけど、大阪、神戸はあんまり考えてなかったしなあ。(今思うと大差ないんだけど。)
このブログを書くために参照ページとか調べてたらこんな文章(http://www.kwansei.ac.jp/gakuinshi/37NK.pdf)を発見。この展覧会に至る過程が書かれていて興味深い。ちょっと前までは生没年も不詳だったり遺族も不明だったりわかんないことだらけだったんだなあ。それが少しずつ紐解かれていく様子にわくわくする。
そういえば展示では京都国立近美の所蔵品が目に付くと思ったけど、そうか、例の川西英コレクションか。
この辺の事情をよく知らず、神戸ファッション美術館へ行くついでくらいの気持ちで寄ってみただけだったんだけど(一応吉原治良とかお目当てはあった)、これまでの鑑賞経験と結びつくような体験ができてよかった。こういうことがあるから美術館通いはやめられないんだよなー。
版画目当てでカタログ欲しい気分になったけど、西村元三朗展のカタログを見つけてそっちに飛びついてしまった。だって初期作品が結構載っているんだもん。(関連記事その1その2

で、当初の目的、神戸ファッション美術館で「涼をよぶロマンキモノ展―夏の愉しみ―」展を見た。
時間と体力に余裕があれば歩いていける距離なんだけど、今回は電車で移動…。
昭和初期くらいの時代がメインなのかな?まだまだ着物を着ている人も多かった時代、夏の着物は他の季節に比べると商品展開が多彩だったようで、技術の発達で様々なデザインの着物が作られたとか。素材も涼しげだったり。
見るからに涼しげなのもあるし、秋のモチーフを用いることで涼しさを演出したりも。
抒情画を再現するマネキンが面白かった。端的に言うと、着物だけを展示するよりもわかりやすいってことなんだけど、色々と苦労もあるようで。しかし、この美術館に通ってるとマネキンにも愛着がわいてしまう。だんだんアブナイ人になっていきそう(^^;)
参考にされてたのは高畠華宵がほとんど。中原淳一が少し。他の画家もあった。すべて原画とか当時の印刷物そのものではなく、複製写真パネルだった。(そのこと自体はどうでもいい。)
絵をそのまま再現ではなく、恐らく手に入る素材の中から近いものを選んでたのかな?髪型の解説もあったり、想定される年齢も書いてあったり。20代半ばくらいの若奥様が多かったような…。
花火大会だか夏祭りだか、見るためよりも見られるために装っていたみたいな解説もあったような…。
着物の柄を見るのも楽しかったし、解説を読むのも楽しかった。図録というほどでもない薄い小冊子が売られていたので買った。
ミニ企画でビーズバッグコレクションも展示されていた。
簡単な分類だけで詳しい解説もなかったのでさらっと眺めてきたけど、まとめて見ることで、持つ人の年代によって色使いとか違うんだなーというのがわかったりして面白かった。

ついでに神戸ゆかりの美術館にも入ってみた。
特集展示「没後10年・生誕90年 西村 功と神戸 哀歓とユーモア」。
この人は耳が聞こえなくて東京芸大へ入学できず、誰かの尽力でムサビへ入ったとか?そんな制約があるのか…。絵を描くのに関係ないように思うのに。
私は神戸育ちではないのであまりよく知らないんだけど、タウン誌みたいなもの(ペーパー?)の表紙イラストを描いていたらしく、その原画と現物が展示されていた。地元の人には懐かしい感じがする作家さんなのかな?

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2013'10.13 (Sun)

兵庫と和歌山のコレクション

古い話をふたつ。
7月末に、兵庫県立美術館へ、コレクション展のみを見に行ってきた。
ミニ企画のひとつは大阪にあった現代美術画廊、信濃橋画廊のコレクションを一括寄贈されたお披露目。その画廊は2010年で閉廊したらしい。信濃橋と聞くと信濃橋洋画研究所を思い浮かべるんだけど、それとは全然違った。
現代美術には疎い自分ですが、以前から兵庫県美が持ってたコレクションで信濃橋画廊に展示されたものもあるという紹介があったりして、兵庫県美リピーター的にはとっつきやすい内容になっていた。
画廊の歴史を振り返るような感じで、特定の作家に偏らず色んな作品が並んでいたので、なかなか感想も書きにくいんだけど、現代美術(もう現代じゃないけど)に触れるいい機会になったかなーと思う。
新収蔵品の紹介として、泉茂と菅野聖子があった。元永定正もあったよ。泉茂は縁があってファンになったけど、この頃の作品はどう反応したらいいのか悩むなあ。システマティックな絵画制作というやつなのか。タイトルの付け方まで徹底的。
そして、毎年恒例の手で見る造形。毎年見てるわけじゃないけど過去に何度か見ている。前回はイマイチだったけど、今回は結構面白かった。
低めの温度で焼いたという壷がよかったな。ああいう複雑な構造は触りがいがある。
でっかい壷みたいなのがあったけど、触ってみたら軽い感触。張りぼてという表現は違うかもしれないけど、軽そうな素材だった。こういう触ってみて実感できるものがあるってのは面白い。

8月末には、和歌山県美のコレクション展を見てきた(コレクション展2013-夏と、瑛九:紙の上の仕事)。本当はコレクション展だけじゃなくて夏休み向けの企画展示も見たかったんだけど、暑かったり天気が悪かったりでずるずる先延ばしにしてるうちに会期末になってしまって、見れなかった。残念。
コレクション展だけでも十分なボリュームだったけどね。特にお目当てだった瑛九のミニ企画がよかった。
コレクション展は夏をイメージさせる作品がいろいろ。そういう中に田中恭吉や恩地孝四郎がしれっと入ってるのが嬉しい。川口軌外の大型作品もよかったな。
そういうテーマとは別に和歌山ゆかりの作家たちも。高井貞二が気になる。泉茂や瑛九の油彩画もあった。
瑛九のミニ企画は、フォトデッサン/ペーパーワーク、エッチング、リトグラフ、資料展示といったところ。ミニ冊子ももらえた。エッチングとかリトグラフはじっくり見てるといくら時間があっても足りない。
それにちなんでデモクラート美術家協会とかの瑛九周辺作家たちもいろいろと出ていた。一人当たりの点数は少ないけど、いろんな人の作品が見れて楽しかった。池田満寿夫の「月に吠える」にまた会えて嬉しかった。
最後に瑛九の版画研究の成果発表みたいなパネルがあった。これが結構面白かった。銅版画の原版を元に復刻版を摺ってみた、みたいな内容だったけど、オリジナルはニュアンスを出すために色々と工夫をしてるらしいことと、復刻版はあくまで線を忠実に再現することに主眼を置くからそういった味を排除してる、とか、版画も奥が深いなあと。
次のミニ企画が香山小鳥なんで、また来ないと!和歌山は遠いんだよ、本当に。でも、楽しそうな企画をやってくれるんだよなあ。今度は企画展示も逃さずに行きたい。

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2013'10.12 (Sat)

挿絵と表紙絵からみる教科書の世界

お盆休みのちょっと前に、ふとした思い付きで、京都市学校歴史博物館というところへ行ってきた。
場所を大雑把にしか頭に入れずに行ったら迷った。道を一本間違えてて、行き過ぎてうろうろ…。
「挿絵」というキーワードに引っかかったんだけど、見終わってみると挿絵率は低かったような…。
「学校歴史博物館」なので、京都の学校(主に小学校?)の歴史を辿る常設展示室があって、それとは別に企画展示として、教科書の挿絵や表紙絵を紹介していた。
常設展示が案外面白くて、京都では全国的に小学校の制度が出来る前に小学校を始めてた(正確な表現じゃないかも)とか、またまたプライドの高い京都様だわ…と思ったり。(京都国立近美もそんなとこあるよね。別に嫌味ではなく感心している。)
さすが京都は違うぜと思ったのは、そんな小学校の出身者には名のある画家や工芸家がたくさんいて、母校に作品を寄贈しているということ。レプリカがあちこちに掲示されてたけど、あんな人、こんな人の作品が、小学校にあるなんて!いきなり魯山人の壷とかあるんだもんなあ。
常設展示のほうにも昔の教科書類が展示されていて、レプリカが手に取れるようになっていた。戦争の前後で墨で塗りつぶしたやつまであって、なかなかにヘビー。
京都だけなのか他の地方でもそうだったのか、小学校は区役所や警察、消防署などの役割も兼ねていたというのが面白かった。だから昔の小学校には緊急警報?用の鐘がついていたりする。ほとんどは残ってないらしいけど京都市内にひとつだけ残っているそうで、機会があったら探してみよう。
昔の学校は町民から寄付(強制?)を貰って運営してたそうで、かまどがひとつの単位として使われてたという話が面白かった。あと、学校のお金の出入りを記録した帳面で、糞尿を売って収入を得ていたという話が面白かった。どこでだったか最近そういう話を聞いたところだったので。(昔は人糞を肥料にしていたという話。)
昔のノートとして、紙だけじゃなくて黒板のちっちゃい版みたいなやつがあった。
古い話ばかりではなく比較的新しい内容もあった。給食の変遷についてとか。食品サンプルが展示されてた。こういうのって全国共通なのかなあ?私はアルミ食器→メラミンだったなあ。牛乳はビンからパックに変わった記憶が…。

企画展示では、教科書がいろいろと展示。
さるかに合戦が時代ごとに展示されてて、体は人間、頭の部分だけ動物になってる絵があった。前に絵本の展覧会で見たことがあったけど、シュールだよな…。それがある時期からはそういうスタイルじゃなくなるという説明があった。
教科書の歴史とは関係ないかもだけど、その背景とか気になるなー。
東郷青児や岩崎ちひろの絵が表紙の教科書もあった。
ドレミの歌がかわいかった。各音に対応するのは、どんぐり、レモン、みかん、歯、そらまめ、らっきょ、しいたけ、らしい。
常設展示じゃなくてこっちだったと思うけど、ランドセルが革じゃなくて竹の皮だっけな?そんな素材で出来たやつが展示されてた。(でも親の話とか聞くと戦後あたりの時代はまだランドセルは一般的じゃなかったっぽいけど…)

企画展示目当てのはずが、常設の方が盛りだくさんだったなあ。
建物も少し前まで小学校として使われてたものだから、卒業記念品が飾ってあったり、この学校自体の歴史の展示があったり、そういうのも楽しかったな。

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2013'09.17 (Tue)

生誕100年 中原淳一展

7月末の話。少し前に加藤まさをを見た流れで、阪急うめだでやるから近いしってことで、中原淳一展を見てきた。
十代の頃の画帳から絶筆まで、色んなものが並んでいた。
中原淳一の絵は凄く好きってわけではないんだけど、戦前の絵柄は可愛いなと思った。戦後では、童話の挿絵とか、影絵とか、装飾ページが可愛かった。
別に苦手というほどでもないんだけど、どこがイマイチなんだろうと思いつつ見てて、特に結論もないんだけど、ひとつあるとすれば体型かなあ。時代の流行もあるのかもしれないけど、肩が張っててウェストぎゅっと絞ってるみたいなデザイン画が結構多かったような。顔つきも快活すぎるのかもしれない。
若い頃は夢二に感化されてたりするそうだけど、初期(戦前)はともかく戦後のこの人の作風って抒情とはちょっと違うような。それが戦後、昭和の時代なのかねー。大正ロマンとかアールデコ、昭和初期のモダンな雰囲気ともちょっと違う。新しいといえば新しい。
初期はイラストレーターとして、中期は雑誌編集者として、という立場の違いも絵柄に影響を与えているんだろうか?
中原淳一は雑誌の表紙とか本の表紙、挿絵なんかが有名だけど、それ以外にも雑誌まるごと編集してたり、講演会もやったり、色んな仕事をこなしてて、睡眠時間2~3時間を365日何年も続けてたって、そりゃ体壊すよ。なんでそこまで…?というのが気になった。結局、体調を崩して晩年は療養生活だったらしい。
なぜそんなに生き急いでいたのか?と考えたりもした。ふと思い出したのは寺山修二。彼も大概ワーカホリックで、その裏には少年期(だっけ?)に病気になってあまり長生きできないんじゃないかという思いがあったのではないか、みたいなことを元奥さんが言っていた。(たまたま読んだ本で聞きかじっただけの情報ですが…)そういえば橋口五葉も過労で若くして亡くなってるし、程度の差こそあれ、打ち込みすぎてしまう性質の人ってのはいるのかもねえ。
原画は紙を切り貼りして修正してあるものが結構あった。ハイライトの入れ方とか、そのままだとちょっと不自然というか、あくまで印刷物となったときに綺麗であればいいということなのかな?下絵の段階ではモノクロで色は後から指定するようになってたり、あくまで版下絵って感覚なんだろうなと思ったり。
ときどき原画と完成品(本や付録などの印刷物)が並んでて、見比べるのも楽しかった。
デザイン画は他の人がデザインしたものを淳一が描き直してたものもあるそうで、雑誌としての統一感を重視してのことだったらしい。
服のリメイクアイデアとか、実用的な記事は面白かった。
病気で仕事を中断している間に作ったらしい人形の展示も。脚ながー。何頭身だよってくらい。
会場が会場だけに宝塚歌劇100周年特別展示もあった。奥さん男前だなあ。
最後に、淳一の生誕100年を祝う著名人の色紙がずらり。ぶっちゃけ、芸能人の色紙とかどうでもいいんだけど、宇野亜喜良のがかわいかった。顔のドアップをデザイン化したような構図で、目のところにイラストが入ってるという表現で伝わるのかどうか…。あれが絵葉書とかになってたら欲しかったな。

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2013'09.09 (Mon)

フェルメール光の王国と山本容子

今更過ぎる感想文。アップしなくてもいいかなーとも思ったけど、せっかく書いたので。
阪急うめだでやっていたフェルメールのリクリエイトなる複製画の展示会を見た。
これで1000円かよ…という反発もありつつ、阪急のカードで割引になるしーと興味半分で行ってみた。フェルメールは過去に1度だけ見たことがあるけど凄い人ごみで全然近寄れなかった記憶しかないので、複製とはいえ原寸大を間近でじっくり見られるのはいいかもなーと思って。
一応キャンバス地にプリントしてるからそれなりにそれっぽい作り。額縁も本物と同じにしてみましたってことらしい。
こういう複製を見ていて思うのは、絵画って2次元といいつつ実際は3次元的に見てるんだなーということ。特に油彩画はそうなんだけど、色とか線も大事だけど、表面の質感というかマチエールも重要。とはいえ、実物を間近で見たことがないから本物がどんなマチエールかは知らない。油絵盛りまくりのものと違って表面は均一にならしてるのが古い時代には多そうだから、フェルメールも平面的なのかも知れないとは思う。それでもまったく筆の跡が見えないようなものだったかどうか。立体感だけじゃなくて絵の具の材質による見え方とかもあるし。そういえばオリジナルは板絵だというものもあった気がするけど、あれもキャンバスにプリントしてたのかな。確認し忘れた。
デジタルリマスタリングだの色合いを補正したとかエッジを強調したとかひび割れを出来る限り消したとか、描かれた当時の状況に近づけましたというアピールはいいんだけど、平面的な情報ばかりだから、それだけが絵の持つ情報なんだろうか?ということが気になってしまって。リクリエイトの理念みたいなのを読みつつ、うーんと唸るのであった。
不思議だったのは、盗難に遭う等して現在所在が不明なものまであったこと。個人蔵で頼んでも見せてもらえないものもあったとかいうし。画像はフェルメールの本場のどこぞから提供してもらったそうだけど、現物に当たって複製したわけじゃなくて画像だけからの判断なんだろうか?それだとやっぱり一面的な解釈になっちゃうんじゃないだろうか。
あと、リクリエイトという名前にはトラウマが…(黒歴史)。アレの存在を知っててこの名前を採用したんだろうか?アレがなくても一般的な単語なんだろうか?アレがあるから余計にこの手の思想には懐疑的になっちゃうんだよなあ。美術品の修復とは違う形で制作当時の姿を推測して再現することには意義があるとは思うけど、でもね。
それはさておき、解説は面白かった。寓意が色々含まれてて、このモチーフにはこんな意味が…みたいなのがわかったのはよかった。しかし色恋沙汰が多いのね…。
フェルメールは現存する作品が少ないせいもあるのか、並んでる全作品を見ても画風の変遷がイマイチわかりにくかった。題材が変化しているのは説明されてわかったけど。残ってる資料も少ないのかな?単に解説がそこに及んでなかっただけか。そもそも全般的にこの時代の美術に疎いのでフェルメールがどう凄いのかとかもよくわかんない。単純に好き嫌いで判断するにしても、可愛いとは思うけどそれくらいかな。
ショップではキャンバスアート(正式名称忘れた)がたくさん売っていた。リクリエイトそのものも売ってたけど、そんなお値段なのねーと思ったり。
この展覧会を企画した人、どこかで見たことのある名前だと思ったら、こないだ見た中谷宇吉郎の本に執筆してた人だ。

ついでに阪急百貨店内の画廊にも足を向けてみたら山本容子展をやっていた。音楽に関連する作品を中心に銅版画がたくさん並んでた。かわいい…。
画廊なので当然展示品は売り物なわけですが、蔵書票のやつとか小ぶりで可愛いしひとつ欲しいくらいだった。飾るとこないから買わないけど。その代わり、本を1冊買ってきた。ジャズの本。これの版画もあったんだけど、飾る場所さえあれば欲しいわー。かわいいー。
4062135922山本容子のジャズ絵本 Jazzing
山本 容子
講談社 2006-10-04

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(実のところ、最初は全然行く気がなかったんだけど、ツイッターでうめはんでミュシャのデジタル展やってるとかなんとかいう発言を見かけて、なんのこっちゃと気になったから急遽、阪急うめだへ足を運んだというのが真相。光の王国展をやってることは知ってたんで、きっと勘違いか書き間違いなんだろうとは思いつつ。なんでミュシャとフェルメールごっちゃにするかなという話だけど、たまにそういうことはある。そういう経緯で念のため、画廊の方にも足を伸ばしたら山本容子展がやっていた。これも楽しかったので、結果的に行ってよかった。)

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2013'08.12 (Mon)

大阪がとんがっていた時代―戦後大阪の前衛美術 焼け跡から万博前夜まで―

6月の話。
大阪大学総合学術博物館でやっていた、大阪がとんがっていた時代展へ行ってきた。
そんな博物館があるなんて知らなかった。大学がミュージアム的なものを持っているのは幾つか知ってるけど(京都工繊とか、龍谷大とか)、阪大でアート系の展示って意外だなあと思いつつ足を運んだ。阪大ってこんなとこにあったのかー。
タイトルにある通り、戦後大阪の前衛美術を大阪万博の時代まで追いかける内容。大阪万博といえば広島で見た日本の70年代展にも出てたなあと思いつつの鑑賞。
3部構成になっていて、まずは戦後間もない頃について。行動美術協会、パンリアル美術協会、デモクラート美術家協会などが紹介されていた。自分が比較的わかる範囲で言うと瑛九とか泉茂とか下村良之助とか三上誠とか。
生活美術聯盟というのは知らなかったけど、新聞記事もパネル展示されてて面白かった。池田遊子って人の彫刻とか。当時の広告とか、前田藤四郎の作品とかもあった。後で読んだ本に出てきたことだけど、公告と前衛の距離が近いのって意外なことなんだろうか。
次に具体美術協会について。
当時グタイピナコテカに展示されていた海外作品の現物と当時の展示風景写真があったり、グタイピナコテカ建設に当たってのデザインスケッチとか、会員の個展パンフレットとか。
フォンタナは例のキャンバス切り裂き絵画の金色版があった。ミシェル・タピエの献辞も。でかい。この辺の作品は個人蔵が多かったけど、具体美術館の所蔵品だったものらしい?だとして、閉館後はどうなったのかな。そのまま関係者の誰かの手元に残ったのか、別の誰かの手に渡ったのか。今ここに出てるってことは海外ではなく日本にあるってことなのかな。
グタイピナコテカのデザイン画が面白かった。コンペが開催されたものの誰の案も採用されなかったというオチだった。
吉原治良関連ということで、ファッションショーのパンフレットがあった。奈良で田中一光展を見たときに吉原関連の仕事としてファッションショー用のデザイン画があったような…と思いつつ眺めてたら、田中一光がデザインしたパンフレットもあった。
最後に大阪万博や都市の様相。
現存する建物もあるのかな?新歌舞伎座を中心に、作家が手がけたビルや劇場の外装デザインとか、彫刻とか。ここに出てきた建畠覚造って人、たしか和歌山県美で見た名前のような…。気づかないところでこういうものが街中にあるもんなのね。
大阪万博ネタは4月に広島で見てたから、脳内補完しつつ見たけど、やっぱり万博ってのが時代の節目だったのかな。平和、闘争といったキーワード。横尾忠則のポスターもあったよ。
現代音楽のことも紹介されていたけど、元々あまり詳しくないのと、資料展示だけだとよくわからなかったので、さらっと流してます。会場内に音楽が流れてた。
展示室はそれほど広くないけど、細かい資料や写真も含めると結構なボリュームで、楽しかったです。

博物館の常設展示も見てきたんだけど、化石鉱物やら顕微鏡やら分子構造模型やら五姓田義松やら計算機の歴史やらが楽しかった。流石、阪大って歴史があるのねー。そのとき自分が阪大にいるってことを全然自覚してなかったけど、今更それを実感するのであった。

博物館のショップに鉱物ジャンルで有名な益富さんの追悼本(「石に立つ矢」)が置いてあって、なんで?と思ったら一時期、阪大講師だったのか。輝安鉱の標本が飾ってあったり、立派な日本式相晶もあって、鉱物好きなので反応してしまった。
展示とは全然関係ないけどこの本が面白そうなので買ってみた。アマゾンで検索したら私が買った本と表紙が違う!と思ってよく見たら、特大の帯がついていて、帯を外したら同じ表紙でした。帯にはどーんと美人画が印刷されている。(アマゾンには帯付き画像も出ている)
4791766199近代広告の誕生 ポスターがニューメディアだった頃
竹内幸絵
青土社 2011-09-21

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この人、天保山にいた人なんだ…。そうか…。

後日談ですが、展示を見た時点では予約受付中だったこの本を紀伊国屋書店で見つけて購入。展示作品全部が載ってるわけじゃないけど、反芻するにはちょうどよい。
4872592190戦後大阪のアヴァンギャルド芸術: 焼け跡から万博前夜まで (大阪大学総合学術博物館叢書9) (大阪大学総合学術博物館叢書 (9))
橋爪節也 加藤瑞穂
大阪大学出版会 2013-07-05

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関連書?と言っていいのかわからないけど、こんな本も買ってみた。岡倉天心はやっぱり天敵だ…。
4925185284美術フォーラム21 第17号 特集:「大坂画壇」は蘇るか?――「綺麗なもん」から「面ろいもん」まで
美術フォーラム21刊行会
美術フォーラム21刊行会/醍醐書房 2008-05-30

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こんな本もあるらしいけど、ごつすぎて手を出す気になれない…。
492518539X大坂画壇はなぜ忘れられたのか――岡倉天心から東アジア美術史の構想へ
中谷伸生
醍醐書房 2010-03-31

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これは別の流れで欲しくなって買ったものなんだけど(裏表紙がウジェーヌ・グラッセのジャンヌダルクだったもんで…)、偶然大阪ネタが載っていた。前述の広告の本を買ったときは意識してなかったけど、ぐるっと回って繋がってたみたい。
4925185500美術フォーラム21 第27号 特集:ポスターの視覚文化論
美術フォーラム21刊行会
美術フォーラム21刊行会 2013-05-30

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2013'08.10 (Sat)

日本の70年代 1968-1982@広島現代美術館

ゴールデンウィークに広島で夏目漱石の美術世界展を見た後、広島市現代美術館でやっていた、日本の70年代展を見てきた。
広島県立美術館からは市電で移動。美術館までは駅から500mということで油断してたら山道でびっくり。山登り疲れた。
2013-04-27_151400.jpg
階段で行くか、なだらかな坂道を行くか…。

展示内容は埼玉近美で開催時の概要でどうぞ。
面白かったけど、感想が書きにくい。60年代に比べると近すぎて評価しにくいというか。70年代の空気を知ってる世代ではないんだけど。雑誌やポスター、漫画、書籍、写真といった資料類が多かった。
レコードジャケットとか、書籍類も、戦前くらい前のになると古書の趣も出てくるけど、70年代だとその辺の中古屋(古本屋)とか図書館にありそうに思えちゃうしな。いわゆるアートな作品もあった。時間がなくて映像系はきちんと見てない。最後は80年をちょっと過ぎたところまであった。
とりあえず展示は60年代末から始まる。宇野亜喜良とか横尾忠則とかの演劇ポスターとかがどーん。安保闘争だっけ?その頃の映像もあったり。当時の雑誌とか、マンガの展示もあった。普通(?)の漫画の原稿もあったけど、前衛漫画とでもいうのか、意味不明なマンガの原稿も展示されていた。粟津潔ってこんなこともやってたのか。赤瀬川原平のポスターだったかに漫画っぽいキャラが出てくるんだけど、水木しげるかと思った。鬼太郎っぽいような感じ。
数年ごとに壁に年表のようなものが書かれていた。当時の世相がわかるようにという配慮かな?
どこからが70年代か忘れたけど、万博関連の展示がどーん。せんい館の建築デザインが横尾忠則でびっくり。そんなこともやってたんだ。四谷シモンの人形があったり、万博関連映像が流れてたり。万博反対派みたいなのもいたみたいで、ビラかポスターかよくわかんないけど、そんな資料も展示されてた。
an anだっけ?雑誌もいろいろ展示されてた。an anといえば、以前、国立国会図書館関西館で見た雑誌の展示を思い出すなあ。
レコードジャケットもいろいろ。
カプセル型のアパートみたいなのがスケッチとか写真も?展示されてた。耐震性とか大丈夫なんだろうか。
廊下みたいなところにもレコードジャケットがたくさんぶら下がってた。
階を下ると現代アートな展示がいろいろ。この辺で時間が足りなさそうな気配が濃厚だったので映像作品とかは足早に流してしまった。山下洋輔が炎上するピアノを弾いている映像もあった。知ってる名前もちらほらあって、もう少し時間があればじっくり見れたのになー。
最後は80年代にも及んでいた。この辺で田中一光が出てきてた。この人の活動自体はもっと前からだけど、特に目立ってた時期ってことなんだろうか。
この感覚は世代によって差があるかも知れないけど、80年代に入るとようやく現代に繋がる実感があるなあ。70年代だと昔の話って感じがするけど、80年代はリアルタイムで経験してるからだろうか。
パルコのポスターとか、具体的にどんなのだったか記憶はしてないけど、「知ってる」と感じるんだよな。展示品の年代を見ると実際に見てる可能性は低いんだけど、あのテイストは80年代後半か90年くらいまで続いてたんだろうか。
全体的に資料展示が多くて、雑誌が山積みになってたり、ひとつひとつをじっくり見てると時間も足りないし、そもそも積んであったら見れないという話もあったり。
70年代の学生の部屋を再現したものがあったけど、他に人も何人かいたし、あまり時間もないしということで、遠巻きに眺めただけ。

その後、常設展示も見てきた。「2013-Ⅰ レイヤー 層が生み出す表現」というタイトル。あんまり時間もなかったので駆け足で見たけど、結構面白かった。版画もあったし。
岡本太郎の壁画の原画(小ぶりの習作みたいなやつ)もあった。

帰りに寄った書店で寺山修司のムック本を見つけて買ってみた。
4197103492寺山修司と演劇実験室 天井棧敷 (Town Mook 日本および日本人シリーズ)
九条今日子
徳間書店 2013-04-02

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70年代展の冒頭に寺山修二関連の展示があったので、一応関連ネタとして書いておく。
三輪明宏と横尾忠則のインタビューが面白かった。2人の話が微妙に食い違ってる。昔のことだから記憶が曖昧なのか。そんなもんよね、人の記憶って。
後日、別冊太陽からもムックが出てるのを知ったけど、ボリューム的には初心者に優しいのは私が買ったやつかも。最初は敷居が低い方が入ってきやすい。
4582922074寺山修司: 天才か怪物か (別冊太陽 日本のこころ)
九條今日子
平凡社 2013-04-08

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これを書くためにちょっと調べてたらもうひとつ出ていた。これはどんな感じなんだろー。
4800301181寺山修司の迷宮世界 (洋泉社MOOK)
笹目浩之
洋泉社 2013-04-01

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